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第九十一話 裏の顔

時間が経てば経つほど状況は悪くなって行く。

既にトイレの扉の向こうにたくさんの女子生徒達がいる。

逃げ出そうにも袋小路に陥っているので無理だ。

かと言って大勢の人前で指輪を使うのは憚れる。

姿は見えないからと言って転移の光を見られるのはマズい。

何かのきっかけで指輪の所在がバレてしまうからだ。


「ちょめちょめ」 (このまま擬態してトイレの扉を開けようかしら)


そうすれば見つかることがない。

けれど誰もいないのにカギがひとりでに空くのはおかしい。

何かのトリックかと思ってトイレの中を荒さがしするはずだ。

そうなればいくら擬態しているからと言っても大丈夫でない。


すると、ドタドタと廊下をかけて来る音が聞えた。


「犯人を追い詰めたって本当なのか」

「はい。この中にいます、湯水先生」

「おい、開けろ」


湯水先生と呼ばれた大人の男性はトイレのドアノブをガチャガチャ回す。


「カギがかかっているな」

「だから言っているじゃないですか」

「とりあえず生徒達はここから出ていけ」

「何でですか。私達が追い詰めたんですよ」

「もしものことがあったら取り返しがつかなくなる。だから、トイレから出て行くんだ」

「えーっ。せっかく追い詰めたのに。犯人の顔ぐらいみたかったわ」


湯水先生にせかされて女子生徒達はつまらなそうにトイレから出て行った。


「湯水先生、どうしましょうか」

「とりあえず犯人を説得しよう。下手に刺激して逆上されると恐ろしいからな」

「わかりました」


湯水先生はさっきトイレの扉を開けようとした男性教師のようだ。

声だけ聞いていると40代半ばの中年男性のような野太い声色をしている。

その声から想像すると中肉中背のちょっとお腹の出た先生なのだろう。

ちなみに頭は禿げ上がっていておでこの面積がとんでもなく広い面構えだ。


「私達はキミに危害を加えるつもりはない。ただ、話を聞きたいだけだ」

「……」

「キミのやったことは許されぬことだが魔がさしたのだろうと思う」

「……」

「私も女子生徒達のぱんつは欲しい。だから、私にも見せてくれ」

「……」

「ちょっと湯水先生。何をおっしゃられているんですか」

「あはは。ついうっかり」


湯水先生は本音を漏らしてしまったので女子生徒達の冷ややかな視線を浴びていた。


女子生徒や女性教師のいる前で”ぱんつが欲しい”だなんて間抜け過ぎる。

つい本音が漏れたのだろうけれど時と場合を考えて発言をするべきだ。

ちょめジイじゃないけれど中年男性が言えば本気にしか思えない。

”中年オヤジ=ド変態”と言う公式があるくらいなのだから。


「ちょめちょめ」 (あの湯水先生って普段から女子生徒達の太ももをガン見していそうだわ)


先生と言う立場を利用して女子生徒達に詰め寄っている姿が目に浮かぶ。

身だしなみチェックとか言って棒でスカートを捲ったり胸をつついたりしているのだろう。

中年オヤジの考えることなんてそんなものだから想像するに易しだ。


「湯水先生、真面目にやってください」

「わかってる。キミ、この扉を開けてくれたら解放することを約束しよう。だから、扉を開けてくれ」

「湯水先生。そんな安易なことを約束してもよろしいのですか」

「ここはまず犯人の緊張を解くことの方が大切だ。だから、ちょっとの嘘ぐらい問題ない」

「ちょめちょめ」 (聞えているんですけど……)


湯水先生は小声で女性教師に説明しているようだが丸聞えだ。

扉一枚を挟んだ向こうで話しているし、トイレの中は静かだからだ。


「キミが速やかに出てきてくれたら罪は問わない。この学院であったことも他言しない。だから扉を開けてくれ」

「……」

「どうしても出て来てくれないのか。なら、こっちにも考えがあるぞ」

「湯水先生。こんなところで座り込まないでください。汚いじゃないですか」

「これは男と男の勝負だ。キミが白旗をあげるか私が白旗をあげるかの勝負だ。キミが出て来るまで私はここを動かないぞ」


湯水先生はトイレの床に座り込んで胡坐をかいてどんと構える。

様子を見ていた女子生徒達から”汚い”と悲鳴が湧き起った。


それから私と湯水先生の我慢比べがはじまった。


「……」

「さあ、どうするんだ。3分経ったぞ」

「……」

「私は全然平気だぞ」

「……」

「キミも随分と頑固者だな」


私はもちろん外に出るつもりはないので無視している。

だけど、湯水先生だけはひとり相撲をとって満足していた。


「湯水先生。こんなことをしていても時間が過ぎるばかりです。警察を呼びましょう」

「それは困るな。理事長は例のいじめの一件以来、警察沙汰になることを嫌がっているからな」

「ですが、このままでは埒があきません。湯水先生もずっとこうしておられる訳ではないのでしょう」

「犯人も人間だ。いずれお腹が空いたら出て来るさ」


すでにトイレに閉じ籠ってから30分は経っている。

まだお腹は空かないけれど喉が渇いて来た。


すると、緊張を裂くように授業開始の予鈴が鳴り響いた。


キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。


「授業がはじまったぞ。ここは私達に任せてキミ達は授業を受けて来るんだ」

「えーっ。まだ犯人の顔を見ていない」

「ワガママ言わないの。犯人が捕まったら教えてあげるから」

「絶対ですからね。犯人の写真を撮っておいてくださいね」


湯水先生達にせかされて見物していた女子生徒達は教室へ戻って行った。


「先生達も授業に戻ってくれ。ここは私が引き受けるから」

「湯水先生ひとりでは危険です。もし、犯人が襲いかかって来たらどうするのですか」

「大丈夫だ、白鳥先生。私はこれでも空手の初段をとっているから」

「その形で言われても説得力がありません。私も残ります」

「白鳥先生の気持はわかるがこれは男と男の問題なのだ。だから、私に任せてくれ」

「……わかりました。ですけれど無理はしないと約束してください」

「白鳥先生の頼みなら断る訳にはいかないからな。OKだ」

「それでは私は授業に戻ります」


トイレの扉の向こうで湯水先生と白鳥先生のやり取りが聞えて来る。

話の流れから湯水先生は何か勘違いしているように思えた。

けっして白鳥先生は湯水先生のことを好いている訳ではない。

湯水先生が任せろと言うから心配しているだけだ。

だけど、湯水先生は男気を見せてカッコつけていた。


「さあ、これで二人きりになったな。キミが女子生徒達から奪ったぱんつを出してくれ」

「……」

「せっかくだし二人で楽しもうじゃないか。実は言うと私もかねてより女子生徒達のぱんつが欲しいと思っていたんだ」

「……」

「あのムチムチの太ももの奥にある神聖な純白のぱんつを想像するだけで涎が出て来る」

「……」

「いつも女子生徒達のお尻を見ながらどんなぱんつを履いているのか想像しているんだ。キミも同じだろう」

「……ッ」


湯水先生は誰もいなくなったので普段のド変態ブリを私に話して聞かせる。


中年のオヤジが女子高生を見る目がエロいのは知っていたけれどこれほどまでとは驚きだ。

ほぼ目で女子高生達を犯しているようなものだ。

しかも聖職と呼ばれる教師の立場にいながらふとどき過ぎる。

もはや聖職ではなく性食だ。


「キミが奪ったぱんつはどんなぱんつか教えてくれ。彼女達はどんなぱんつを履いていたんだ」

「……」

「キミがぱんつが好きなように私もぱんつが好きなんだ。つまり私達は同士なのだ。だから二人で分かち合おう」

「……」


ここまで来ると湯水先生は無実の犯罪者だ。

けっして法に触れるようなことはしていないが罪は犯している。

いたいけな女子高生達をエロい目で見ることが犯罪なのだ。

これまでに何人の女子生徒達を裸にして来たのだろうか。

湯水先生だけでなく世の中にいる中年オヤジは全て犯罪者なのだ。


「まだ私のことが信じられないのか。ひとりで楽しむなんてズルいぞ。私にも見せろ」

「……」

「仕方がない。私のコレクションを見せてやる」


そう言って湯水先生はトイレの扉の隙間からコレクションのブルマを差し出して来た。


「……ッ」

「それは更衣室に落ちていたブルマだ。誰のモノかわからないけれどこの学院の女子生徒のモノだ」

「……」

「私はこれを見つけた時、神様からのプレゼントだと思った。日々のハードワークを慮って神様が私に3種の神器のひとつであるブルマを与えてくれたのだ」

「……」

「ちなみに3種の神器はブルマ、スク水、黒パンストだ」


扉の向こうで湯水先生がどんな顔をしているのか想像がつく。


女子生徒の落とし物を3種の神器なんて言うなんて異常過ぎる。

神様が与えてくれたのではなく女子生徒が忘れていったものだ。

しかも得意気に3種の神器を説明してくるなんて気持ちが悪い。

それは中年オヤジが作ったエゴでしかないのだ。


「……」

「キミは何派だ?ちなみに私は黒パンスト派だ」

「……」

「ムチムチの太ももが黒パンストに包まれるだけでエロスが増す。その太ももに挟まれてぐりぐりされたいとさえ思ってしまう。考えただけで涎が出て来るだろう」


扉の向こうにいるのは先生ではなくただのド変態中年オヤジだ。

他人に自分の性癖を惜しげもなく暴露するなんてド変態過ぎる。

きっと話しながら興奮してギンギンになっているのだろう。


「ちょめちょめ」 (こんなところにいたら私まで犯されてしまうわ。逃げないと)


今なら湯水先生しかいないから指輪を使って転移しても問題ないだろう。

転移の光を目撃されたところで湯水先生の言うことなんて信じないはずだ。

ただ、このままこのド変態を野放しにしておいていいのか迷ってしまう。

教師と言う立場を利用して女子生徒達をエロい目で見ているのだから。


だけど、今の私にできることは何もない。

ちょめとしか話せないから女子生徒達を忠告することもできない。

たとえ言葉を話せたとしても私の言うことを信じる可能性は少ないのだ。


「そうだ。キミが女子生徒達から奪ったぱんつとこのブルマを交換しよう」

「……」

「安心してくれ。ブルマは匂いを嗅いだだけだからキレイなままだ。どうだ、悪い条件じゃないだろう」

「……」

「ブルマも萌えるアイテムだがぱんつには敵わない。やっぱり直に履いているぱんつの方が魅力的なんだ」

「……ッ」


どこまで変態を吐き出せば気がすむのだろうか。

ちょめジイではないけれど湯水先生も超ド変態だ。

こんな奴に女子高生のぱんつを与えてはならない。


「ちょめちょめ」 (もう、こんな奴に付き合ってられないわ。転移しちゃおう)


と言うことで私は転移の指輪を取り出して魔力を注いだ。

すると、眩い光が指輪から溢れ出して私を包み込んだ。


「ちょめ」 (うっ……)


光が薄れて行って目が慣れて来るとミクの部屋の中にいた。


「ちょめちょめ」 (無事に転移できたようね)

「ちょめ太郎、どこへ行っていたの?」


見上げるとミクが仁王立ちして立っていた。

どうやら私が転移して来るのを待っていたようだ。


「ちょめちょめ」 (野暮用よ)

「野暮用って?」

「ちょめちょめ」 (だから野暮用よ)

「ちょめ太郎、またエッチなことをして来たんでしょう」

「ちょめ」 (ギクッ)


ミクに図星をつかれて私は思わずギクリとしてしまう。

ミクは私の何を見てそう思ったのかわからないが鋭い。


「誰のぱんつを盗んで来たの?」

「ちょめちょめ」 (何を言っているのよ、ミク。私がそんな破廉恥なことをする訳ないじゃん)

「じゃあ、何で私とルイのぱんつを盗ったの?」

「ちょめちょめ」 (そ、それは……)


私がミクとルイのぱんつを盗ったのはコレクションを増やすためだ。

ちょめジイのコレクションなのだけれど私が元の姿に戻るためでもある。

”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を100枚集めないと元の姿には戻れないのだ。


ミクとルイは”カワイ子ちゃん”だったから基準をクリアしていた。

確かに名付け親のミクのぱんつを盗るのはどうかと思ったが背に腹は代えられない。

ミクとルイには悪いが私が元の姿に戻るための犠牲者になってもらったのだ。


「もう、そんなエッチなことばかりするなら家から追い出しちゃうよ」

「ちょめちょめ」 (それだけは止めてよ。私、他に行くところがないのよ)

「なら、もうエッチなことはしないと約束して」

「ちょめちょめ」 (うぅ……わかったよ。約束する)

「絶対だからね」

「ちょめ」 (はーい)


とりあえずほとぼりが冷めるまでは慎重な行動をとる必要がある。

とりわけぱんつを集めていることをミクには絶対に知られてはいけない。


そんなやり取りをしていると1階からママの声が聞えて来た。


「ミク、ルイ、ちょめ太郎くん。おやつの時間よ。下に降りて来て」

「ちょめちょめ」 (おやつだって。ミク、行こう)

「何だか話を誤魔化されたような気がする」


ひとり納得していないミクをほっておいて私はルイを呼んで1階へ向かった。


「ママー、今日のおやつは何?」

「あれ、ミクは?」

「後から来る」

「ならテーブルに座って」

「はーい」


私とルイはママに言われた通り自分の席に着いた。


「今日のおやつはプリンアラモードよ」


ママが冷蔵庫から取り出して来たのはまさにプリンアラモードだった。

プリンの上にホイップクリームとスライスしたバナナが乗せてある。

おまけにさくらんぼうも乗っていてお皿の上が賑やかだった。


「うわぁ~、美味しそう。これママが作ったの?」

「そうよ。ママの手作りよ。この前、王都へ行った時に見かけたから作ってみたの」

「ママってプロのパティシエみたいだね」

「そう言ってもらえると嬉しいわ」


ルイは目を輝かせながらプリンアラモードを見つめてママを褒める。


確かにルイが言うように1度見たプリンアラモードを再現してしまうなんてプロレベルだ。

ママが料理上手なのは知っていたがここまですごいとは思ってもみなかった。


「食べていい?」

「どうぞ召し上がれ」

「パクリ……あま~い」

「ちょめちょめ」 (本当。プリンアラモードそのままだわ。美味しい)

「満足してもらえてよかったわ」


ママは私とルイの幸せそうな顔を見て優しい笑みを浮かべた。


そこへ後からやって来たミクが浮かない顔で席に着いた。


「どうしたのミク?」

「ちょっと悩み事があって」

「悩み事って?」

「うんとね……チラッ」


ママに尋ねられてミクはチラッと私を見る。

そして徐に口を開いて悩み事をママに話した。


「ちょめ太郎がエッチなことをして困っているの」

「エッチなこと?」

「うん。私やルイのぱんつを盗ったりするの」

「ぱんつを……ジロリ」


ミクの口から思わぬことを聞いてママは私の方をジロリと睨む。

そして私の表情を読み取ってから正解をミクに伝えた。


「ちょめ太郎君はスキンシップをとっているのよ」

「スキンシップ?」

「ちょめ太郎くんは喋れないでしょう。だから、余計に触れ合って仲良くしようとしているのよ」

「なら、ぱんつは盗らなくてもいいじゃん」

「ちょめ太郎くんがぱんつを盗るのはママにもわからないわ。だけど、それがちょめ太郎くんの愛情表現なのよ、きっと」

「そうかな……私はちょめ太郎がエッチなだけだと思うんだけど」

「ミクはちょめ太郎くんの友達でしょう。なら、信じてあげなくちゃね」

「……うん」


ママのフォローに私は救われたような気がした。


ママがここまで私のことを思っていてくれたなんて嬉しい。

まるで私が犯した罪を消し去ってくれるかのような言葉だ。

ミクが信じてくれなくてもママだけは私の味方だ。


「それよりミクもおやつを食べなさい」

「はーい」


ミクはスプーンでプリンを掬うとそのまま口に運んだ。

そしてルイが見せたように幸せそうな笑みを浮かべた。


「あまくて美味しい」


ミクは悩みなど忘れたかのようにおやつに夢中になった。


「ごちそうさまでした。ルイ、お部屋に戻ろう」

「うん。明日のおやつは何かな」

「きっと今日よりも美味しいものよ」

「ちょめちょめ」 (そうだね。期待して待っていよう)

「ちょめ太郎くん。ちょっといいかしら」

「ちょめ」 (えっ?)

「私達、先に行っているね」


ミク達と部屋に戻ろうとするとママから呼び止められた。


ママが名指しで私を呼び止めるのははじめてのことだ。

私からおやつの感想を聞くのが目的なのかわからない。

ただ、それだと言葉のわからないママには無理な話だ。


ママはミク達がいなくなったのを確認してからテーブルに座った。


「ちょめ太郎くんにお話があってね」

「ちょめちょめ」 (何だろう、改まって。怒られるのかな)

「ちょめ太郎くん、ミクとルイに変なことをするのは止めてちょうだい」

「ちょめ」 (ゲッ。ママ、怒ってる)


ママは険しい顔をしながら私に注意をして来る。


「ちょめ太郎くんが来てからミク達は変わったわ。良い面もあるからあまり強くは言えないのだけど」

「……」

「だけど、ミク達は微妙な年頃になっているの。その大事な時期にどんな経験をするのかで将来が変わって来ちゃうの」

「……」

「ママはミク達に立派な大人になって欲しいと願っているわ。だから、ミク達に変なことをされると困るのよ」

「……」


全く返す言葉が見つからない。

私がミク達にして来たことは歪んだことなのだ。

ぱんつを盗ったり洗いっこしたりエッチなことばかりだ。

そんな経験を幼い頃からしていたらエッチな人間になってしまう。

子供の成長を真剣に考えているママならではの心配ごとだ。


「ちょめ太郎くんが何を思ってミク達にそういうことをするのかわからないわ。だけど、これ以上ミク達を汚して欲しくないの」

「……」

「わかるでしょう。ちょめ太郎くんもミク達のことを大切に思っているでしょうからね」

「ちょめちょめ」 (ごめんなさい)


私のして来たことはまさにミク達を汚すことだ。

そうせざおるを得なかったと言え罪なことだ。

ミク達のことを大切に思うならば約束を守らないといけない。


「ちょめ太郎くんならわかってくれると思っているわ。約束してくれるわね」

「ちょめちょめ」 (約束します。もう、ミク達にエッチなことはしません)

「今のは約束してくれるってことでいいのよね」


私の言葉が通じないので頭を下げて了承を伝えた。

すると、ママは私の首根っこを捕まえて脅しをかけて来た。


「もし、約束を破ったらただじゃ置かないからね。ぎったんぎったんに殴り倒して生皮をひん剥くからね」

「ちょめ」 (ヒーィ)


私は思わず悲鳴を上げてしまう。

その形相はまるで悪魔のようで私の心に恐怖を植え付けた。


「わかってくれればいいわ」


そう言ったかと思うとママはいつもの優しいママに変わった。

私はこの時、ママの本性を知ったのだった。


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