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神様WEB!山のふもとの一軒家に住む俺と、俺のネットショップに棲む神様の冒険と日常  作者: かざみはら まなか


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57.さようなら、母さんと母さんの小さい子、俺に無関係な家族。『警察が動いた件で注目されたね。警戒だけじゃ弱い。匿おうか?』俺、襲撃される?

俺は、小さい子をどうしたらいいか分からない。

見ているだけのことが多い。


小さい子には、子ども好きな、構ってくれる人のところにいってほしいと願っている。


小さい子に、穴が開くほど見られる経験なんて、今まで、一度もない。


俺も黙って見返せばいい?


モナナと仲良くする気はない。


モナナと仲良くするのは、考えるまでもなく、心が拒否する。


何もしなくてもいい?


志春しはるは出ていって。モナナを見ないで。モナナは、思いやりのある優しい子なのよ。」


母さんは、モナナを抱きしめて、俺に背中を向けながら、出ていけ、と俺に言う。


俺をじっと見ているのは、モナナの方だよ、母さん。


母さんは、俺の存在が気に入らない?


「俺は、母さんが、俺に弁償するために用意したお金を受け取ったら、出ていく。今すぐ渡して。」


俺は、努めて冷静に話す。


本当は、母さんにきつく言いたい。


会いに来いとメッセージを送ってきたのは、母さんの方だって。


お金を受け取るために会いに来た俺に、騙し討ちみたいに、仕事を押し付けてきて。

俺が断ったら、お茶をかけて、帰れないように、閉じ込めて。


良心が痛まない?


銀行振込で十分だったよ、母さん。


会いに来なければ良かった。


俺自身が、母さんを嫌いになる日がくるとは思わなかった。


嫌われていても。

それでも。

俺には、母さんとの思い出があったから。

思い出の中で、母さんが俺の母さんだった日々を確認出来ていたから。


でも、母さん。


過去の思い出は、もう増えないんだ。


新しい出来事が、過去の思い出を上書きして、人は、考え方を変えるんだと思う。


母さんにとって、俺は、何を言ってもいい相手?


志春しはるが絵を描かないから、貰えなかったわよ。」

と母さんは、俺のせいにした。


「俺が絵を描いて、報酬を得ることと、母さんが俺に弁償することは、別物だよ、母さん。


俺に渡すためのお金、母さんは、用意していないんだ?」


母さんは、無言のまま、モナナを抱きしめている。


「間に、人を挟むことにするよ、母さん。

俺が受け取りにきても、母さんは、払う気がないと分かった。」


俺は、三人の刑事さんと、母さんの夫に会釈をした。


「俺は、帰ります。」


そのとき。


「その石。わたしの石。返して。」

モナナは、母さんに抱き込まれながら、俺へと手を伸ばす。


俺は、手に持っていた石を見た。


神様も空だと言っていたから、渡しても無害だと思う。


俺は、モナナに向かって一歩進んだ。


「来ないで。」

と母さんに拒絶される。


俺は、進行方向を変えて、ダイニングテーブルに石を置いた。


「石は置いておくよ。俺のものじゃないから。」


「石だね?」

と刑事さんの一人が首を傾げた。


「母さんの夫の姉の家の倉庫にある石の絵を描いて、と言われて、断ったら、石を持って出ていくように言われた、静物画のモデルになりそこねた石です。」


「わたしが拾ったの。欲しいと言われても、あげなかったのに、ママがどうぞしたの。」

とモナナ。


甥を通した出資者へのご機嫌取り?


甥の母親が、母さんの夫の姉で、弟家族の家計を援助している。


石を渡したのは、母さんでモナナじゃない。


モナナが、母さんから優しい子と言われていたのは、母さんに逆らわずに、石を取り戻そうとしなかったから?


考えないことが一番。

俺が関わることじゃない。


「パパは、ママとわたしがお引越しするって。わたしはお兄ちゃんと行くの?」

とモナナ。


モナナは、切り捨てられることを察している?


「行けばいい。面倒みてもらえ。おれの家だ。出ていくのが増える分には構わない。二度と、入ってこなければいい。」

と言ったのは、母さんの夫。


「勝手に決めつけないで。志春しはるといるなんて。」

と母さん。


「じゃあ、誰が面倒見るんだ?警察に行く間、世話するやつがいる。」

と母さんの夫。


「あなたがみて。可愛い娘よ。」

と母さん。


「なんで、おれが。」

と母さんの夫は、心底嫌そう。


志春しはる、モナナをみていなさい。兄なんだから。」

と母さん。


母さんは、俺のことを、モナナの兄だと分類していたんだ?


もう遅いよ、母さん。


俺は、モナナの兄になりそこねたのを忘れていない?


俺をモナナの兄にすることを拒否したのは、母さんだよ。


四年間、俺は、母さんのうちの息子にはなれなかった。


モナナは、俺の妹じゃないよ。


母さんのたった一人の娘だよ。


母さんが大事にしてきて、生まれてから、4年間、俺に会わせなかった母さんの娘だよ。


「母さん、子どもは、子どもだからって、無条件に面倒をみてもらえるんじゃないんだよ。


親が大人として、面倒みてくれる人に尽くしている場合、お返しに、その親の子どもを可愛がってもらえるんだ。


お互い様なんだよ。」


俺は、婉曲に拒否した。


直球で拒絶しないのは、大人だという自覚が、俺にはあるから。


母さんは、俺に背を向けるのを止めて、モナナの横に膝をついて、モナナと並んで俺を見上げてきた。


志春しはるは、お兄ちゃんなんだから。

妹に優しくしなさい。

妹に優しくできないのは、意地悪よ。」

優しい口調で俺を叱り出す母さん。


モナナの前だから?


母さんの中の俺は、やっぱり刷新されていないんだ。


母さんの顔色に一喜一憂できた俺は、父さんにも同じ反応をしていたよね。


でも、今は違う。


俺と、父さん、母さんの関係は、変わったんだよ、母さん。


父さんから逃げるとき、俺は、母さんに助けを求めなかった。


今日、母さんから、逃げるために、俺は父さんに助けを求めた。


父さんは、俺を助けた。


実際に動いたのは、深川さんのようだけど。


俺は、母さんにも、母さんの夫にも、モナナにも、刑事さんにも、期待させないために、はっきりと告げることにした。


「母さんは、俺が助けを求めたとき、小さい子がいるから、と、断ってきたね。


忘れることがない苦しみってあるんだよ、母さん。


母さんが、俺と会うときは、いつもファミレス。


俺を家族の一員として、家の中に迎え入れたことはなかった。


母さんが、俺を助けなかった理由は、小さい子がいるから。


俺の家族をバラバラにした原因は、母さんに小さい子がいるから。


何が起きても、俺だけは、母さんの小さい子の面倒をみない。


俺と母さんと小さい子が、一つの家族だったことは、一度もない。


母さんは、母さんと小さい子の二人がかりで、俺を一人にして苦しめたんだって、覚えていてほしい。


小さい子が優しい子でも優しくなくても、母さんの小さい子は、俺には無理。


俺は、母さんにも、母さんの小さい子にも、もう会わない。」


モナナの名前を出さずに話したのは、最低限の大人としての配慮。


母さんの家族が継続していたら。

母さんも、母さんの夫も、母さんの小さい子のモナナも、俺の名前を呼んで、俺の存在を意識することはなかった。


母さんの夫は、もう、俺に何かを言おうとはしなかった。


母さんの夫は、母さんの夫と俺が同じ側にいる、と分かったんだと思う。


母さんの夫がしたことは、息を止められる前に、やられたことをやり返しただけ。


最初に、夫であり父親である存在を家族の中で軽いものにしたのは、母さんと母さんの小さい子のモナナ。


母さんは、俺の明確な拒絶に戸惑っている。


モナナは、俺を凝視し続けていた。


俺は、凝視するモナナの視線を振り切る。


大人としては、小さい子に寄り添うことが、道徳的には正しいのかもしれない。


正しいことをすることが、俺を救うんじゃなく、苦しめる限り、俺は、正しいことに手を出さない。


俺は、神様とネットショップ〈神棚〉を続けていくことが、何よりも大事。


俺が苦しむことは、俺自身とネットショップ〈神棚〉の継続に悪影響を及ぼす。


母さんは、俺が拒絶するとは考えていなかったのかもしれない。


母さんは、俺の思いの丈を聞いて、驚いたように俺を見てからは、何も言わなかった。


俺がダイニングルームを出ていくとき。


刑事さんが、母さんに、モナナから離れて、外出の準備をするように、と話し始めた。


さようなら、俺に無関係な家族。



俺は、母さんの家を出て、父さんに連絡した。


父さんは、すぐ電話に出た。

「無事か。」


俺の連絡を待っていた?


「ありがとう、父さん。無事に解放されたよ。」


「そうか。

儲け話に誘われたときは、相手の土俵に乗らないようにすることだ。

また、何かあれば、言いなさい。」

と父さん。


「うん。骨身に染みた。父さんも元気で。また連絡するよ。」


俺は、電話を切ってから、考えた。


俺は、父さんのことを、また連絡したい相手だって認識しているのかもしれない。


深川さんに、お礼を言っておかないと。


俺は、深川さんにも電話した。


電話は、一分ほど待っただけで繋がった。


「今回は、私が監禁されていたところを助けていただきまして、ありがとうございました。」


俺が、お礼を言うと、深川さんは、闊達に笑った。


志春しはる社長は、律儀な性分だね。大したことはしていないが、助けになって良かった。」

と深川さん。


「お陰様で、無事に解放されました。」


志春しはる社長、まだ安心するのは早い。」

と深川さん。


「お礼は、これから検討したいと。」


「お礼してくれるのかい?楽しみにしているよ。


志春しはる社長のお母さんは、警察に呼ばれていただろう?」

と深川さん。


「はい。」


警察の件も深川さん?


志春しはる社長のお母さんが警察に呼ばれた件で、志春しはる社長は注目されている。」

と深川さん。


注目とは、警察に?


それとも、犯罪に関係する人?


後者なら、警察が動いたのは、母さんの保護のため?


「情報、ありがとうございます。警戒します。」


「警戒だけだと弱いから、安全なところに、匿ってあげようか?」

と深川さん。


母さんが警察に呼ばれている件に関連する、警戒するだけじゃ効果がない人達、犯罪に関与した人達が、俺を襲撃しにくる?

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