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第八十七話 おねだり

時計塔までやって来るとママが首を長くして待っていた。

買い物は全て終えていてロバが1頭増えている。

ロバの背には買った荷物が山のように積み上がっていた。


ママはミクを見るなり”遅い”と文句を言って来る。


「ごめんごめん、ママ。ちょっと用事があったから」

「何時間待たせたら気がすむの。もう、17時よ」

「ごめんなさい。外せない用があったから」

「ママより大切なことだったの」

「ママと同じぐらい大切な用事だったの」

「それなら仕方ないわね」


ミクから遅れた訳を聞くとママはひとまず納得してくれる。

自分と同じぐらい大切な用事だと言うから理解したのだろう。

まあ、ミクにとって大事だったと言うよりも私にとっての方が大きい。

ルイミンは私の親友だからほっておくことができなかったのだ。

だけど、ミクが協力してくれたおかげで一件落着になった。

これでルイミンがナコルのことでモメることはないはずだ。


「ママ、どのぐらい待ったの?」

「う~ん。1時間ぐらいかな」

「そんなにも待ってくれたんだ。ごめんなさい」

「いいわよ。大切な用事があったんだからね」

「代わりに私が荷物を運んであげるよ」

「じゃあ、そのロバはミクに任せるわ」


ミクは自分の近くにいたロバの手綱を持つとママがお願いした。


「ちょめちょめ」 (なら、私はそっちのロバを引くわ)

「ママ。ちょめ太郎も手伝ってくれるって」

「悪いわね。なら、そっちのロバはちょめ太郎くんに任せたわ」

「ちょめ」 (ラジャー)


私はテレキネシスを使ってそっちのロバの手綱を引く。

これで1人1頭の割りあてになってバランスがよくなった。

ママ1人でもロバは引けるがみんなで分担した方がいい。

私もただの付き添いではなくお手伝いをして孝行するのだ。


「それじゃあ市場へ行きましょう」

「はーい」

「ちょめ」 (OK)


私達はロバの手綱を引きながら市場へ向かった。


市場に着くと朝とは様子が違っていた。

品物や仲買人達はほとんどいない。

代わりに市場を掃除する人達の姿が見られた。


「ちょめちょめ」 (朝とは全然雰囲気が違うのね)

「市場は朝とお昼にしか開かれないから夕方は後片付けをするの」

「ちょめちょめ」 (へぇ~、そうなんだ)

「仕入れの関係でそうなっているから業者にとっては都合がいいのよ」

「ちょめちょめ」 (まあ、1日中市場を開いていたら休めないものね)


日本の市場でも朝早く行われるだけで夕方は開いていなかった。

漁師さん達も一日中、お魚を獲っていることはできないからだ。


「今度、王都へ来たら朝市へ行ってみる?」

「ちょめちょめ」 (それいい。こっちの世界の朝市を体験してみたい)


日本の朝市では獲れたての新鮮な魚介類を堪能できる。

おまけに朝市で売られている商品はこぞってお安い。

だから、朝市目当てで深夜から前乗りする人達もいるのだ。


王都の市場は魚介類が集まらないからお魚は楽しめない。

その代り採れたての新鮮な野菜や果物、お肉を楽しめる。

しかもお安いと来たらほっておくことはできないだろう。


今から1ヶ月後の王都へ来る日が楽しみになって来る。


「今から次のお約束。本当にミクは王都が好きよね」

「だって月に1度しか来れないんだよ。楽しみになるじゃん」

「ミクも学校に通うようになれば嫌でも王都を楽しめるようになるわよ」

「えっ!私、学校へ行ってもいいの?」

「あたり前じゃない。そのために毎月積み立てをしているんだから」

「けど、私が学校へ通うようになったらルイがひとりぼっちになっちゃう」


ミクの一番の心配事はルイのことだ。

今はいっしょにいられるから寂しい思いをさせなくてもいい。

けれど、ミクが学校へ通うようになったらルイはひとりぼっちになってしまうのだ。


「ルイのことは心配しなくていいのよ。ママが傍にいてあげるから」

「けど、ママもお仕事があるじゃん」

「お仕事の方はほどほどにしてルイの傍にいてあげられる時間を増やすわ」

「でも、心配だな。ルイに寂しい思いをさせたくない」


ルイのことを想うからこそミクはそう言うのだ。

けれど、ミクが学校に通わなければお医者さんにもなれない。

ルイの病気を治したいと言う夢を叶えることができないのだ。


ミクの立場から見たら究極の選択かもしれない。

学校へ通わなければ今まで通りルイといっしょにいられる。

でも、学校へ通えば夢だったお医者さんになることができる。

お医者さんになれたらルイの病気を治すことができるかもしれないのだ。


今を取るか将来を取るかの二者択一だ。

どちらとも選択することはできないのだ。


「ちょめちょめ」 (ミク。あなたは学校へ行くべきよ。学校へ行けばいろんな人達と出会えて、新しい体験もできるわ。世界を広げることができるのよ)

「けど、ルイはどうなるの。私が学校へ行ったらルイは寂しい思いをするんだよ。そんなのさせられない」

「ちょめちょめ」 (その経験もルイを強くするのよ。大人になるうえで避けられない道なの。だから、ミクは学校へ通って大人になりなさい)

「ちょめ太郎くんに何を言われたのかママにはわからないけれどミクは学校へ通わせるつもりでいるわよ。これはパパも承知をしていることだから変えられないわ」


さすがはママである。

ミクにとって一番いい方法を選んでいる。

一時の寂しさに惑わされて正しい道を選ばないことは勿体ない。

ミクもルイも大人になるために通過しなければならない壁なのだ。


「なら、ママ。約束して。ルイに寂しい思いをさせないって」

「わかったわ。約束する。その代りミクも学校へ通うのよ」

「ママが約束してくれるなら学校へ通うよ」

「ちょめちょめ」 (これで一件落着ね。まあ、ミクが学校へ通うようになるのは3年後なのだけどね)


学校は13歳から通えることになっている。

ミクは今10歳だから3年後になるのだ。

その頃になればルイも9歳だ。

今のミクぐらいになっているから心配することは何もない。


そんなミクの将来のことを話しているうちに転移装置までやって来ていた。


「ミク、ちょめ太郎くん。ロバを魔法陣の中へ移動させて」

「はーい」

「ちょめ」 (了解)


私達はママに言われた通りロバを魔法陣の中へ移動させる。

そして移動が終わるとママが転移装置に魔力を注いだ。

すると、辺りが明転して何も見えなくなった。


「ちょめちょめ」 (うぅ……眩しい)


あまりの眩しさに私は大きな目をつぶって堪えた。


転移装置は便利だけれど光の量が半端でない。

目も空けていられないほど眩しいので大変だ。

この点を改善してもらえたら都合がいいのだけど。


そしてゆっくりと目を開くと精霊の森が目に飛び込んで来た。


「ただいま到着」

「ちょめちょめ」 (やっぱりこの景色の方が落ちつくわね)

「故郷に帰って来たって感じがする」


私が住んでいた場所は都会だったから気づかなかったけれど田舎の祖父母の家に行くときには同じことを感じた。

誰もが想い描いている故郷は日本の原風景が残っている場所だからだ。

たとえそこに住んでいなくても田舎の方が郷愁を感じやすい。

ミクにとっても精霊の森が故郷で王都は都会なのだ。


「お帰り、ママ。買い物は終わったのかい」

「ただいま、パパ。買い出しは終わったわよ」

「俺の方も仕事を終えて家に帰るところだ」

「なら、いっしょに帰りましょう」


パパは今来たかのようなことを言っていたがしばらく待っていたのだろう。

その証拠に足元に生えている雑草が踏みつけられた跡がついている。

長いところその場にいたことを現していた。


「早く家に帰ろう。ルイ、首を長くして待っているよ」

「ちょめちょめ」 (お土産も渡さないと行けないしね)

「なら、ミク。先に行っていいぞ。パパはママといっしょに後から行くから」

「そうしなさい、ミク。ルイのことも心配だし」

「わかった。行こう、ちょめ太郎」

「ちょめ」 (OK)


ミクは買って来たお土産を持って私といっしょに先に家に戻った。


家に着いて呼び鈴を鳴らすと中からドタドタと音が聞えて来る。

そしてすぐに扉が空いて中からルイが顔を出した。


「お帰りーっ」

「ただいま、ルイ。ちゃんとお留守番してた?」

「言われた通りずっとお部屋にいたよ」

「誰か尋ねて来た?」

「ううん。誰も来なかった」


その言葉を聞いてミクと私はほっと胸を撫で下ろした。

もし、誰かが尋ねて来たらルイの不安が強まっただろう。

誰かわからない人が家の外にいるだけで恐怖を感じるからだ。

おまけにルイは幼いし、病気を抱えているからなおのことだ。


「それよりお土産は?」

「買って来たよ」

「やったーっ!」

「ここでは見せられないから家の中に入ってからね」


お土産を催促して来るルイを促して家の中へ入って行く。

そしてリビングまで来ると肩の荷が下りたような気がした。

それは王都と言う不慣れな場所へ行っていたからだろう。

気づきはしなかったが緊張していたようだ。


「ねぇ、お姉ちゃん。お土産は」

「はいはい。これよ」

「うわぁー。ピンクのスライムのぬいぐるみ。カワイイ」


お土産のぬいぐるみを見るなりルイはギュッと抱きしめて顔を埋めた。

カワイイルイにカワイイぬいぐるみが合わさって余計にカワイク見える。

子供とぬいぐるみの組み合わせは最高にカワイイと思った瞬間だ。


「喜んでもらえてよかった」

「お姉ちゃん。これ大事にするね」

「お土産はそれだけじゃないのよ」

「えーっ。まだあるの!」


おかわりがあることを知ったルイは目を輝かせて喜ぶ。

その反応を見ながらミクはお揃いのマグカップをテーブルに並べた。


「お揃いのマグカップにしたの。ひとりひとつよ」

「うわぁー。これもカワイイ」

「好きな色を選んでね」

「なら、黄色がいい」


ひよこぱんつを愛用しているからかルイは黄色を選んだ。

緑色も青色もカワイイけれど黄色はもっとカワイク見える。

それはルイの可愛らしさとマッチしているからだろう。


「じゃあ、私は緑でちょめ太郎は青ね」

「ちょめちょめ」 (ありがとう。大事にするわ)


そんな風にお土産を渡しているとパパとママが帰って来た。


「ルイ、お留守番は出来た?」

「出来たよ、ママ。ルイ、ちゃんとお留守番していた」

「よくやったぞ。これでルイもひとつ大人になったな」

「ルイも、もうお姉ちゃんだよ」

「お姉ちゃん?」

「ちょめ太郎のお姉ちゃん」


ルイは嬉しそうにしながら私の頭を撫でた。


確かにこの中では私が一番小さいけれどルイよりも年上だ。

年下から下目に見られるとちょっとだけムッとする私がいる。

まあでも、今回はルイがちょっとだけ大人になったから見過ごした。


「なら、今日はルイがお姉ちゃんになった記念日だからご馳走にしないとね」

「おっ、それはいいな。ママ、ご馳走を頼んだよ」

「パパも手伝ってちょうだい」

「パパもか?」

「なら、私達はお部屋で待っているね。ルイ、ちょめ太郎、行こう」

「はーい」

「ちょめ」 (おう)


と言うことで料理をパパとママに任せて私達はルイの部屋に戻った。


「ねぇ、お姉ちゃん。王都の話を聞かせて」

「いいよ」

「王都ってどんなところなの?」

「大きくて、すごく大きくて」

「どのぐらい?」

「この家の1000倍ぐらいかな」


ミクは1000倍と言ったが天文学的数字ぐらい大きい場所だ。

1日王都を巡ったとしても全部は回り切れないほど広い。

複数の街が合体したような規模だから想像もできないだろう。

もしかしたら精霊の森よりも大きいかもしれない。


「じゃあ、すごく大きいんだね」

「はじめて王都へ行ったら迷っちゃうわ」

「王都には何があったの?」

「市場に転移装置があってここと行き来できるようになっているのよ」

「市場ってどんなところ?」

「すごく広くてたくさんの商品が並んでいてたくさん人が集まるところよ」


静観に包まれているこの場所からは想像できないほど賑やかだ。

ルイなんてたくさん人がいる所を見たことがないからきっと驚くだろう。

例えるならアリンコの巣のような場所と言ったところだ。


「楽しそう。ワクワクするね」

「活気に満ちていてエネルギッシュな場所だったわ」

「ルイも行ってみたい」

「ルイも市場に行ったら腰を抜かすかもね」


ルイは目を輝かせながらミクの話を聞いている。

恐らく頭の中で市場をイメージしているのだろう。


「他には何があるの?」

「王都の東西南北に高い時計塔があるよ。すごく高いからどこから見てもわかるの」

「どのぐらい高いの?」

「この家の500倍ぐらいかな」

「なら、すごーく高いね」

「すごーく高いよ」


ルイは両手を合わせて伸び上がるように高さを表現する。

それにならうようにミクも両手を合わせて伸び上がった。


「他には何があるの?」

「大きな商店やキレイな公園、それにファンシーショップもあるよ」

「ファンシーショップ!ルイも行ってみたい」

「このスライムのぬいぐるみもファンシーショップで買ったのよ」


ルイがファンシーショップを見たら一目惚れするだろう。

何せそこら中にカワイイグッズが並べられてあるのだから。

お店自体もカワイイからきっとハマってしまうはずだ。


「いいな~。ルイも行ってみたい」

「出来ることならルイも連れて行ってあげたいな」

「ちょめちょめ」 (でも、それはできないお願いね)


ルイには可哀想だけれど土産話をすることしかできない。

ミクが言うように一度だけでもファンシーショップに連れて行きたい。

そうしたらルイは幸せになれるはずだ。


「転移装置がファンシーショップの中にあればいいんだけどね」

「ちょめちょめ」 (確かにそれならルイをファンシーショップに連れて行ってあげることができる。だけど、ルイの部屋に転移装置がないとダメだ)


転移装置は双方に置かれていないと行き来はできないのだ。

だから、ファンシーショップとルイの部屋にないといけない。

ただ、あんな大きな装置をルイの部屋に置くことはできないのだ。

もっと、手軽な方法があればいいのだけれど。


そんなことを考えているとふとちょめジイの顔が浮かんだ。


「ちょめちょめ」 (そうだ。ちょめジイにお願いすればいいんだわ。ちょめジイは私をこの世界に転移させた張本人だから何か方法を知っているかもしれない)

「ちょめジイって?」

「ちょめちょめ」 (それはこっちの話。それよりミク、ここでちょっと待ってて)

「あっ、ちょめ太郎。どこへ行くの」


私はルイの部屋を飛び出して隣のミクの部屋に移動する。

そしてミク達がついて来てないことを確認してから念話をつないだ。


「ちょめちょめ」 (ねぇ、ちょめジイ。いたら返事をして。ちょとお願いがあるんだけど)

「……」

「ちょめちょめ」 (大事なお願いなの。”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”にも関わることよ)

「何じゃ、騒々しい。ワシは今、アニ☆プラのDVDを鑑賞中じゃぞ」

「ちょめちょめ」 (あーっ、また私のアニ☆プラグッズを勝手に使ってる。私に許可をとってからにしてよね)

「それより何の用じゃ?」


ちょめジイはかったるそうな声を出しながら要件を聞いて来る。

せっかく寛いでいたところを邪魔されたから機嫌が悪いのだろう。


「ちょめちょめ」 (ねぇ、ちょめジイ。手軽な転移装置ってない?)

「そんなもんない」

「ちょめちょめ」 (適当なことを言わないで。ちょめジイなら心当たりがあるんでしょう)

「そんなものを使って何をするつもりじゃ?」

「ちょめちょめ」 (ここから王都へ移動するにも大変だから転移装置があったらいいなって思ったの)

「急がば回れじゃ。人間、苦労をしないといけないのじゃ」


ちょめジイは年寄り臭いことを言って来る。

年寄りが楽をしようとする若者に言う言葉だ。

確かに人生は苦労を重ねた方がいいけど今はタイパの方が重要だ。

わざわざ時間をかけて王都へ行くよりも手軽に行けた方がいいのだ。

私は令和世代だから苦労を重ねるよりも必然とタイパを重視している。


「ちょめちょめ」 (そうなると”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”収集にも影響するんだけどな)

「それは困るのじゃ。ただでさえ、最近は全く収穫がなくなっておるからのう」

「ちょめちょめ」 (王都へ戻れないからよ。王都に行かないと”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”は集められないわ)

「ムムム……お主に人生の壁を示したいけれど”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”が手に入らないのは困る」


ちょめジイは唸り声を上げながらどうしようか本気で悩んでいた。


私からしてみたら俄然後者の方を選ぶのだけどちょめジイは違うようだ。

長年生きて来た人生経験を私に教えようとしていて前者を選ぼうとしている。

しかし、それは年寄りのエゴでしかないのだ。


人生経験と言うものは人から教えられるものではない。

自分で経験してはじめて知り得るものなのだ。

それに変態ロリコンぱんつジジイに教えらることなどたかが知れている。

ちょめジイは余計なことは考えずに”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”でウハウハしていた方が似合う。


「ちょめちょめ」 (どうするの?私はどっちでもいいのよ)

「くぅ……お主に主導権を握られるなんて」

「ちょめ」 (さあ)

「わかったのじゃ。簡易的な転移装置を用意するのじゃ」

「ちょめちょめ」 (本当!やったー!さすがはちょめジイ)

「素直に喜べんワシがいるのは何故じゃろうか」


ちょめジイに揺さぶりをかけて引き出したい答えを導けた。


簡易的な転移装置と言うぐらいだからコンパクトなものなのだろう。

まあ、私達が転移できればいいだけのものだから大きくなくていいのだ。


「ちょめちょめ」 (それより、その転移装置を見せてよ)

「転移装置に使う道具を召喚するのじゃ。受け取れ」


そう言ってちょめジイが転移して来たものは紋章の入った指輪だった。


「ちょめちょめ」 (これが転移装置なの?随分とこじんまりとしているじゃない)

「その指輪に魔力を注ぎ込むと転移出来る仕組みじゃ。その代り、その指輪をつけている者しか転移できないぞ」

「ちょめちょめ」 (えーっ、何それ?ぜんぜん使えないじゃん)

「お主が転移するのじゃないのか?」

「ちょめちょめ」 (協力者がいるのよ。せめて2、3人転移できないかな?)

「まあ、できない話はないのじゃ。指輪をしている者の半径1メートルにあるものであれば転移はできるのじゃ」

「ちょめちょめ」 (それなら問題はないわね)

「その代り”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”は集めるのじゃぞ」


とりあえずこれで目途が立った。

この指輪があればルイをファンシーショップに連れて行ってあげられる。

部屋の中からお店の中を移動するだけだから太陽の光を心配しなくてもいい。


「ちょめちょめ」 (任しておいて。”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を集めまくってやるから)

「期待しないで待っておるぞ」


私は適当にちょめジイに約束して念話を切った。

この指輪をもらえばこっちのものだ。

”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”は適当に集めればいい。


私は心を躍らせながら隣の部屋で待つミク達のことろへ戻った。


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