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第七十三話 スタッフ

私のリリナちゃん観察はずっと続いた。

リリナちゃんからアイドルの何たるかを知るまでは止められない。

ただ、私がリリナちゃんを観察していたことでファン達の間に噂が流れはじめた。


「ねぇ、聞いた?」

「何だよ」

「リリナちゃんを狙っているヤバい奴がいるらしいってこと」

「マジか!」

「リリナちゃんの行く先々で見かけるらしいら」

「そんな不届きな奴がいるのか。俺のリリナちゃんを怖がらせやがって」


公園の噴水で休んでいると反対側からリリナちゃんファンの声が聞えて来た。


「それってあなたじゃないの?」

「バカを言うな。俺は純粋にリリナちゃんを応援しているだけだ」

「”俺のリリナちゃん”って言っているところが怪しいのよ」

「リリナちゃんファンならみんなそう思っているさ」

「はいはい。だけどね、あまり人に言わない方がいいわよ。疑われるから」

「そうしておくよ」


ファン達が話している内容からして私のことを言っているのだろう。

ただ、ファン達が話しているように”行く先々で”と言うところが尾ひれがついている。

私はリリナちゃんの路上ライブの時しかリリナちゃんに張りついていないのだ。


「何だか雲行きが怪しくなって来たみたい」


かと言って、まだアイドルの何たるかを調べ切れてはいない。

今のところわかっていることは、カワイイ衣裳を着てメイクをしていることと、リリナちゃんを支えてくれるスタッフがいるってことだ。

ギャルをしている時は全部自分達でやっていたからスタッフはいなかった。

安上がりでいいのだけど、結構大変だったってことを覚えている。


「スタッフか……」


こればかりは善意で人を集めることはできない。

お金を払って雇うしか方法がないだろう。

学院にいたら同級生や後輩に手伝ってもらうことができたが退学になったのだ。

自分でなんとかするしかない。


「とりあえず、リリナちゃん観察は続けて、並行して仕事も探さないとな」


2つのことを同時にこなさなくてはならないので大変だ。

リリナちゃんが路上ライブをするのは16時半から18時までだ。

それ以外は学院にいるから近づくことができない。

もし、仕事をするとしたら昼間の仕事を探した方がいい。

リリナちゃんと同じリズムにすることで時間の無駄を省くのだ。


「そろそろリリナちゃんの路上ライブの時間だよ」

「もう、そんな時間か。急ごうぜ」


噴水の反対側に座っていたリリナちゃんファン達は路上ライブ会場へ向かう。

路上ライブ会場と言っても公園の一角にあるのだけど会場と言った方が雰囲気が出る。

私も立ち上がって路上ライブ会場へ急いだ。


「はいはい。並んでくださーい」

「何だよ、この行列は」

「荷物検査だって」

「荷物検査?」

「例のリリナちゃんを狙っている奴のせいよ」

「ここまで厳重にするのか」

「もしもの時の対策じゃない」


リリナちゃんの路上ライブの会場の前は応援に来たファン達の行列ができていた。

ファン達の荷物検査をするためでスタッフが分担して作業をしていた。


「こんなのじゃ、ライブの時間が削られちゃうな」

「仕方ないわよ。リリナちゃんにもしものことがあったら大変だからね」

「ちくしょう。これもリリナちゃんを狙っている奴のせいだ。許せねー」

「早く捕まってほしいわ」

「警察にお願いするってのはダメなのか」

「そんなことをしたら路上ライブがなくなっちゃうわよ」


私の前に並んでいたファン達は物騒な話をしていた。


私もこんなことになるとは思ってもみなかった。

私はただ、リリナちゃんからアイドルの何たるかを知りたかっただけだ。

ファン達が話しているようにリリナちゃんを傷つけようなんて思っていない。

ただ、これでリリナちゃんに近づくことが難しくなってしまった。


「ファンに紛れていてもダメね。スタッフに紛れて近づいた方がいいわ」


リリナちゃんのスタッフはお揃いの黒のTシャツを着ているから黒のTシャツさえ手に入れれば大丈夫だ。

だけど、リリナちゃんのスタッフはアイドル部の人達だから顔見知りだ。

そのままの格好で私が入り込んだらすぐにバレてしまうだろう。

だから、変装をしないといけない。


「まずはこのギャルメイクを落とさないといけないわ」


その上でマスクとメガネをかければ誰なのかわからなくなる。

何か聞かれたら風邪を引いていることにしておけばいい。

完全に顔を隠すならサングラスの方がいいけどかえって怪しくなってしまう。

だから、マスクとメガネだけにしておいた方がいいだろう。


私は人前でギャルメイクを落としたことがないから素顔を知っている人は少ない。

なので素顔を見られても私とわかる人は誰もいないはずだ。


「とりあえず、スタッフの着ている黒のTシャツを盗りに行こう」


私は行列から離れて会場を大回りしてステージ裏に移動した。


ステージ裏では路上ライブ前だからスタッフがせかせかしている。

ファン達の荷物検査に人手が取られているから忙しいようだ。


「スタッフの黒Tってどこにあるのかしら」


普通に考えれば衣裳部屋だけれどそんなものはどこにもない。

かろうじてリリナちゃんが着替える場所があるだけだ。

衣裳がひとつしかないから衣裳部屋も必要でないのだろう。


「とりあえずリリナちゃんが着替える場所を探してみよう」


私は物陰に身を隠しながらリリナちゃんが着替える場所へ近づいて行く。

さながら泥棒になった気分になって来る。

まあ、スタッフの黒Tを盗みに来たのだから間違いでもない。


私がリリナちゃんが着替える場所へ来ると中から話し声が聞こえて来た。


「やっぱりライブは止めた方がいいよ。こんな大掛かりになっているし」

「何を言っているのよ、リリナ。ファン達は自分達の時間を割いて足を運んでくれたのよ。期待に応えないでどうするの」

「それはわかっているけれど、私も怖いし」

「だからスタッフが必死になって荷物検査をしているんでしょう。スタッフ達の努力を無駄にするつもり」


話し合いをしていたのはリリナちゃんとマネージャーだった。


リリナちゃんは衣裳に着替えているが路上ライブには乗り気でないよう。

それと相対するようにマネージャーは乗り気で強引にでもライブをさせようとしている。

マネージャーと言う立場なら仕方ないのかもしれないがリリナちゃんに負担をかけ過ぎだ。


「マネージャーはお金が欲しいだけでしょ」

「何を言うの、リリナ!私がいつ売り上げを懐に入れたって言うの!」

「マネージャーが大事にしたいのは私じゃなくてお金よ」

「リリナ、私のことをそんな風に思っていたの。悲しいわ」


何だか話があらぬ方向へ向いてリリナちゃんとマネージャーがもめている。


それもこれも私がリリナちゃんをマークしていたことが原因だから胸に刺さる。

私はただアイドルになる方法を知りたいからリリナちゃんをマークしていただけだ。

危害を加えようとか誘拐をして身代金を要求しようとか、そんなことは考えたことがない。


そこへ荷物検査をしていたスタッフが慌てて駆け込んで来た。


「マネージャー!」

「どうしたの、そんなに慌てて」

「実は……」


スタッフはリリナちゃんに聞こえないようにマネージャーの耳元で伝える。

すると、マネージャーの顔つきが変わってキリリと冴えた。


「マネージャー、私にも教えてよ」

「いいわ。ファン達が親衛隊を作って自発的に警備してくれているのよ」

「親衛隊って?」

「その名の通り、あなたを警護するための集団よ」

「私、そんなことお願いしてない」

「ファン達の自発的な活動だからね。邪魔をすることはできないわ」


ファン達が親衛隊を作ったことをマネージャーは歓迎しているかのようだ。

自前のスタッフだけでは人手が足りないから余計に助かるのだろう。

おまけに親衛隊は会場に不審者がいないかまでチェックしてくれている。


「止めさせてよ、マネージャ」

「こればかりは私達は何もできないわ」

「何だか、嫌な方向へ行っているような気がする」

「あなたは心配しなくていいの。後は私に任せなさい」


マネージャーはリリナの言葉を聞き入れることはなかった。


「私、今日は休みたい」

「ダメよ。あなたはファン達の前でパフォーマンスしなければないの」

「こんな気分じゃ歌えないよ……」

「リリナ!目を覚ましなさい!あなたは何のために今までアイドルをして来たの?」

「ファンを元気にするためよ」

「それがわかっているならやることは決まっているはずよ。今、あなただけじゃなくてファン達も不安になっているの。だからこそ、あなたが元気づけてあげないといけないの。あなたの代わりはどこにもいないのよ」


さすがはマネージャーと言ったところだろうか。

リリナちゃんに今すべきことを説いている。

アイドルの何たるかを聞けたような気がした。


「わかったよ、歌うよ」

「ただ歌うだけじゃダメ。ファン達を元気にしないといけないわ」

「私にできるかな」

「リリナ、背中を出しなさい」


リリナちゃんはマネージャーに言われるがまま背中を向ける。

すると、マネージャーは両手でリリナちゃんの背中を叩いた。


「痛い」

「これで大丈夫よ。あなたならできるわ」


マネージャーはリリナちゃんに気合を入れたようだ。

そこへ進行係のスタッフがリリナちゃんを呼びに来る。


「リリナちゃん、いつでもOKです」

「行って来なさい」

「うん」


リリナちゃんはマネージャーに見送られてステージへ向かった。


「これがアイドルなのか……私にできるかな」


ギャル時代にはファンがいなかったからファンを意識することがなかった。

なのでアイドルのように”ファンを元気にさせる”なんて思ってもみないことだ。

確かにリリナちゃんの路上ライブを見ていると元気になれる。

周りにいるファン達もライブ終わりはスッキリした顔をしているのだ。


「でも、これでアイドルの何たるかはわかったわ。後はアイドルになるだけね。その前に……」


スタッフが減った頃合いを見計らってスタッフの黒Tを拝借した。

黒Tがあった場所はスタッフの控え室で段ボール箱の中にあった。

たくさんあったからひとつぐらいなくなっても問題ないだろう。


私はその足でマスクとメガネを盗んでいつも休んでいる噴水まで戻って来た。


「ハアハアハア。うまくいったわ。これで私もリリナちゃんのスタッフね」


後は動きやすそうな紺色のジーパンを用意すればいい。

リリナちゃんのスタッフはみんな黒Tに紺色のジーンズだから合わせるのだ。


「それにしても大胆なデザインね。”愛してよ”だって。どう言う意味かしら」


私が黒Tを掲げながら考え込んでいると誰かが声をかけて来た。


「それはリリナちゃんが考えた言葉だよ。ファンに向けてのメッセージなの」


不意に顔を上げてその人物を見るとどこかで見たような顔をしていた。


「へぇ~、そうなんだ」

「あーっ!」

「何だ?」

「イジメっ子のナコル!」

「イジメっ子だけ余計だ……って、私を知っているのか?」


どこかで見かけたことのある女子は引きつった顔を浮かべている。

まるで私に出会いたくなかったかのような驚きようだ。


「ごめんなさい。もうしませんから許してください」

「お、おい。いきなりなんだよ。私は何もしないぞ」

「ひゃっ。ぶたないで」


私が徐に立ち上がるとどこかで見かけたことのある女子は両手で顔をガードした。


「だから何なんだよ。名を名乗れ」

「私を見てもわからないんですか」

「う~ん。どこかで見たことはあるんだけど名前が出て来ないんだ」

「やっぱりイジメっ子なんてそんなものなんですね」

「そのイジメっ子ってのを止めてくれないか」

「だって、イジメっ子なんだもん」


あきらかにどこかで見かけたことのあるような女子の反応を見ていると私がイジメた相手なのだろう。

でなければ執拗に私のことをイジメっ子なんて言わないはずだ。

ただ、思い出せないのは歯がゆい。


「頼むから名前を教えてくれ」

「どうしようかな~」

「何が望みなんだ?」

「私はリリナちゃんとデートしたいの」

「そんなもの。本人に直接頼めばいいだろう」

「そんなこと出来る訳ないじゃない。相手はあのリリナちゃんなのよ。恐れ多くてお願いなんてできないわ」


私の目の前にいる女子の名前はわからないがリリナちゃんファンと言うことはわかった。

リリナちゃんとデートしたいと言うぐらいだから根っからのリリナちゃんファンなのだろう。


「なら、諦めろ。リリナちゃんだって忙しいんだ」

「あなたにリリナちゃんの何がわかるって言うのよ。私はファン歴半年なのよ」

「半年だなんて素人と変わらないじゃないか」

「いいえ、ぜんぜん違うわ。私はリリナちゃんのことなら何だって知っているんだから。その辺のにわかファンとはいっしょにしないで」


そこまで言い切るぐらいなのだからそこら辺のファンとは違うのだろう。

だけど、それを知ったところで何が変わるわけでもない。


「はいはい。そうですかい。私も忙しいんだ。じゃあな」

「ちょっと待ってよ。その黒Tはどうしたのよ。その黒Tはリリナちゃんのスタッフだけしか着ることが許されないTシャツよ。もしかして盗んで来たの?」

「バ、バカを言うんじゃねぇ。誰が盗むかよ」

「怪しいわ。なら、何で持っているのよ」

「わ、私もリリナちゃんのスタッフの一員なんだよ」

「嘘だ~ぁ。だって、あなたは退学になったじゃない」


鋭いツッコミをされて返す言葉を失ってしまう。


確かにセントヴィルテール女学院を退学になった私がリリナちゃんのスタッフになれることはない。

リリナちゃんのスタッフはアイドル部の人がしているからだ。


「私はボランティアで参加しているだけだ」

「そんなの聞いたことない」

「お前が知らなくてもあるんだから仕方ないだろう」

「なら、リリナちゃんに会わせてよ。スタッフならそれぐらいできるでしょう」


どこかで見かけたことのある女子は無理難題を言って来る。


リリナちゃんのスタッフをしているなんてただのハッタリだから要求を飲める訳ない。

だけど、ここでできないと答えると疑いがますます深まるだけだろう。

私が黒Tを盗んだなんてことがバレたら方々に言い振らされるはずだ。

なんて言ったってどこかで見かけたことのある女子はイジメられっ子なのだから。


「チィ。しかたねーな。3分だけだぞ」

「本当にデキるんだ」

「あたり前だろう。私はリリナちゃんのスタッフなんだから」

「まあいいわ。だけど、約束だからね」

「お、おう」


何だか乗せられたような気もするが気にしないでおこう。


「それじゃあ行きましょう」

「も、もう行くのか?」

「こう言うことは早い方がいいのよ」

「じゃあ、行くか」


と言うことで私はどこかで見かけたことのある女子を連れてリリナちゃんのライブ会場へ舞い戻った。


「ところでお前の名前はなんて言うんだ?」

「教えなーい」

「何だよ、恥ずかしい名前なのか」

「あなたよりはまともな名前よ」

「なら、教えろよ」

「私のことを思い出すまで教えてあげない」


どこかで見かけたことのある女子はまるで私をからかうかのように言葉を返す。

何だか馬鹿にされているような気もするが今は我慢だ。


私達はリリナちゃんがライブをやっているステージ裏までやって来る。


「ここからは関係者しか入れないからお前はここで待ってろ」

「私も舞台裏が見たーい」

「おい。お前はリリナちゃんに会えればいいんだろう。ワガママを言うな」

「仕方ないな。ちゃんとリリナちゃんを呼んで来てよね」


とりあえずどこかで見かけたことのある女子を制止することができた。

ほっておいたらひょいひょいとステージ裏にあがってしまいそうなぐらいはしゃいでいる。

そんなことになってしまえば大騒ぎになってしまう。


しかし、この後、どうするのかは考えていない。

今はどこかで見かけたことのある女子の目を誤魔化せればいいだけだ。

このままの格好で行くのはマズいので盗んだ黒Tとマスクとメガネを身に着けた。


「あっ、いいところにいた。この紙吹雪を運んでちょうだい」

「えっ、わ、私か?」

「あなたしかいないでしょう。人手が足りないんだから手伝ってちょうだい」

「お、おう」


紙吹雪の入った籠を持って来たスタッフに頼まれて代わりに持つ。


「その紙吹雪はそこの梯子を登って二階へ運んでちょうだい」

「私ひとりでできる訳ないだろう」

「紙吹雪はそこのリフトに置いてあなたが二階まで登って引き上げてばいいのよ」

「それならできそうだな」

「下から合図を送るから合図があったら紙吹雪を撒くのよ」

「わかった」


とりあえず頼まれてしまったのでやるしかない。

本当はやりたくないけど逃げるチャンスはないからだ。

もし、私が逃げ出して紙吹雪を撒かなかったらリリナちゃんが困るだろう。

せっかくの盛り上げるための演出なのだからやらない訳にはいかないのだ。


私は言われた通りリフトに紙吹雪の入った籠を置いて梯子を登って行った。


「うわぁ~。すげー高い」


しっかり足場に捕まっていないと転げ落ちてしまいそうだ。

眼下にはリリナちゃんの姿が目に飛び込んで来る。

ライブに夢中になっていて歌声をファンに届けていた。


「なんかドキドキするぜ」


紙吹雪を撒くタイミングは合図が入ると言っていたが私次第なところもある。

どうやって紙吹雪を撒くかによっても見え方が変わるから気をつけないといけない。

手を滑らせて一気にドバっと撒くことだけはしてはならないのだ。


「まだかよ。足がプルプルして来たぜ」


足場が狭い上に高さもないので微妙な姿勢を保っている。

だから、変に足に力が入って筋肉がプルプル震えるのだ。


すると、ステージ脇のスタッフが私に合図を送って来た。


「よし。任せろ」


その合図を受けて私は籠に入っていた紙吹雪を掴んて宙に放り投げる。

なるべく紙吹雪がチラチラ舞うように意識しながら振り撒いた。


しかし、ステージ脇のスタッフは両腕で罰点の合図を送っている。


「何だ?もっとやれってことか?」


私はその合図の意味をわからずに撒く紙吹雪の量を多くした。


会場ではタイミング悪く紙吹雪が落ちて来たのでファン達が騒いでいる。

だけど、リリナちゃんはそんなトラブルに動揺することもなく歌い続けていた。


「私の演出が最高だったようだな。会場が盛り上がっているぜ」


そう思っていたのは私だけで舞台裏では騒ぎになっていた。

スタッフが慌てふためきながら責任の擦り付け合いをしている。

本来、紙吹雪を撒く予定だったスタッフは執拗に迫られていた。


「これなら本気でリリナちゃんのスタッフになるのもいいな」


そんな呑気なことを考えながら私は紙吹雪を最後まで撒いた。


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