第十八話 王都ダンデール
天気に恵まれるのはありがたいことだが時と場合にもよる。
雲一つない晴天は容赦なく太陽の光があらゆるものを焼き尽くす。
馬車の荷台は幌で覆われているので直射日光はあたらないが暑いのだ。
「ちょめ……」 (うげげげ……何よ、この暑さ。尋常じゃないわ)
私は牢屋の中でへたりながら流れてゆく景色を見ている。
空は限りなく青く、大地は限りなく赤茶色だ。
時折、視界に入る緑が新鮮に見える。
「ねぇ、先生。もっと水をちょうだぃ。喉カラカラ」
「あまり無題に飲むでないぞ。それだけしかないのじゃからな」
「うん、わかってるぅ」
ボロにゃんはグルグルメガネを取り上げて素のトラ吉にしている。
真面目なトラ吉だと私に気を使うから私に気が向かないようにしたのだ。
「ちょめ……」 (わ、私にもちょうだい……このままだと本当にミイラになっちゃうわ)
私は声にもならない声を出しながら水を要求する。
しかし、ボロにゃん達にはちょめ語がわからないので気づかない。
ただ、私が鳴いているだけだと思っているようで気にも止めない。
「トラ吉よ、そのへんにしておくのじゃ」
「えぇ、もうちょっとだけぇ」
「わがままを言うでない。止めるのじゃ」
「ふぁ~い」
ボロにゃんに急かされてトラ吉は水を飲むのを止めた。
素のトラ吉は言うことを聞くが甘えん坊キャラだから手がかかる。
だからと言って真面目なトラ吉にすると小言が多いので厄介だ。
「先生ぃ、あとどれぐらいなのぉ」
「馬車の足で2日と言ったところじゃ」
「そんなにもかかるのぉ。つまらない」
「そんなにも暇ならあやつの様子でも見て来るのじゃ」
トラ吉が駄々をこねるのでボロにゃんは私の様子を見て来るように言いつける。
すると、トラ吉は立ち上がって荷台の方に歩いて来た。
「だいじょうぶぅ?」
「ちょめ……」 (み、水をちょうだい……)
「ぼくと同じでたいくつなんだねぇ。なら、遊んであげるぅ」
「ちょめ……」 (何を言っているのよ、トラ吉。これが遊んでほしいように見えるわけ……)
私は行き絶え絶えになりながらもトラ吉に水を要求する。
しかし、トラ吉は水ではなく棒を掴むと私をグリグリと突いて来た。
「カチカチだねぇ」
「ちょめ……」 (仕方ないでしょ。脱水症状を起こして干からびたシメジになっているんだもの。私はう○こじゃないのよ……)
「おもしろぃ」
「ちょめ……」 (どこが面白いのよ。いたいけな私をおもちゃにして。ロクな大人にならないわよ……)
トラ吉は死にそうになっている私を突いて喜んでいる。
トラ吉からしたら私は珍しい生き物なので興味が湧くのだろう。
しかし、私をおもちゃにしているのはいただけない。
「なまえはなんていうのぉ?」
「ちょめ……」 (マコよ。マコちゃんって呼んで……)
「ちょめじゃわからないよぉ」
「ちょめ……」 (そんなこと言われたってしょうがないじゃない。”ちょめ”としか話せないんだから……)
あまりに反応の悪い私を見てトラ吉は急に興味をなくす。
子供あるあるのよくある反応だ。
そして私をそのままに御者台へ戻って行った。
(なんて薄情な子なの。もっとできる奴だと思っていたのに……)
(日頃のお主の行いが悪いからじゃな)
(ちょめジイ。いるならいるって言ってよ。喉が渇いたから水をちょうだい)
(やれぬこともないがそんなところでやったら驚いてしまうじゃろう、あの二人が)
(そんなことはどうだっていいの。私は喉を潤せればいいのよ)
(しかたないのう。水を召喚してやるから一口で飲むのじゃぞ)
ちょめジイがそう言った後で私の足元に魔法陣が浮かび上がる。
そして拳大ぐらいの水の塊が目の前に現れた。
私はボロにゃん達に気づかれる前にパクリと飲み込んだ。
(うはーっ。生き返るわ。水がこんなに美味しいなんて知らなかったわ)
(これは特別じゃからな)
(それじゃあついでにおにぎりも召喚してよ。お腹も空いていて仕方ないの)
(甘えるでない)
(いいじゃない。一回も二回も変わりないわよ)
(ダメじゃ。後は自分で何とかするのじゃ。ではな)
プツン。
そう言い残してちょめジイは念話を切った。
いつも都合が悪くなると念話を切るのがちょめジイの悪い癖だ。
ちょっとぐらい私の言うことを聞いてくれても罰はあたらない。
そんなに大げさのことを要求している訳でもないのだから。
どうせテレビを見ながらお菓子をつまんで寛いでいるのだろう。
(まったく使えないジジイだわ)
私はいるでもないちょめジイの愚痴をこぼした。
そんなこんなで馬車を2日程走らせると王都ダンデールが視界に入る。
王都と言うぐらいだからイメル村とは比べ物にならないけど想像以上だ。
23区ぐらいはあるであろうか広大な敷地に建物が聳え立っている。
中央にはダンデール城らしき姿が見えて街を見下ろすような高さにあった。
「やっと戻って来たのじゃ」
「だけどぉ、これからが問題だよねぇ」
「そうじゃな」
ボロにゃん達の視線の先には行商人達が長い列を作っている。
100メートルは優に超えるほど長い行列で今か今かと待っている。
中には今日中には通れないことを予想してキャンプをしている行商人達もいた。
ボロにゃんは行列の一番後ろに並ぶとさっそく馬車を降りる。
そして荷台から木の椅子とテーブルと持ち出してセットをする。
「トラ吉よ、トランプをするのじゃ」
「ふぁ~い。なら、これだねぇ」
ボロにゃんにトランプに誘われるとトラ吉はグルグルメガネをかける。
すると、頼りなさそうなトラ吉から真面目でデキるトラ吉へと変わった。
「まずはスピードで勝負じゃ」
「先生には負けませんよ」
ボロにゃんはテーブルの上にトランプを広げるとぐちゃぐちゃに混ぜ合わせる。
そしてトランプをひとところに集めると自分とトラ吉に交互にトランプを配った。
「それじゃあはじめるのじゃ」
ボロにゃんとトラ吉は手持ちのカードを整理して並び替える。
そして準備が整うと声を合わせてスピード対決をはじめた。
「「いっせーのせ!」」
ボロにゃんが出したのはスペードのエースでトラ吉が出したのはダイヤの7だった。
それを確認するなりボロにゃんとトラ吉が次につながるカードを重ねて行く。
その速さは年寄りと思えぬような俊敏さで観ていた私も驚いてしまった。
「こちらは5枚も出せたのじゃ」
「ちぃ、僕は3枚しか出せませんでした」
ゲームになると本気を出す人は多いがボロにゃんもその一人だ。
相手に勝つことが何よりも喜びなのでたとえ相手が子供でも遠慮をしない。
まあ、相手が子供だからと言って手を抜くのは相手に失礼と言うものだ。
「「いっせーのせ!」」
次にボロにゃんが出したのがクラブの3でトラ吉がハートの5だった。
二回も続けて数字の低い数が出るなんてボロにゃんには一見振りのように見える。
しかし、ボロにゃんの手札には余裕があって繋がる数のトランプを次から次へと出した。
「くぅ……また3枚しか出せませんでした」
「ムホホホ。ワシは6枚も出せたのじゃ」
ボロにゃんは順調に手札を減らせて得意気な顔を浮かべている。
その目の前でトラ吉は悔しそうな顔しながら手札を眺めていた。
(この勝負、ボロにゃんの勝ちね。トラ吉は手札が偏っているから悪いわ)
スピードで勝つにはいかにして素早くカードを出すかが肝心だ。
だが、それだけではなく手持ちの札の種類によっても変わる。
繋がる数字のカードを持っていればいいがバラバラだと詰まってしまう。
とかくトラ吉の手札は数字の大きいものばかりが集まっているので悪い。
「「いっせーのせ!」」
ボロにゃんは畳みかけるように数字の低いトランプを出す。
そしてつぶさに繋がる数字のトランプを場に出して積み重ねて行った。
トラ吉もようやく並びのよいトランプを出せたがボロにゃんの素早さには追いつかなかった。
「終わったのじゃ」
「うわーぁ、負けた」
ボロにゃんが当然であるような態度をしている前でトラ吉はテーブルに伏す。
勝負事は勝つことに喜びを感じるものだが負けた時はこの上ないほど悔しい。
それが遊びであることはわかっていてもとにかく悔しくてたまらないのだ。
その後もボロにゃんとトラ吉は何度かスピードの5番勝負をする。
しかし、トラ吉が勝てたのは1回だけで4回はボロにゃんの勝利だった。
「ムホホホ。トラ吉は弱いのう」
「まだまだこれからです。次はババ抜きをやりましょう」
「わかったのじゃ。ワシの運の強さを見せてやるのじゃ」
「僕だって負けませんよ。運はある方ですから」
そう言ってボロにゃんとトラ吉はトランプをぐちゃぐちゃに混ぜ合わせる。
不正がないようにしっかりとトランプを混ぜてからボロにゃんが掻き集める。
そして自分とトラ吉に交互にトランプを1枚ずつ配って行った。
「ムホホホ。やっぱりワシはツイておるわい」
「キィー。最初からババを引くなんて」
ボロにゃんとトラ吉は同じペアのカードを手札から捨てて行く。
そしてボロにゃんが親なのでトラ吉の手札からカードを一枚引いた。
「ふむ。これじゃな」
ボロにゃんはトラ吉の手札をじっくりと眺めながら一枚引いた。
すると、トラ吉は悔しそうな顔を浮かべて舌打ちをする。
ボロにゃんが引いたカードの隣のカードがババだったからだ。
「むほ。同じカードがあったのじゃ」
「じゃあ、次は僕の番ですね」
ボロにゃんはババを持っていないのでトラ吉は迷うことなくカードを引く。
しかし、ペアになるカードはなくて手持ちのカードが1枚増えただけだった。
「くぅー。ペアになるカードがない」
「トラ吉よ。ババがないからと言って適当にカードを引いてもダメなのじゃ。じっくりと考えてペアになるカードを引かないとな」
「そんなこと言われたってわかりませんよ。カードは見えないんですから」
あくまでババ抜きは確率の問題なのだ。
カードが7枚あれば7分の1でババを引くことになる。
それ以外の7分の6はセーフなのだがペアになるカードを引かなければ意味がない。
なので7分の6からペアになるであろうカードを選ぶことが肝心なのだ。
これには運と普段からの行動が影響して来る。
普段から直感ばかりで動いているとじっくりと考えることをしない。
なのでいかにして欲しいカードを引くかの計算をしない。
裏を返せばババ抜きは計算で勝つゲームとも言えるのだ。
「さて、次はどのカードにしようかのう」
「ちょっと待ってください。今、混ぜますから」
ボロにゃんがカードを引こうとするとトラ吉はカードを混ぜ直した。
1回1回手札を混ぜておかないとどこにカードがあるのかバレてしまう。
とりわけ観察力に優れているボロにゃんを相手にするならなおのことだ。
「いいですよ」
「ふむ。トラ吉にしては考えた方じゃ。じゃがワシの目はごまかせんのじゃ」
ボロにゃんはじっくりとトラ吉の顔を見ながら手を動かして変化を見る。
トラ吉は正直で顔に出やすいタイプだからババのカードを選べば表情が崩れる。
今はグルグルメガネをかけているので目は見えないが口元がお留守になっている。
そしてボロにゃんがババのカードを選ぶとトラ吉の口元が少し歪んだ。
「やはりこっちのカードにしておくのじゃ」
「キィー。あと少しだったのに」
あからさまに悔しがるトラ吉を見てボロにゃんはほくそ笑む。
そしてペアになったカードを捨てると手持ちの札が3枚になった。
「ワシはあと3枚じゃぞ」
「わかってますよ」
ボロにゃんに急かされてあからさまにトラ吉は嫌な顔をする。
すっかりボロにゃんにしてやられてしまったのでムカついているようだ。
「なら、これです」
「ワシはあと2枚じゃ」
「僕だってあと3枚ですよ」
ここまで来るとどのカードを引いてもペアになる確立が上がる。
なのでトラ吉が引いたカードも手持ちのカードとペアになったのだ。
ただ、それは同時にボロにゃんがババを引く確率も上がるのだ。
手持ちのカードが7枚であれば7分の1で3枚であれば3分の1だ。
「さて、ここが勝負じゃ」
「負けませんからね」
これでボロにゃんがペアになるカードを引けばボロにゃんの勝ちだ。
ただ、ゲームを見ている方からすればボロにゃんにババを引いてもらいたい。
勝負の行方がわからなくなった方がドキドキできるからだ。
ボロにゃんはまたトラ吉の表情を見つめながらカードを探って行く。
トラ吉も必死に我慢をして表情が変わらないようにしていた。
しかし、正直者のトラ吉がボロにゃんの目を誤魔化せることはない。
「これじゃ。ワシの勝ちじゃな」
「また負けたー」
ボロにゃんにペアになるカードを引かれて負けてしまった。
「トラ吉はもっと修業が必要じゃ」
「ムムム。次は負けませんからね」
そんなこんなでトランプで時間を潰しているとボロにゃん達の番が来た。
私はトランプを見ていただけだけどそれなりに楽しめたので問題はない。
何もしていないと退屈だけどゲームを観戦できたので時間が潰せた。
ボロにゃんは検問所まで馬車を進ませると警備兵が近づいて来た。
「身分証を見せろ」
「これなのじゃ」
「ほう。探偵をしているのか。隣の奴もそうか」
「トラ吉はワシの助手じゃ」
警備兵は身分証を確めながらボロにゃんとトラ吉を見て照合する。
そしてチェックを終えると荷台を見せろと要求して来た。
「大したものは積んでおらんぞ」
「一応これも仕事だからな」
そう言いながら警備兵は後ろに回り込むと荷台に登った。
「おい、何だ、この生き物は?」
「そやつは家畜じゃ」
「家畜だと?」
「そうじゃ」
警備兵もはじめて見る私を見て驚きの顔を浮かべている。
ボロにゃんが家畜と言ったがどう見ても新種の生き物でしかない。
「新種の生物の密輸じゃないだろうな」
「そんなことはせん。そやつは家畜で競りに出す予定じゃ」
「なら、家畜であることを証明してみせろ」
新種の生物の密輸は王都ダンデールでは禁止されている。
生態系にどれだけの影響が与えるかもしれないし、密輸事態問題なのだ。
もし、密輸で捕まった場合は裁判にかけられて懲役3年から5年の罰を受けることになる。
「仕方ないのう。ちょっと待っておれ」
そう言ってボロにゃんは荷台に移動するとキャベツの葉っぱを一枚取り出した。
そして私に向けてキャベツを差し出して食べるように指示して来た。
「ほれ、ご飯じゃぞ。遠慮なく食べるのじゃ」
「ちょめ」 (嫌よ。何で私がキャベツを食べなきゃいけないのよ。私はウサギじゃないのよ。せめて食べさせるならマヨをつけて。でないと食べられないわ)
私がガンとして断っているとトラ吉がボロにゃんに助け舟を差し出す。
「さっきご飯を上げたばかりなので食べないんですよ」
「それでは証明になってない。こいつは没収するぞ」
「ダメなのじゃ。そやつはワシらの家畜じゃ」
警備員が私の入っている牢屋を取り上げようとするとボロにゃんが制止した。
まるで鬼に取り上げられそうになっている生け贄を助けるかのような姿だ。
そのボロにゃんの姿を見て私は少し胸を撫で下ろす。
もし、警備兵に没収されてしまえばどうなるのかわからないからだ。
新種の生物であるならば殺処分されるかもしれない。
「ほれ。お主もガンとしておらんでキャベツを食べるのじゃ」
「ちょめ」 (わかったわよ。食べてあげるわよ。ボロにゃんの言うことを聞くのは嫌だけど背に腹は代えられないからね。仕方なくなんだからね)
私は差し出されたキャベツにパクつくとムシャムシャと食べはじめた。
口の中いっぱいにキャベツの味が広がって何とも言えない感じになる。
生キャベツなんて揚げ物を食べる時しか食べたことない。
その時もソースやドレッシングをかけて食べていたぐらいだ。
だから生キャベツだけだと苦くて美味しいとは言えなかった。
「見るのじゃ。こやつは山羊の代わりに雑草を食べてくれる家畜なのじゃ」
「確かにキャベツは食べたが本当に家畜なのか?どこからどう見ても虫にしか見えない」
「見た目はキノコのような青虫じゃが立派な家畜じゃ」
どんなフォローをしているのかわからないがボロにゃんは私を家畜で通そうとする。
でないと新種の生物を密輸しようとしている犯罪者になってしまうからだ。
もし、そうなればボロにゃんのキャリアは砂のように崩れ落ちる。
迷探偵の肩書もなくなって犯罪者の汚名を背負うようになるのだ。
だから必死なのだろう。
「ちょっと待っていろ」
警備兵はボロにゃん達を残して上司に相談しに向かった。
一階の警備兵では判断に迷う案件だからだ。
もし、間違った判断をしてしまえば自分の責任になってしまう。
だから、上司に相談をして判断を仰いだのだ。
しばらくすると警備兵と上司が戻って来た。
そして上司に私を見せて家畜と認めていいのか尋ねた。
「見るからに新種の生物だな……」
「この者達が言うには山羊の代わりに雑草を食べさせるのだと言っています」
「そうなのじゃ。こやつは家畜なのじゃ」
上司は腕を組んでしばらく考え込むと徐に答えを出した。
「このものを家畜と認めよう」
「いいんですか?」
「この者達の身分は確かなのじゃ。ならば問題はない」
「だから言ったじゃろう。こやつは家畜なのじゃ」
上司としてはもし問題が起こったとしてもすぐにボロにゃん達を抑えることができる。
迷探偵ボロにゃんと言えばそれなりに名が知られているので安全だと考えたのだ。
ボロにゃんは当然とばかりの態度だったがトラ吉はほっと胸を撫で下ろした。
「それでは通行書を発行しよう。だが、問題は起こすなよ」
「わかっておる。競りに出したらワシらの仕事も終わりじゃ」
警備兵に念を押されるとボロにゃんは不機嫌な顔を浮かべる。
いつまでも疑われていることが癪に障ったのだろう。
ただ、それも仕方がないことなのだ。
何せ私を見るのはみんなはじめてなのだから。
「ちょめ」 (これで私の競りも決定事項ね。きっと驚くぐら価値がつくわよ。なんて言ったって私は美少女なのだからね……今はちょめ虫だけど)
一応、雑草を食べる家畜となっているが牛や山羊ほどではない。
本当は雑草なんて食べれないし家畜でもないのだから。
ボロにゃんは通行書を警備兵から受け取ると馬車を走らせる。
検問所は通り抜ける間は警備兵の睨みがすごかった。
まあ、それも仕事だからしかたないことだけど。
そしてボロにゃんは検問所を抜けると競り会場に馬車を向けた。