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2章「にぎやかな朝は」

 2章「にぎやかな朝は」

 「…ふわぁ…んー…あ、朝か」



おれはゆっくりとあくびと伸びをしながら身を起こした。ベッドの横の窓からは柔らかい朝の日差しが降り注ぎ、非常に心地がよい。

こういう日には布団を干すのが一番なのだろう。そしてふと庭の方を見るとなぜか布団が干してあった。…もしかして



 「なんか予感がするんですけどー」

おれはため息交じりにつぶやいた。そしてリビングに向かう。すると予感は的中した。

 「あ、おはようー起きたんやね。朝ごはん作ってるから、ちょろっと待っとってね」

美菜が制服にエプロン姿でそこにたっていた。



 「あの、美菜さん?なんでここにおられるのですか?」

俺はなぜか敬語で聞く。

 「なぜって―彼女が彼氏のうちにご飯作りに来ちゃいけない?」

 「そういうことじゃないんだけどよ。朝はゆっくりと過ごしたいというのがありあまして―」

美菜はちょっと頬を膨らませている。



包丁を動かしながらしゃべっている。料理はかなり得意な方なのだ。そうでなければ作りながら喋るというのは不可能。おれはもちろん無理。

 「なんやねん。私がおったらゆっくりできひんの?」

 「そういうことじゃないんだけどさぁ ―なんというかぁそう、一人でいたいっていうかなんていうか?」



俺は朝から騒がしいのが嫌いなのだ。朝は静かな方がいい。うん。そのほうがいい。

 「あぁ、そいうことね。残念でしたぁー私がいるからには静かな朝は望めませんよ」

美菜はおどけていう。



 「はっはっはっ!もともと俺様がいるから無理なんだけどな!」

バルンが調子にのって朝から大声たてる。

 「バルン、ちょっとうるさい。近所迷惑」

 「そうだよ、龍一の言うとおり。ちょっとはトーン抑えなさいよね」

今度はアヤナまで会話に参加してきた。



二人と二つの会話。静かになるはずがない。

 「はぁ…到底静かな朝は無理か」

 「そう、あきらめぇやぁ ―はい、できたよ」



美菜は朝食を皿に盛り、テーブルに並べてくれた。そして美菜もテーブルに座り、向かい合わせで食べる。今日のメニューは目玉焼きとパンとコーンスープとサラダだ。

朝からこんなに食べらないのは言うまでもない。

 「いただきまぁーす」

 「いっただっきますっ」



それでも食べないと怒るので食べる。

まず目玉焼きを口に入れた。やっぱり美菜の料理はおいしい。目玉焼きというシンプルなものにしてもやさしい味になっている。



しょうゆやソースなどをつけなくても十分に美味しいのだ。

しばらく夢中になって食べた。美菜はそんな俺をみて嬉しそうに食べている。そして数分後何とか食べ終わった。

いくら味がよくても量が多すぎてちょっと時間がかかる。

 「ごちそうさまぁ~おいしかったぁ」

 「お粗末さま。それよりも急がないとやばいかもね。時間」



俺はすかさず時計を見た。時刻は八時を指している。学校の時間は8時30分からだ。

 「うわぁ…やっべ。急いで着替えないとっじゃぁ着替えてくるから、玄関で待ってて!」

 「うん。そうする。急いでやぁ?」



俺は畳の部屋に行き、戸をしめた。部屋中にわかってるよと声が響く。

かかっている制服をとりだし、パジャマから急いで着替えた。そしてバルン、アヤナを身につけて上からブレザーを着る。



そして戸をあけて玄関に急ぐ。

 「じゃぁ、いこっか。走っていかないと間に合わないかもな」

 「うん。そだね。走ろっか」



いってきますと二人で告げるとドアを開けて飛び出した。鞄を抱えて走る二人。

木々や人々、建物がすぐ視界から流れていく。

最初は光が少し眩しくてそれらを直視できなかったが、今はもう慣れてきたのでそれらの景色を見ながら走る。ここから学校は遠い。



二輪車通学は禁止なのでいつもこんな感じだ。

 「あぁーあぁーなんで二輪車通学禁止なんだろなぁ」

走りながら文句をつぶやく。いつものこと。

 「さぁね、そんなの学校委員会にきかんとわかんないよ」



学校委員会とは学校を運営する人達の組織だ。

先生は入っていない。基本はだが。

そこで学校のことやらなんやらいろいろ決めているらしい。らしいというのは、ほとんど生徒には知らされないからだ。



見えないところで決められた決まりに知らない間に従わされているのが俺ら生徒。

まったくおかしな話だとつくづく思う。

 「まったく、忙しくて騒々しい朝だな」

 「はっはっは!まぁこういうのもいいじゃねぇか!」

 「そうやでーあさっていうものは少し騒々しいほうがいいんよ」



どうもこの二人とは意見が合わない。だったらなんで美奈と付き合っているのか。となるが、意見の違いと好きかどうかは関係ない。

バルンの声は少し揺れていた。俺の体が揺れているのだから、バルンも揺れるのだ。

走り始めてから25分。やっと校門をくぐることができた。

 「やっと着いたぁーっ!」

 「よっ、今日も遅刻ギリギリに校門くぐってんな。」



 「鴨井か…お前後輩のくせに生意気だよ?

おれだからいいものの、他の人に同じ態度とったら殺されるかもな」

目の前の鴨井と呼ばれる男は金髪ツンツンのどっかのアニメで見たような頭。

後輩なのだが、同学年のような態度をとってくる。



 「りゅう、早く教室入らなきゃ先生にまた怒られるで?」

 「ほんとだ。じゃ、鴨井またな!」

俺らはまた走り出した。一〇〇ほど距離のある下駄箱に向かう。ぎりぎりの時間なのでここらへんには人がほとんどいない。



俺は靴を履き替え、教室にむかった。

学校内は広く、最初のうちは迷ったが今はもう慣れた。階段を上がり、教室に入る。おれらは2年で2年は2階なのだ。



すると案の定全員集合していた。俺と美菜は隣の席で、その二つだけぽっかりとあいていた。

「いつものことですけど、遅いですよぉー龍君と、御恵さん?」

「すいませーん。家遠いもんですからねーそれに遅刻してないんだしいいじゃないですかー」

「そうそう、先生はかたすぎですよ」



おれらは全く反省する気もない。だって毎日のことだから。そしておれらは席に座った。そして鞄を机の上において用意を取り出し、机にしまう。ノートパソコンと筆箱だけは机の上にだしておく。いつでも小説が書けるように。



 「じゃ、揃ったところでそろそろショートホームルーム始めますよぉ~日直おねがいしまぁーす」

 「起立、気を付け、礼。」

―おねがいしますー



全員ががちゃがちゃ音を立てて立ち上がり、礼をし、またがちゃがちゃ音を立てて座る。

そしてSHR 通称“ショートホームルーム”が始まるのだが、俺はほとんど聞いていない。

席は窓側。日差しが包んでなんとも眠りたくなる席だ。だけど俺は授業中以外は寝ない。小説が書きたいからだ。ということは授業中は寝るのだ。授業中寝るなよと突っ込みたいと思うが寝ないとやってられない。



おれは音がしないようにキーボードをたたく。

今書いている話はファンタジー小説だ。多くは語れないが簡単に言うと「日本とイタリア両国の交友関係を持とうとする主人公たちの話」本当はここで紹介したいのだけれどこれはまたちがう話だからまた今度の機会にしよう。



 「と、いうわけでぇ~終わります~」

 「起立、気を付け、礼。」 



 ―ありがとうございました―

小説を書いているうちにショートホームルームは終わったらしい。おれは大きな伸びをして、パソコンを閉じた。



 「ねぇ、全然きいてなかったやろ?」

 「駄目だよ?龍くん。ちゃんと先生の話はきかなきゃぁ」

 「…あ、美菜と蘭かぁ~いやぁー先生の話長いしさぁー小説のアイデア浮かんだもんだから、ついさ」

おれは頭を少し掻きながら言う。




ちなみに美菜の横にいるのは伊藤蘭といって美菜の大親友。おれの友達でもある。とある疑惑が持ち上がっているのだが、話すのはやめておこう。

 「そんな感じで今日の授業ずっと過ごすつもり?」

 「今日の授業なにがあったっけ?」

 「えっと、数英伊理剣銃だよ」



だるいのしかない。だけど最後の剣銃だけはいい教科だ。剣銃はセット。一教科だ

 「じゃぁ剣銃の授業だけまじめにやるわ」

 「あかんから。まじめに受けなさいっそんなんだから補修になるんよね」

 「はっはっは!言われてんぞ!龍一さんよぉ!」



俺は軽くバルンをたたいた。こうすると自分の腰にも衝撃が加わるのだけれど、気にしない。

 「あ、らんー私ちょっと刀手入れしてくるわぁーりゅうの相手よろしくねっ」

 「なんだよそれ」

俺はくすりと笑った。蘭も笑っている

若干呆れているけれども…

 「りゅうくん?ほんとに授業うけなきゃだめらよ?」

 「ら?」



俺は吹き出して笑った

つられて蘭もまた笑う。おれは耐え切れずに声をだして笑った。そしてその笑い声を撃ち消すかのようにチャイムがなる。

あわてて席に座る蘭。それを見るおれ。美菜はまだ刀を研いでいる。さぁ、授業の間に少し話をしようか。そうだなぁこの世界の話でもしよう。


バルンうざいですね

いちいち声大きく笑うという銃


あったらいやですね

絶対つかってやらない笑


さてと、主人公の話でもしましょうか


主人公の秋沢 龍一くんはですね

めんどくさがり屋です


授業サボります。そのくせ部活にきます。

今回も授業さぼります。

まぁ次回になるんですが


そのせいで補修になるわけですね

そして補修もろくに聞いていないわけで…


まぁ小学校でならったことのおさらいですから

さぼってもいいんですけど



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