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雨蛙緑の受難  作者: 月島 やす
5/6

追ってくる者⑸

生徒会、それは圧倒的な権力者たち。文武両道、才色兼備、人当たりもよく(表向き)、先生との関係も良好な人たちが生徒会役員になる。ちなみに私はというと何をやらせてもザ・平均のミスアベレージ。嘘、運動に関してはクラスの下から数えて一けた台。根っからの陰キャで基本家に引きこもってたい族、先生とはあくまで一定の距離を置いていたから微塵も仲良くない。つまり、絶対生徒会の役員にはむかない。

第一回の生徒会役員会議、私は帰りのホームルームが終わり次第逃げることにした。鞄を持って慌ててクラスの扉から廊下に飛び出そうとしたが、肩をむんずと掴まれる。「!?」「まさか逃げようとなんてしてないよね?」オロチがにこにこしながら私の顔を覗き込むと言いようのない恐怖が全身を駆け巡る。「まっ、まっさか~。ちょっと、お手洗いに。」「じゃあ僕、君が出てくるまで教室で待ってるよ。」「お構いなく。」苦笑いしながら離れると、離れた分の距離を詰められてしまった。「迷子になるといけないしね。僕がやりたくてすることだ。気にしなくていい。」兎にも角にもとりあえずこの気色悪い笑顔から逃げたくて行きたくもないお手洗いにダッシュでむかう。とりあえず個室に入ると他の女子たちが二人トイレに入ってきた。鏡の前で立ち止まり、「この口紅さ~。」とかひたすら化粧と髪型、ファッションの話をしている。私はそろそろ腹をくくって出るしかないかと思って用も足していないけど水を流そうと手をのばしてぴたりと止まる。なぜなら急に女子の話が変わったからだ。「そういえばあの芋女、まじでうざくない?」「それな~。」「オロチ様もいったいあいつの何がいいんだか。」「芋臭いのが好みなんじゃない?」「まじ?ならうちら目にもとめてもらえないじゃん。」「自己肯定感高すぎてうけるw」私はトイレの中一人絶望する。このしゃべり方、絶対クラスの陽キャ連中…名前と顔、どっちもわかんないけど。最悪だ、陽キャに嫌われたらクラスでの立ち位置が…。私はトイレの中思わずぶつぶつとオロチ宛の呪詛を唱えた。


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