24.卒業式には、まだ早いけど、大学近くのワンルームの解約が決定。勝手に荷物を処分されないように、取りに行こう。
神様と手を取り合うことは、できないから、画面越しに、俺の拳と神様の拳をそっと合わせる。
「最強が誕生!」
「最強か。小童の好きな言葉だ。」
と神様。
俺が、機嫌よくなっていると。
滅多にならないスマホが、振動した。
メッセージがきている。
父さんからだ。
母さんからは、ほぼ、連絡が来ない。
父さんからは、ときどき、小学校で連絡帳に書いていたようなメッセージが来る。
「部屋を解約する。」
大学近くのワンルームの賃貸契約は、大学在学中のみで、卒業と共に解約する。
父さんと母さんと不動産屋で賃貸契約をするときに、父さんから聞かされている。
卒業後の住まいは、自分で用意するように、と。
まだ、卒業式まで、間があるんだけど。
俺は、卒業式に出ないと思われているのかな?
山のふもとの我が家からは、始発に乗っても、間に合わないと思う。
前日泊のお金は、父さんと母さんに出してもらおう。
俺は、商売を始めて、お金の稼ぐことの大変さを実感した。
俺は、父さん母さん相手でも、金勘定は、あいまいにしない。
ワンルームを解約したら、いよいよ、父さんと母さんとの縁が、切れるんだ。
父さんには、新しい奥さんがいる。
俺の大学在学中に、父さんは再婚した。
父さんと奥さんとの間に子どもがいるのかどうか、俺は知らない。
父さんは、俺には、俺に関する事務連絡以外、伝えてこない。
俺も、父さんに、奥さんとの家庭について、聞くことはない。
俺は、父さんが、息子の俺より大事にしている、父さんの家族の話を、父さんの口から聞きたくない。
母さんは、俺が高三のときに、既に、次の夫との子どもを妊娠していたんだと思う。
俺が高校を卒業する前に、父さんと母さんの離婚は成立していたのかも。
父さんも母さんも、俺と話そうとはしてくれなかったから、父さんと母さんの離婚については、何も聞けないまま、四年。
今さら、父さんと母さんに聞くことは、多分、ない。
俺の中にあった、父さんと母さんに期待する気持ちが、しぼんだから。
なくなってはいないけど。
俺は、神様と生きていくんだ。
俺は、解約前に、ワンルームに残した荷物の整理をしにいくことにした。
生活に必要なものは、山のふもとの我が家に移したけれど、すぐに使わないものは、ワンルームに残している。
解約前に、俺が必要な荷物を持ち出しておかないと。
前の家を処分するとき。
俺は、事前に何も知らされていなくて、引っ越し準備は一切していなかった。
ワンルームに入居した日。
父さんと母さんは、父さんと母さんが、俺に必要だと判断したものだけを、ビニール袋に詰めてきて、ビニール袋を部屋の中に置いて帰った。
卒業証書とか、検定の合格証とか、銀行通帳とか。
そのときに気に入っていたグッズ、服や靴は入っていなかった。
家に取りに行く、と連絡したら、家も荷物も処分したから、もうない、と言われたんだ。
俺のお小遣いや、お年玉で買ったものもあった!
と主張したら。
元は、親の金、と言われて、俺は、何も言い返せなかった。
ワンルームにあるのは、バイト代で買ったもの。
親の金、とは、もう言われないと思う。
でも、言われっぱなしは、悔しい。
解約の立ち会いで、俺の荷物は、何もないよ、と言ってやるんだ。
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