第一章・俺=桃太郎 神様=小学生
そこの、何でも受け入れてくれそうなキミ!
なんか心が広そうなアナタ!!
ちょっと(かなり)変わったお話読んでいきませんか?
え?読みたくない??
おはこんにばんは。鬼谷昇太です。ちなみにおはこんにばんは、は俺が今考えた朝昼晩全部で使える素敵挨拶(おはよう・こんにちは・こんばんはの略)だ。
そして、俺は誰にむかって話しかけているのか未だに謎だ。
***
1
私立高校一年。金髪・ピアス。周りからは不良と呼ばれる部類の人間の俺。
家には母親が愛人(アメリカ人)を連れ込んでいるので、とりあえず学校には通っている。
授業は椅子に座って、呪文を聞いているみたいでイヤなのでたいてい屋上で過ごす。
それから昼休みになったら、たまにカラス共が俺様の昼飯狙ってくるので、カラス共と戦いながらマンガ片手に昼飯を食う。(結構器用だと思う)
それが俺の日常。
まぁ、普通ではないな。うん。
そして今日もいつも通り屋上で時間を潰していると、ポツッとつめたいものが鼻についた。
「ん?雨か」
ポツポツと少しずつ降っていた雨は、やがてシャワーのように降り出してきた。
「しょーがねぇな・・・ゲーセンでも行くか」
そう呟くと、急いで校舎の中に戻り、傘たての傘を一本パクり、学校から出た。
異常事態発生15分前。
2
「ふぁー・・・っと・・・暇だなオイ」
何か面白いことはないか、っと思ったときなにやら騒がしい声が耳に入った。
「うぉーー!なんじゃコレ!?じじぃーに真っ二つに斬られたのに生きてるよ!?すげーな桃太郎!!」
どうやら本屋で立ち読みをしている小学生の声のようだ。
つーか、本屋で桃太郎立ち読みって・・・普通雑誌とかだろう。
「しかもなんで桃太郎?ダセェーだろ」
うっかり本音をこぼした俺。
すると桃太郎を読んでいた小学生がコッチへ近づいてきた。(人間か疑いたくなる速さで)
しかも精一杯背伸びをして俺に怒鳴りつけてきた。
「貴様!桃太郎をバカにするのか!?」
「いや・・・別に」
情けないが小学生の迫力にまけて、少し声が小さくなる。
「言っただろう!!桃太郎はダサくないぞ!!」
おまけに周囲の通行人や本屋にいる人の視線がすべて俺に向けられる。
なんで!!?
「いや・・・分かったから」
早くこの状況から抜け出したい俺はそう返事するしかなかった。
コレでこの小学生も納得するかと思いきや・・・
「いーや!わかってない!貴様は分かってないぞ!!」
「いや、は?つーかいい加減にしろよ」
流石にキレかけていた俺に更なる悲劇が起こることになる。
「カミサマに逆らうきか?いいだろう・・・貴様に。桃太郎の素晴らしさ+苦労をあじあわせてやる!!」
「はい!?な、何言って・・・」
神様!?カミサマ!?かみさま!?髪様!?
何を言っているんだこの小学生は!
「フハハハハ!死ねぃ!」
混乱している俺に小学生が神様らしからぬ台詞をはいた。
すると何故か俺の周りの地面はブッラックホールのように真っ黒になり、驚くことに俺の体はだんだん地面に吸い込まれていた。
「何何々!?どうした!?液状化!?」
さらに混乱する俺!それをあざ笑うかのように神様はこういった。
「十分に俺様を楽しませろよ。ニンゲン!フハハハハ!」
こうして俺のこの世界で最後に見たのは、小学生の超ウザイ顔という最悪の結果となり、誰にも別れを告げることもなく地面に吸い込まれてきえた・・・・。
あ、死んでねぇよ!!?