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雨蛙緑の受難  作者: 月島 やす
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追ってくる者

 はるか昔この世を支配していた人間たちは滅びたが神様はどうやら人間のあの姿を大変お気に召していたらしい。

まったくわけのわからないことだ。髪の毛は手入れが面倒だし、体は重いし、硬くて柔軟性にも欠ける。

あっと失礼いたしました、ついつい文句が入ってしまいました。

とにかく残された動物たちはなぜだかそろいもそろって人間の形に変えられてしまったのです。最これも今となっては遠い昔の話ですが。

トラも狼も熊もイルカもサメもタイもメダカも猫も犬も蛇も蛙もみんなみんな人間の姿にされてしまい仲良く暮らすことを義務付けられました。

仲良くというのは捕食するなという事です。ライオンはシマウマを食べるのを禁止されましたし、猫はねずみを食べるのを禁止されました。蛇は蛙を食べるのを禁止されましたし蛙はハエを食べるのを禁止されました。

代わりにそれぞれが必要な栄養素は特定の植物から摂取できるように神様が計らってくれたのです。資質やたんぱく質のとれる植物なんて言われてもぱっと想像できないかもしれませんけど。

まあそれでもやっぱり長い間DNAに組み込まれたことってなかなか簡単には消えないものです。恋愛に落ちるのは同じ種族のものですし、昔自分の脅威だった存在を見ると勝手に鳥肌が立ちますし、昔捕食していた種族を見るとどうにもおなかが減ります。

ええ、だらだらだらと何を聞かされているのかとお思いかもしれません。つまるところですね?つまるところ恋愛に落ちる相手は同種族のものが基本なんですよ?他の種族に恋するだけでも異例なのにましてや自分が捕食していた種族に恋をするなんて異端中の異端。そう、あいつはおかしいのだと私は言いたいのです。

ええ、私雨蛙緑、なぜだか蛇族の八重村オロチにストーカーされているのは夢だと思いたいのです。

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