23.神様はカリスマ店員?
俺は、ホームページへのアクセスをチェックする。
神様に、店番をしてもらうと言っても、神様には好きに過ごしてもらうようにした。
「俺が起きている時間で、売り上げがあったときは、教えて。」
検証なのに、売り上げに気づかなかったら、検証できない。
「家の中を覗かれると思うより、店番をしているという意識の方が、楽しかろう。」
と神様。
神様は、俺の店のホームページで、店番をやってくれることになった。
ネットショップのホームページの中での店番って、どんな仕事があるんだろう?
俺には想像できないから、神様に、あーして、こーして、と頼むことはしなかった。
ホームページに入ること自体が、人間には無理だから、何も思いつかなくても仕方ないと思う。
ネットショップ〈神棚〉の店番をしている神様は、ホームページの中で、寝っ転がったり、起き上がったり、手足の運動をしたりしながら、俺と話をしている。
アクセス、増えた、と思ったら。
「売り上げ、二。」
と神様。
「売り上げ、三。」
と神様。
早くない?
今まで、全然売れなかったのに、いきなり売れる?
「数え間違い、じゃない。三つ目、売れている。」
「売り上げ、四、五。」
売り上げが、分刻みで伸びていく。
俺は、開始一時間で、検証を終了した。
「売り上げは、神様効果だ。俺の実力じゃなかった。」
俺は、どうしたらいいか、分からなくて、腕を組んでみた。
腕を組むのは、考えているポーズっぽいから、俺がしてもサマになる。
神様の実力でイラストが売れるのは、売り上げが出なくて、店をたたむよりはマシだけど、神様を利用しているみたいで、嫌だ。
俺と神様は、友達だから、店の相談に乗ってもらうのはアリ。
神様ありきで、俺のイラストを売るのは、ナシだと思う。
新しいホームページを今から作る?
神様に引っ越してほしくないなら、俺の店を新しく作る?
俺が悩んでいると。
「神の棲まうところを覗いている者には、何もしておらぬ。」
と神様。
「神様は、何もしていないんだ?
商売繁盛のオーラとか出ているのかと思った。」
「覗くものは、興味津々で見てくる。賽銭を入れていく感覚であろう。」
と神様。
賽銭?
「賽銭って、神社で初詣に行ったときに、五円玉入れるアレ?
神様が棲んでいるネットショップ〈神棚〉は、もしかしなくても、神社みたいな扱いになった?」
神様が棲んでいるから、ネットショップといえど、神社と言えないこともない?
分からない。
占いなら、ネットにあるけど、ネットに神社?
神様に確認だ。
「神社で、御守や絵馬を買う感覚で、俺のイラストを買っているってこと?」
「家の中を覗く者からの信仰心は感じ取れぬ。」
と神様。
「神様だと分からなかったら、神様のことは、和風のアバターにしか見えないから?
俺のホームページにアクセスして、アバターを見て、買ってるのか?
俺も、最初、神様に似ているアバターだと思ったし。」
俺は、神様の偉大さに気づいた。
「神様、神様は、カリスマ店員なんだ。
いるだけで、売り上げが伸びるんだから、史上最強のカリスマ店員だ。」
「最強のカリスマ店員か?最強というからには、何かと戦うのか?」
と神様。
「今のところ、神様に戦いの予定はないから、好きにしていて。
店番は、神様の気が向いたときにする感じでいいと思う。
売り上げが、あったときは、教えて。」
俺は、神様と店の話をするのが、楽しい、と思った。
「俺のイラストに興味はあったけど、買うほどじゃないと思っていた人が、買っている。
カリスマ店員、神様の後押しが、俺のイラストにお金を出そうという気持ちにした。
俺と神様の二人三脚が、ネットショップ〈神棚〉の売り上げに繋がったんだ。
神様、俺と神様のコンビは、一時代を築くと思う。」
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