第四十六話 てんしのじゅんぱくぱんつ①
このところ眠っているばかりな気がする。
以外にもこの体は疲れを感じるからだ。
一応虫なのだから疲れないように思えるが違うのだ。
それはまだ人間であった頃の感覚が残っているからだろう。
目を開けると部屋が真っ暗になっていた。
「ちょめ」 (今、何時よ。部屋が真っ暗だわ)
ベッドの横にある窓から外を見ると月明かりが零れている。
もちろん外も真っ暗だけどかろうじて月明かりで景色が僅かに見えた。
「ちょめ」 (ひっそりと静まり返っているわ)
ミクの家の周りには民家はないのですごく静かだ。
小さな虫の音がはっきりとわかるくらい耳に届く。
その音に混じってフクロウの鳴き声も聞こえて来た。
「ちょめ」 (ミクはまだ戻って来ないの)
私はベッドから飛び起きて部屋の灯のスイッチを探す。
すると、扉の横の壁にスイッチを見つけた。
「ちょめ」 (ぜんぜん届かないわ)
スイッチは1メートルほどの高さにあるので届かない。
もともと手がないのでスイッチに届いても押せないのだが。
私はちょめリコ棒を取り出してテレキネシスで操ってスイッチを押した。
「ちょめ」 (以外とちょめリコ棒も使い勝手のいい道具なのかもしれないわ)
部屋の灯かりが点くと真っ暗な部屋が明るくなった。
私はミクの机の椅子に飛び乗って机に向き合う。
「ちょめ」 (日記があるわ)
人の日記を勝手に見るのは憚れるけれどちょっとだけなら。
日記を開いてページをめくるとびっちりと文章が記されている。
それは1ページだけでなく何ページにも渡って文章が書かれていた。
「ちょめ」 (ミクは几帳面なのね)
文章を読み進めると森の出来事をルイに伝えていることが記されていた。
森の中で珍しい花を見つけてルイにプレゼントした話や森の中を探検した話など。
毎日、森に出かけて森であったことをルイに話して聞かせているようだ。
ルイがどんな反応をしたとかどんな言葉を発したのかまで書かれている。
日記を読んだだけでミクの一日とルイとの関係性がわかるほどだった。
「ちょめ」 (微笑ましい日記だわ)
私は知らず知らずのうちに目に涙を溜めていた。
「ちょめ」 (何だかセンチな気分になっちゃったわ)
日記を読んだら感動をしてしまっていた。
姉妹愛がこんなにも美しいなんてはじめて知った。
それはミクが純粋で愛情が深いからだろう。
見ず知らずの私を助けてくれるぐらいミクは優しいのだ。
すると、隣の部屋からコツコツと木を叩くような音が聞えて来た。
「ちょめ?」 (何?)
耳を澄ませると確かにコツコツと音がしている。
それは隣にいる私を呼ぶような音に聞こえた。
私は壁に耳をあてて隣の部屋から聞こえて来る音に耳を傾ける。
「ちょめ?」 (何が言いたいの?)
隣の部屋でルイはベッドを叩きながら音を立てていた。
「ちょめ」 (もしかしてモールス信号かしら……って、そんな訳ないよね)
日本でもモールス信号を知っている人は僅かしかいない。
ましてや異世界のルイがモールス信号を知っているはずがない。
私はテレキネシスを使ってカップを持ち上げると壁を叩いて返事をした。
「ちょめ」 (向こうからも返事をしているみたい)
ルイの方もベッドを叩く回数が変えて返事を返して来る。
そして囁くような小さな声で何かを喋りはじめた。
私は耳を澄ませてルイの発している言葉に集中する。
「ちょめ」 (私の名前を呼んでいるのかしら)
「……太郎。……太郎。ちょめ太郎、こっちに来て」
「ちょめちょめ」 (私のことを呼んでる。だけど、家族以外は会えないってミクが言っていたわ)
呼ばれたら呼んだ人のところへ行くのが人の性だけど今はできない。
もし、私がルイのところへ行ってルイの病気が悪化したら最悪だ。
ミクから”家族以外の人は会えない”と聞いているのに破ることはできない。
でも、気になって仕方ないわ。
「ちょめ太郎、こっちへ来て。顔を見せてよ」
「ちょめ」 (うぅ……ダメよ、私。ミクに言われているんだから)
「お姉ちゃんには内緒にしておくから、こっちに来てよ。お願い」
「ちょめ」 (ムムム……。そこまで言われて何もしない訳にはいかないわね。ミクには悪いけれど内緒にしておけば大丈夫だわ)
私は扉を開けてミクの部屋から出ると隣のルイの部屋の前まで来る。
そして辺りを見回して誰もいないことを確認するとテレキネシスで扉を開けた。
「ちょめ」 (おじゃまします)
ルイの部屋は灯かりが点いておらず真っ暗だ。
かろうじて窓から降り注ぐ月の光のおかげでぼんやりと蒼白い。
「ちょめ太郎、こっちよ」
私は静かに扉を閉めてルイが横になっているベッドに近づく。
「さあ、顔を見せて」
そしてルイの期待に応えるべくジャンプしてルイのお腹の上に乗った。
「あなたがちょめ太郎なの?」
「ちょめちょめ」 (そうよ。私がちょめ太郎よ。本当はマコちゃんだけどね)
「お姉ちゃんが言っていた通りキノコの形をした緑色の青虫なのね」
「ちょめ」 (ちょっと卑猥な形をしているけれど、これが私よ)
ルイは私の顔を触りながら嬉しそうに微笑んだ。
「ちょめ太郎はどこから来たの?」
「ちょめちょめ」 (王都からよ。だけど、帰る道がわからないけどね)
「ちょめちょめじゃわからないよ。ちゃんとわかる言葉で話して」
「ちょめちょめ」 (仕方ないじゃない。私はちょめとしか喋れないんだから)
純粋なルイでも私の言葉がわからないようだ。
もしかしたらなんて思ったけれど、そんな都合のいい話はない。
ミクでさえ私の言葉がわからないんだからルイにわかる訳ない。
私はテレキネシスでペンと紙を持って紙に文章を書いた。
「ちょめちょめ」 (これならルイでもわかるでしょう)
「ごめんね。私、文字が読めないんだ」
「ちょめ!」 (えーっ!そんなことあるの!)
「学校へ行ったことないからお勉強してないの」
ルイは悲しそうな顔を浮かべて渡した紙を静かに置いた。
確かに学校で言葉の勉強をしなければ文章なんて読めない。
ルイは3歳の頃から家に籠ってばかりだったからお勉強はしてないのだ。
何だか私が余計なことをしてしまったおかげでルイを悲しませてしまった。
「ちょめ……」 (ごめんね……)
「ちょめ太郎まで、そんな顔をしないでよ。悲しくなっちゃうじゃない」
「ちょめ……」 (だって……)
「もう、この話は止め。ねぇ、ちょめ太郎。もっと魔法を見せてよ」
「ちょめ?」 (魔法ってテレキネシスのこと?)
「ちょめ太郎、手もないのに文字をかけるんだもん。魔法でしょう」
「ちょめちょめ」 (魔法とはちょっと違うけど、ルイが喜んでくれるなら)
私はルイの期待に応えるべくテレキネシスを使って本やお皿を宙に浮かべた。
「うわぁ、すごい」
「ちょめ」 (これだけじゃないわよ)
私は宙に浮かべた本やお皿をバラバラに動かしてみせた。
「ちょめ太郎は大魔法使いなのね」
「ちょめ」 (そう、褒められると照れるわ)
この力でお金を稼いだこともあるし意外と使える力なのかもしれない。
まあ、一番は魔法が使えればいいのだけど私は魔法を覚えてないから使えない。
「ねぇ、ちょめ太郎。炎とか氷とか出してよ」
「ちょめ」 (それはできないわ。だって、私はしがないちょめ虫だもの)
ルイの要求が高くなってしまったので私はテレキネシスを切った。
「どうしたの、ちょめ太郎。ちょめ太郎は魔法使いなんでしょう」
「ちょめちょめ」 (私はただのちょめ虫よ。魔法使いなんかじゃないわ)
「ちょめ太郎、どこへ行くの?」
「ちょめ……」 (期待に応えられなくて、ごめんね。私はただのちょめ虫なのよ……)
私はルイに背を向けて肩を落としながらルイの部屋から出て行った。
ルイの要求に応えられないからって部屋を出て行くなんて私も子供だ。
ただ、ルイのところに留まっていれば自分の無力さを知るだけのこと。
まともにコミュニケ―ションもとれないし、優しく抱きしめたりすることさえできないのだ。
やっぱり私はただのちょめ虫であって天使ではないのだ。
私はミクの部屋に戻って窓辺から夜空を眺める。
同じ景色を見ているはずなのに、こんなにも距離が遠いなんて。
私とルイの間には日本からアメリカまでのような物理的な距離があるようだ。
「ちょめちょめ」 (この世界に神様がいるならばルイの病気を治してほしい。あんないたいけな女の子が家に籠りっきりなんて可哀想過ぎる。私は喋れなくてもいいから願いを叶えて)
すると、夜空を裂くように流れ星が光った。
「ちょめちょめ」 (流れ星に3回お願いすると願いが叶うのよね。えっと、えっと、えっと……わぁーっ!)
私がモゴモゴ言っている間に流れ星は消えてなくなった。
「ちょめちょめ」 (もう、何よ。ちょっとぐらい待ってくれてもいいじゃない。流れ星のバカ)
誰が流れ星に願いごとを3回唱えると願いが叶うなんて言いはじめたのだろう。
どうせなら1回ですむような設定にしてくれたら簡単なのに気が利かないわね。
きっと簡単だと願いごとがいっぱいになっちゃうから減らすために設定を高くしたのだわ。
「ちょめ」 (神様も器が小さいわね)
私がひとり夜空に神様の悪口を言っているとミクが部屋に戻って来た。
「ちょめ太郎、ごはんできたよ。どうしたの?」
「ちょめ」 (ちょっと、考えごとをしていただけ)
「あー。今日もお月様がキレイだね」
「ちょめちょめ」 (そうね。何だかこの世界のお月様は大きく見えるわ)
日本にいた頃はピンポン玉ぐらいの大きさに見えたけどここだとその何十倍も大きい。
きっとこの惑星とお月様の距離が近いから大きく見えているのだわ。
「あのお月様にはね、女神さまが住んでいるんだよ」
「ちょめ?」 (ウサギじゃないの?日本だと月と言えばウサギよ)
「空の上からこの世界を見守ってくれているから平和なんだ」
「ちょめ」 (初めて聞く話しね。神話か何かかしら)
「ときどきこの世界に降りて来ることもあるんだよ」
「ちょめ」 (へー。まあ、たまごおやじがいるくらいだから女神さまもいるのね)
ミクは幼いのに意外と物知りだ。
いつも難しい本を読んでいるから知識を得ているのだろう。
ちょっとミクを見習った方がいいかもしれない。
グー。
「ちょめ」 (いやん。お腹が鳴っちゃった)
「ちょめ太郎もお腹が空いているんだね。ごはんができたからいっしょに行こう」
「ちょめ」 (そうさせてもらうわ)
私はミクに連れられて部屋を出ると一階のダイニングへ向かった。
途中、隣の部屋のルイのことが気になったが触れずにしておいた。
変に私がルイのことを呼びに行ってもミクが不思議がると思ったからだ。
一応、ルイとお話したことはミクには内緒にしておかないといけない。
ルイは家族以外の人には会ってはいけないことになっているのだから。
ダイニングまで来るとテーブルの上にご馳走が並んでいた。
上座には髭の生えたゴツイ体のおじさんが座っていてキッチンにキレイな女性が立っていた。
私はミクに促されるままミクの隣の席に着く。
すると、ミクが両親に私のことを紹介してくれた。
「パパ、ママ。この子がちょめ太郎だよ」
「ちょめ」 (ちょめ太郎です。本当はマコちゃんだけど)
私はお辞儀よく頭を下げて挨拶をする。
「キミがちょめ太郎くんだね。ミクから話は聞いているよ。今日は我が家だと思って寛いでくれ」
「パパ。ちょっとカタい」
「ハハハハ。いつもの調子の方がいいよな。ごめん、ごめん」
ミクのパパは髭モジャで熊のような大男だ。
ミクからは想像もできないほど違っていて面白い。
ミクもルイもママの方に似たのだろう。
「さあ、おかわりはいっぱいあるから、たんとお食べになってね」
「ママもカタい」
「ごめん、ごめん。久しぶりのお客さんだから緊張しちゃって」
そう言いながらミクのママはスープを入れたお椀をテーブルに置く。
ミクのママは栗色の長い髪を後ろで束ねているヘアースタイル。
色は白くて肌がスベスベでとても美人だ。
”この母してこの子あり”って感じだ。
ミクもルイもパパに似なくてよかった。
「それじゃあ神様にお祈りをするぞ。みんな手を合わせて目を閉じて」
「はーい」
「ちょめちょめ」 (こう言うところはしっかりしている家なのね。ミクの育ちがいいのもわかるわ)
私は手がないので目を閉じるだけにする。
「今夜もまた食事にありつけたのは豊穣の女神様のおかげです。豊かな森を育み、清らかな水を湛え、我らの命を繋いでくれる。ここに豊穣の女神様への感謝を示し、与えられた食事を残さず、慎ましくいただきたいと思います」
ミクのパパが祈りの言葉を口にすると辺りが静まり返る。
そして――。
「いただきます!」
「「いただきます」」
「ちょめ」 (いただきます)
声を揃えてみんなでいただきますをした。
「さあて、何から食べるかな」
「その前に」
「わかっているわ。ルイの分は私が運ぶからみんなは食事を続けてください」
そう言うとミクのママは料理を取ってお盆の上に乗せる。
ちゃんとルイ専用の食器を用意してあって食べられる分だけよそっていた。
そしてひとり席を立つと料理を持ってルイの部屋へ運んで行った。
「もういいかな?」
「ルイの部屋の扉が閉まる音がしたからいいだろう」
「じゃあ、いただきます。ちょめ太郎も好きなのを食べていいのよ」
「ちょめ」 (部屋に閉じこもりきりのルイのことまで考えているなんてさすがお姉ちゃんだわ)
ミクのお姉ちゃんぶりには頭が上がらない。
もし、私が同じ立場だったら妹のことなど忘れていたはずだ。
目の前のご馳走に目がくらんで妹の存在すら消えていただろう。
そうならないのがミクのすごいところだ。
誰よりもルイのことを心配しているから、そうなるのだ。
「このコーンスープ、美味しい」
「それは家の畑で採ったトウモロコシを使っているからな。極上の味だ」
「ちょめちょめ」 (へ~ぇ。畑があるんだ。もしかして農家なのかな)
私がミク達の話に聞き入っているとミクが気をきかせる。
「あっ、ちょめ太郎はスプーンを持てなかったね。私が食べさせてあげる」
「ちょめちょめ」 (いいわよ。子供じゃないんだから。テレキネシスを使えば大丈夫よ)
「いいから、いいから。あーんして」
「ちょーめ」 (あーん)
ミクのご厚意に甘えて私は大きな口を開ける。
そこへミクがスプーンで掬ったコーンスープを流し込んだ。
「どう?美味しいでしょう?」
「ちょめっ!」 (美味しい!こんなコーンスープ、生まれてはじめて食べたわ)
「美味しかったようだね。それはよかった」
「おかわりはいっぱいあるからね」
私の表情を見てミクもミクのパパも満足気な顔を浮かべる。
自分が手塩をかけて育てた野菜だから嬉しさもひとしおなのだろう。
この味ならば王都で売れば大儲けできるはずだ。
「ミク。こっちのチキンも食べてもらいなさい」
「この鶏も家で育てている鶏なのよ。はい、あーんして」
「ちょーめ」 (あーん)
もうすっかり私はミクの赤ちゃんになってしまっている。
あーんして料理を食べさせてもらって、またあーんをする。
ミクがお世話上手だからすっかり甘えていた。
まあでも傍から見たらペットに食事を与えている風景と変わりない。
私は子犬や子猫のようにカワいくないちょめ虫だけれど。
「どう?美味しい?」
「ちょめちょめ」 (すごく肉感を感じるのに臭みがなくてさっぱりしている。脂もさらっとしていて甘味がある。新鮮な証拠ね)
「どうやら気に入ってもらえたようだね。手塩をかけて育てたかいがあったってものだ」
ミクのパパはご機嫌になって豪快に酒を煽りはじめる。
お酒が似合いそうな熊みたいなパパだから飲み方も豪快だ。
「ちょっとパパ。飲み過ぎだよ」
「まだ飲みはじめたばかりじゃないか。それに今夜はお客様がいるんだ。少しぐらいいいだろう」
「ダーメ。お医者さんからお酒を控えるように言われているじゃん」
「全く。ミクもママみたいになって来たな」
頭に角を立ててミクが怒るのでミクのパパは小さくなった。
ジー。
「どうしたの?ちょめ太郎」
「ちょめ」 (いやなに。ちょっと羨ましいなって思っただけ)
家の両親は共働きで夜遅くに帰って来るからいつもひとりきりだった。
それが嫌で私は声優アイドルのオタクになったのだけど楽しかった。
”アニ☆プラ”に夢中になっている時は嫌なこと忘れられる。
寂しさだってちっとも苦にならないほど幸せだったのだ。
だけど、ミクとミクのパパの姿を見ていたら胸の奥がギュッとなった。
私が本当に求めていたのは”アニ☆プラ”じゃなくて家族愛なんだと。
「おかわりが欲しいんじゃないのか」
「ちょめ太郎。次は何を食べる?」
「ちょめ」 (シクシクシク……何でもいいわ)
「ちょめ太郎、泣いているの?どこか痛いの?」
「ちょめ」 (痛いわ。胸の奥がギュッとなってる)
ミク達の温かさに触れて私は自然と涙をボロボロ零す。
それは私の本当の気持ちが涙となって溢れ出したのだ。
「そんなに家の料理に感動をしてくれたのか。地道に育てて来たかいがあるってものだ。どんどん食べてくれ」
「ちょめ太郎。もう泣かないの。涙を拭いてあげるから」
「ちょめ」 (ありがとう。チーン)
ミクが涙を拭ってくれたのでついでに鼻をかんだ。
鼻水がミクのハンカチにべっとりついていたけどミクは気にしていなかった。
「落ち着いた?」
「ちょめ」 (うん。ミクのおかげで)
「じゃあ、次は何が食べたい?」
「ちょめ」 (そうね。そのロールキャベツがいいわ)
私はそばにおいてあるロールキャベツを凝視する。
すると、すぐにミクが気づいてくれてロールキャベツを切り分けた。
「はい。あーんして」
「ちょーめ」 (あーん。モグモグ)
こんな感じでミクが私につきっきりで食事を食べさせてくれた。
おかげで胸いっぱいに幸せな気持で満たされた。