8章(戦争編) 「開戦の合図・1」
8章(戦争編)「開戦の合図・1」
龍一は姉と共にとある廃工場に来ていた。
その他には、何百人かの若者がいる。そして、龍一とその姉、彩香は一番前の段差で立って何やら大声で叫んでいる。
「お前らっ! 俺は再び此処に帰って来た! 平凡で何も起こらない日常に憧れていたこの俺が! この非日常の塊の中へと帰って来た! その意味、お前らに分かるよな!?」
―――Si!―――
「俺らは、再び反政府組織として活動を開始することを宣言する! それと同時に、先日サッカー部が実行したことを…あの学校を襲撃する!」
「それは、正気ですか!?」
「あぁ、正気だっ! そもそもあんな軍用兵士を育てるような学校は、今この世界に在ってはならないっ! 人を何人か殺すようなことになっても、俺はあの学校を潰す!」
「ですが、生徒がこちらに対して抵抗してくるという可能性があります!」
「生徒が抵抗してきた場合は、気絶させろ
いいな? 絶対に生徒は殺すな! 実行は明日の12時30分、昼食で生徒が一番気の緩む時間帯に襲撃を行う! 合図があるまで校門前の広場でじっとしてろ、いいな? では、解散!」
龍一は段から降りると、廃工場を後にした。
残された数百人は武器の手入れ等今日やっておけることを各々やっている。
龍一は、再び自分がこの場所に戻ってきたことに少し違和感を感じながら夜の街に繰り出した。
憧れてた平凡。それらを捨ててまで政府に反抗する理由は、龍一には十分あった。
ある日、龍一がまだまだ小さかった頃に龍一の家に旅人が尋ねてきた。
父は、その旅人を受け入れて数日間泊めてやった。そして、旅人と家族数人での楽しいと気がほんのひと時だけ、流れた…
けれども父はその旅人が去っていくその日に、旅人が持っていた宝を盗んで…
銃で殺した。
龍一は、ずいぶんと旅人になついていて、旅人に相談したり、旅人にたくさんの事をしてもらっていた。
なのに父親は、その旅人を殺した。そして、それからというものの父の行う政治は段々とおかしくなった。
人が変わったように今までとは反対の、好戦的振る舞い、そして好戦的な政治。
数少ない他国とも対立を深めていった。
そして父は、ある日龍一とその姉を何度か殺そうとさえもし、その結果二人を東京へと追い出したのだ。
そして軍国主義へと乗り出し、あの学校を生み出した。
そして龍一は、父を恨んでおり三田に居るころにDOTSを創り出し…そして今に至るというわけだ。
龍一は、夜の町をぶらぶらと歩いていた。
明日の開戦に備えて、自分が平凡にいれる最後の日を、この街を見て回ることに使うことにした。
龍一に大きな変化があったとしても、この街は変わらない。街は人を弄ぶ。
時には住人の変化を喜び、楽しみ。
時には住人の行為で哀しみ、嘆き。
時には住人の行為で傷付き…
街はいろんな姿を見せる。そして、今日この街は平凡だ。いつもと変わらない。
それが龍一にとってはすごくうれしかった。
誰よりも平凡を愛する、総理大臣の息子は様々な想いを胸に抱え、夜の街に消えた。
―――渋谷 某マンションにて―――
「そうかそうかぁ~、あの人がこちら側に戻ってきたのかぁ~っ! これはおもしろくなってきたぁっ!」
ソファーにもたれて笑う男が一人佇んでいる。
その男、空也は龍一の変化を一番楽しんでいるだろう。
自分の思う通りに事が進むというのは、とても気持ちのいいものだ。
だけれども、少しだけ予想外だったりもする。
空也はまさかこんなに早く復帰するとは思っていなかった。もう少し遅く復帰するのかと重いきや、これだけ早急に事が進んだのだ。ことさら気持ちがいいだろう。
「さぁ、開戦まであと少しかぁ~。もう待ちきれないなぁ~僕は楽しみだよ~」
街は来る日にそなえる。
そして、明日までのほんの少しの間を楽しみながら、じわじわと歪み始める。
ウーノもAngel Magicも並行して執筆中ですよっ!笑
ウーノは、ほんとここから歪んできますよ
歪んだ話しですからね
Angel Magicは歪んでないお話です笑
たまには、こういう歪んでいるのもいいかなと思って書きましたよウーノは
さてと、今回は短く切らしていただきました
いつも長いからねw
たまには切って載せるのもいいかなと
では、音時雨にて更新お知らせしてきます
http://playlog.jp/gzza/blog/