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神様WEB!山のふもとの一軒家に住む俺と、俺のネットショップに棲む神様の冒険と日常  作者: かざみはら まなか


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11.神様と、マグロ。『神様、最後だから、聞いてくれる?もう会わないなら、迷惑にならない?』父さんと母さんには、俺を含まない家族がある。父さんも母さんも、俺には、同じことを言うんだ。

俺と神様は、水槽を遊泳するマグロが、銀色に光っているのを見ている。


神様は、俺の肩に座っている。


「マグロは、生きている間、ずっと泳ぎ続けるんだって。」


俺は、神様に豆知識を披露する。


「マグロは、生きることが、泳ぐことなのだろう。」

と神様。


「マグロが、ぴかぴかしているって知らなかった。

山のふもとに住んでから、魚は干物オンリー。

町中にいたときに食べる刺し身のマグロは、赤身だし。」


「マグロが気に入ったのか、連れて帰るか?」

と神様。


「俺、就職が決まらないまま卒業したら、四月から、無収入なんだ。


生き物は飼えないよ。


自分の生活の見通しさえ立っていないのに、他の命の責任までは持てない。」


「広さはあるが?」

と神様。


「マグロが泳げるだけの土地があっても、水槽を作って、マグロを泳がせる水槽の環境を維持する技術と費用が、必要なんだ。」


「小童は、さとくなると、諦めがよくなる。」

と神様。


なあ、神様、最後だから、言ってもいい?


もう会うことがないなら、迷惑にならない?


「神様、俺は、手を伸ばして、いらないと言われるのが、怖い。


今の俺を欲しがってくれる人は、どこにもいない。


自転車に乗る練習をしていたときは、父さんも母さんも、俺のことを欲しがってくれていたのに。


父さんと母さんは、いつから、俺が欲しくなくなったのか、俺には、全然分からない。


父さんと母さんと三人で暮らしていたときも、一人暮らしを始めてからも、全然。


俺、会いにいったけど、父さんも母さんも、俺じゃない家族は大事にしているんだ。


俺より、小さくて、手がかかるから?


そう思いたかったけど。


そうじゃないんだ。


家族の中に必要とされているか、いないか。


小さい子は、我が子なんだ。


俺は、何なんだろう?


父さんも母さんも、俺が会いにいっても、喜ばない。


俺が会いにいくと、俺の用事を済ませて、家族の元に戻りたがっている。


『用事は済んだ?』

『他には、何かない?』

二人が、俺に聞いてくるときは、解散の前触れ。


家族がうちで待っているから、と、いそいそと帰り支度を始めている。


『まだ、もうちょっといたい。』

と俺が言うと、迷わず、伝票だけ持って店を出ていくんだ、父さんも母さんも。


『払っておくから、満足したら帰りなさい。』

って、台詞まで同じ。


父さんも母さんも、そっくりな行動をするのに、どうして、仲良しじゃなくなったんだろう。


父さんのことも、母さんのことも、俺には、全然分からない。


二人とも、よく知っているはずなのに、知らない人みたい。


父さんと母さんの、それぞれの家族の中に、俺は入っていないから、家族のいる家には、あげてもらえない。


いつも、ファミレスで待ち合わせ。


父さんも母さんも、時間ぎりぎりに来て、用事が済んだら、振り返らずに、家族の元へ帰っていく。


父さんと母さんは、恋愛結婚だって聞いたんだ。


恋心が無くなったから、家族だった全部を壊して、全部なかったことにした?


俺のことは、壊せないから、省いたのかな?


卒業が決まっているのに、就職先が決まらない。


友達からは、連絡が来ない。


友達には、俺からも連絡していないから、お互い様だけど。


誰にも欲しがられない俺は、どうしたらいい?


神様がいなくなったら、俺、誰と、どんな話をしたらいいのか、分からないんだ。


こんな話をされて、神様、びっくりしたよな、ごめんな。


神様は友達だから、最後まで、楽しい思い出を作りたいと、思ったのに。


神様にしか話せない話だから、聞いて欲しかった。


いきなりでごめん、ありがとう。


よし、神様、観覧車だ!

観覧車に乗りにいこう!」

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