14章「荒んだ心」
14章「荒んだ心」
数年後、とあるイタリアのマフィアにお世話になることになった龍一達。
マフィアの仕事を手伝いながらも、日本総理大臣に刃向かう為の準備をしている。
そして、龍一は…
「…ってぇな…」
「痛ぇっていってんだよっ!」
不良に肩をぶつけられ、マジギレの最中。
「すいません!」
必死の形相で謝っているにもかかわらず、謝罪の言葉を全く聞こうとしない龍一。
そして、問答無用で…
刀を横に振るう。
峰打ちだったのがせめてもの救いだった。
不良は2mほど吹き飛ばされ、地面にたたきつけられる。
「…ふん」
その場からゆっくりと立ち去る龍一。
そして、ある店に入って行った。
「また派手にやったな、龍一さんよ」
「いいんだよ。向こうが悪ぃんだ。」
「ほんと、変わっちまったなぁ…龍一さんよぉ」
「バルンは黙ってて」
「あいよ。」
「マスター、いつものくれ。」
カウンターテーブルの席に座り、マスターに注文をする。
この店は、龍一が面倒見てもらっているマフィアの店だ。
「人は変わるものです。よくも、悪くもね。」
「分かってるけどよぉ。」
「はい、いつものコーヒーとサンドウィッチでございます」
「ありがとよ」
荒んでしまった龍一あっても、一応お礼くらいはする。
最低限の礼儀までは捨てていないようだ。
それを捨てると、人間終わりというものだけれど、今の龍一は人間と終わりのラインをギリギリで彷徨っている感じである。
真昼間の日差しに照りつけられながら、涼しくない店内でコーヒーとサンドウィッチを食べる。
いつもの昼食。
この後には、軽い仕事を控えているため、今日は軽い食事に済ましている。
マフィアの仕事というのは、島を巡回するだけでなく、いまどきのマフィアはギルドのような仕事をしている。
いろんな人から依頼を集め、解決。
何でも屋と似ている。
「今日の仕事はどういったものなのですか?」
「説明臭いセリフだな…。今日の仕事は、最近増えている化け物の調査だ。」
「ずいぶんと大変そうですねぇ…」
「あの化け物は例の事件をきっかけか。日本から出現して、方々に散っているようですね。」
「例の事件なぁ…。やっぱ、あの石か。原因は…」
「そうですねぇ。」
刀が考察をする。
この刀というのは、美菜が持っていた刀だ。
「あの化けもの…俺の予想だけどな、日本の国会議事堂とか。政治的な事をする建物から出ていると思うんだ…おそらく、親父の所為だな。」
「あの親父ならやりかねんなぁ、龍一さんよぉ」
「あぁ、ほとんど間違いねぇ…憶測だが、これは間違いない。」
最後のサンドウィッチを食べ、コーヒーを飲み終えて話も終わり。
丁度その時、羅衣が店に入って来た。
「そろそろ行くよ、龍一。」
「あぁ、わかった。今行く」
「いってらっしゃいませ。」
「お代、ここ置いとくぞ。」
「ありがとうございました」
龍一達は店を出て、みんなと合流。
ヘリに乗り込み、今日の仕事現場へと向かう。
最近出現し始めた化け物の調査。
例の事件から、日本で見られるようになり、全世界に広まって行った。
日本政府は虚無から出てきていると主張しているが、イタリア政府やその他の国の政府は日本政府を疑っている。
一応、虚無を調べたりはするが…
まずは目撃現場へと向かう。
「化け物っすかぁ…おかしな世界になってしまいましたねぇ。三次元と二次次元が混ざり合っているような…妙な世界っす。」
「確かに、おかしな世界ね。翔」
「もともと虚無なんてものができるのがおかしな事なんだよ。そして、セフィロトとか宗教上のものだと思っていたものまで実在。全く、おかしな話だ。」
「そして、この俺達の喋る武器も…セフィロトを使って、魂吹き込んだらしいぞ」
「どれもこれも、あのいかれた親父が根源。ってことか…」
「そうですねぇ…」
龍一は周りの景色を見渡す。
あたり一面に広がる砂の海。
どこをみても
砂、砂、砂。
砂しかない。
龍一は、目を凝らして見てみる。
すると、明らかに人間のものではない足跡を見つけた。
「ちょっと、降りるぞ。」
そう言って、全員ひきつれて降りていく。
目的地も確か、ここらだったはずだ。
おそらくこの足跡が、化け物の…
「よし、この足跡をたどるぞ。」
「いぃや、その必要はないみたいっすよぉ~?」
鴨居が指さす方向を見てみると、大きい人型の化け物が現れた。
腕が2対8本もあり、阿修羅を想像させる。
そして、鬼のような形相。
足はとても大きい。
「あれか…」
「あれっすねぇ。」
「あれだな」
「あれだねー」
「あれね」
「…」
沈黙の1秒後…
化け物は龍一達を睨んできた。
ひょっとしたら勘違いかもしれないが、これは確実にこちらを睨んでいる。
そして、大きい体からは想像がつかない速さで…
迫りくる!
迫りくる化け物!
「…」
「よし、一斉にかかれ」
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