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第百六十八話 聖エクスタール学院②

不良たちは女子更衣室に前に集まっていた。

ドアをノックして誰もいないことがわかると女子更衣室に入って行く。

そして辺りを見回しながらカメラを仕掛けられそうな場所を探した。


「この棚の上がいいんじゃないか」

「ダメだ。それだとおっぱいしか見えないだろう」

「下から見上げるアングルの方がいい」

「でもな。カメラをしかけられそうな場所がないぞ」


棚は均等に仕切りがあって荷物を置けるようになっている。

一番下には仕切りがないので高床式のようになっていた。


「この下がいい」

「けど、どうやってカメラを固定するんだ」

「ガムテープでとめておけば大丈夫だ」

「そんなので大丈夫なのか。カメラが落ちたらアウトだぞ」


不良たちはカメラを一番下のしきりにくっつけてガムテープで固定する。

そしてカメラの画面を眺めながらアングルの微調整をすませた。


「これでバッチリ写るはずだ」

「うひょーっ、何だかワクワクして来たぜ」

「女子の裸が丸見えになるんだからな」

「おい、お前。もう反応しているのか」

「バカ言え。これはシワだ」


不良たちはバカげた話をしながら盛り上がっている。

すでに盗撮がうまく行くかと思っているようでご機嫌だ。


そして女子更衣室の扉を開けて外の様子を確めて出て行った。


「何なの、あいつら。超最低の変態じゃない」


女子の着替えを覗こうなんて不届き過ぎる。

女子の裸はブランドだから男子に見られちゃいけないのだ。


「これならセントヴィルテール女学院の方がマシね」


スケベな男子はいないから安心して学院生活を送れる。

ただ、女子達ばかりでいるとだらしなくなってしまう。

それさえ気をつければ女子高は最高の居場所だ。


「こうなったら邪魔をしてあげるわ」


悪の手から女子達を守れるのは私しかいない。

か弱き乙女を悪の手から守ってヒーローになるのだ。


「だけど、カメラを外すのはマズいわね」


誰がカメラを外したのか問題になってしまう。

私と言う存在がバレてしまえば私の身が危くなる。

怒り狂った不良たちが私をボコるかもしれないからだ。

なるべくなら私の存在は隠しておきたい。


「なら、画角に入って女子達が写らないようにするのがいいわ」


さすがに擬態は解けないのでそのままで画角に入る。

そうすればカメラには何も写っていない映像が撮れるはずだ。


「フフフ。何だか楽しくなって来たわ。早く女子達が着替えに来ないかな」


私はワクワクする心を押さえながら女子更衣室で女子達が来るのを待った。


しばらくすると外が騒がしくなって女子生徒達が女子更衣室に入って来る。

そしてお喋りをしながら着替えをはじめた。


「でさ、トイレからゴウくんが飛び出して来たのよ」

「えっ、もしかして大をしていたの」

「飛び出して来た時、半ケツだったから間違いないわ」

「キャハハハ。ウケる~」


何の話をしているのかわからないが女子生徒達は爆笑している。

恐らくトイレと言うキーワードが飛び出したからうんこの話なのだろう。

万国共通、男子も女子もうんこが大好きなのだ。


「ねぇ、ユイ。また大きくなったんじゃない」

「そんなことないよ。前と同じだよ」

「えーっ、嘘だ。前よりも大きくなっているよ」

「ちょっとマキ。胸を揉まないでよ」

「やっぱり大きくなっている。羨ましい」

「別に胸が大きくてもいいことばかりじゃないよ。肩が凝るし」

「それって巨乳自慢をしているよね。そう言う子はこうしてやる」

「あ、あん。そこは」


マキはブラの下からユイのおっぱいを鷲掴みしてもみほぐしている。

ちょうどマキの手がユイのおっぱいの先っちょを刺激したので感じていた。


(うわぁ~、女子あるあるだわ)


女子達は着替える時にお互いの体をチェックし合う。

友達がどれだけ発育しているのか気になるからだ。

自分の胸が小さいと大きい友達の胸を揉みくだす。

そう言う行為をしてコミュニケーションをしているのだ。


(にしてもユイってこ。けっこう大きいわ)


ブラごしだけれどユイの胸の大きさがわかる。

恐らくブラを外したらたわわな胸がこぼれ落ちるのだろう。


「それより、ガイくんのことを聞いた?」

「なになに?」

「彼女がいるって話」

「えーっ、マジ」

「マジよ、マジ」

「相手は誰なのよ」

「セントヴィルテール女学院の子らしいわ」

「あーん、私、ガイくんの隣を狙っていたのに。ショック」


マキとユイは下着姿のままガイのことを話している。

女子達からそう思われていると言うことはモテるのだろう。

ルイミン達の話では超イケメンと言うことだから間違いない。


「でも、あのガイくんが彼女をつくるなんてね」

「ガイくんって誰に対しても素っ気ない態度しかしないからね」

「まあ、それがクールでいいのだけどね」

「どこのどいつよ。許せないわ」


ユイは少し興奮しながら文句を言っている。


「もうしたのかな」

「やめてよ。ガイくんのはじめては私がもらうのよ」

「本気でそう思っているの。ガイくんが童貞のわけないじゃない」

「そうなの?」

「あたり前じゃない。あれだけモテモテなのよ。小さい時からモテていたはずだわ」

「なら、2番でもいいわ。私のはじめてを奪ってほしい」


本気でそんな風に思っているならユイは相当のバカだ。

女子のはじめては好きな人に奪ってもらった方が幸せだ。

ただ、ガイのように彼女がいる人は例外だけど。


「なら、私が奪ってあげようか。ほれほれ」

「ちょっと、マキ。変なところを触らないでよ」

「ここが気持ちいいんだよね」

「あん、あっ、あっ」


マキはユイのぱんつの中に手を入れて恥ずかしいところを触っている。


女子同士だから恥ずかしくないのだろうけれど見ていられない。

さすがにこんな行き過ぎた行為は女子あるあるではない。

あくまで女子あるあるはおっぱいの大きさを比べるだけだ。


「濡れて来た。感じているのね」

「もう、やめてよ!」

「ユイったら初心なんだから」

「もう、知らない」


あまりにマキのおふざけが過ぎたのでユイは怒ってしまう。

そしてブラとぱんつを脱いで真っ裸になった。


(すげー。ユイのおっぱい牛みたい)


ユイが前屈みになるとおっぱいがだらんと垂れる。

それはまるで牛のおっぱいを見ているかのようだ。


(羨ましい。私もあれだけ巨乳だったらな)


おっぱいは小さいよりも大きい方がいい。

その方がモテるし、自分にも自信が持てる。

ただ、巨乳は肩こりになるらしいからそれはいらないけど。


それに比べてマキのおっぱいはおわん型だ。

垂れ下がりもしなければ揺れたりもしない。

それはそれでアリなのだろうけど少し物足りない。


「ユイの裸ってエロいね」

「仕方ないじゃん。発育が良すぎるんだもん」

「おまたもモジャモジャだし、男子が喜びそうだわ」

「マキだってモジャモジャじゃん」

「私はユイほどじゃないわ」

「変わらないよ」


今度はおまたのモジャモジャの話になる。

このぐらいの年頃になると立派なモジャリコだ。

私もモジャモジャしているけれどユイ達程じゃない。


「あ~ぁ、どの殿方がユイのはじめてを奪うのかね」

「ガイくんよ。ガイくん以外はいらないわ」

「そんなにガイくんが好きなら彼女から奪ったらいいわ」

「もちろんそのつもりよ。ガイくんは私のものなんだから」


確かにユイに迫られたら大抵の男子は落ちるだろう。

ユイはそれなりにカワイイし、体はエロいし、中身もバカだから男子ウケする。

とかく男子は女子とエッチをすることしか考えていないから賢いよりバカな女子の方がいいのだ。


(とんだライバル出現ね。リリナ、大丈夫かしら)


まだ彼女がリリナであることは知られていないから安心だ。

だけど、すぐにバレるだろうからリリナもうかうかしていられない。


「クシュン。冷えて来たね」

「裸のままでいるからだよ」

「プールで温まろう」

「そうだね」

「うちの学校のプールって室内で温水プールだからいいよね」

「冬でもプールができるところがいいわ」


マキとユイは競泳水着に着替えて学校の自慢話をしている。


確かに室内で温水プールだなんて贅沢過ぎる。

世の中には寒いプールで我慢している人達も大勢いるのだ。

少しは庶民の気持ちを考えてほしい。


そんなことを考えている間に女子生徒達は着替えてプールへ行った。


(これで作戦は成功ね。不良たちの残念がる顔を見たいわ)


そもそも女子の着替えを覗こうなんてことが間違っている。

スケベ心を押さえられないのはわかるがそれでもだ。

とかくティーン時代は精力が盛んだから我慢できないのだろう。


すると、女子更衣室の外が騒がしくなり、不良たちが戻って来た。


「うまく撮れてるかな」

「あたり前だろう。わざわざ危険をおかしたんだぞ」

「うわぁ~、早く見たい。興奮し過ぎて涎が出て来る」

「おいおい、マツタケをおっ起てるのはまだ早いぞ」


そう馬鹿話をしながら不良たちは仕掛けておいたカメラを回収する。


「おい、再生してみろ」

「待ってろ」


カメラの再生ボタンの音が聞えると不良たちの期待が高まる。

しかし――。


「何も映ってないじゃないか」

「おかしいな。ちゃんと撮れているはずなんだけどな」

「どうしてくれるんだよ。お前のせいだからな」

「俺にばっかり言うなよ。みんなのせいだろう」

「いいや。カメラを仕掛けたお前が悪い」

「ふざけんなよな~」


私の予想通り不良たちの残念顔を浮かべる。

カメラを仕掛けたやつが周りに責められて立場をなくしている。

レンズの前には擬態した私がいたから周りの風景が写っているだけだ。


(ケケケ。ざまあみやがれ。不届きなことをするからよ)


私は心の中でケタケタと笑いながら不良たちをバカにした。


「これじゃあ抜けねぇじゃねぇか」

「どうすんだよ、俺のマツタケ」

「いや、待て。まだおかずはある」


不良たちが不満をこぼしているとひとりの不良が閃く。


「おかずってなんだよ」

「よく考えてみろ。ここは女子更衣室だぞ。あいつらの下着があるじゃないか」

「おおっ!ナイスアイデア!」

「ごちそうがわんさかとあるぞ」

「ウヘヘヘへ」


さっきまで不満たらたらだったのにどこへ行ったのか。

不良たちはだらしのない顔をしながらニタニタと笑っていた。


「うぉ~、すげー。脱ぎたてだからホカホカしているぞ」

「たまんねーな」

「クンクン。女子の匂いがする」

「お前らは他の女子達の下着で満足していろ。俺はユイの下着でウハウハする」

「ズリー。巨乳のユイを独り占めするな」

「ユイの下着は俺のものだ」

「ふざけんな。俺達にもよこせ」


不良たちはスケベ顔をしながら女子達が脱いだ下着を奪い合っている。


「おい、ひっぱるんじゃねぇ。ぱんつがちぎれるだろう」

「お前が離せばいいんだよ」

「醜い争いはそれぐらいにしておけ。ユイは男子達みんなのオナペットなんだからみんなで楽しむんだ」

「わかったよ」

「はじめからそうしていればいいんだ」


リーダーっぽい不良が争っていた不良たちの中を取り持つ。

そしてユイの下着をみんなで堪能しはじめた。


「これがユイのぱんつか。カワイイな」

「こんなぱんつを履いているなんてな。想像しただけでも元気になる」

「おい、このぱんつ湿っているぞ」

「ほんとか!」

「おいおいおい、湿り気つきか。萌えるぜ」


耳を塞ぎたくなるような破廉恥なことを言って興奮しはじめる。

もう、すでに不良たちのマツタケがギンギンになっていてテントを張っている。


「もう、俺、我慢できねー」

「お、おい。こんなところでズボンを脱ぐんじゃねぇ」

「今、抜かないでいつ抜くって言うんだよ」

「家に帰ってからすればいいだろう」

「そんなのじゃ満足できない。今、抜く」


不良のひとりはギンギンになったマツタケを出す。

そしてマツタケを刺激しながらひとりエッチをはじめた。


「なら、俺も」

「おい、お前もか」

「みんなで抜いてユイのぱんつにぶちまけよう」

「しかたねーな」


そう言って不良たち全員がマツタケを出してひとりエッチをはじめる。


(ふむふむ、男子ってこう言う風にするんだ……って、ちがーう)


私はひとりノリツッコミをしながら不良たちを下目に見る。


ぱんつをおかずにひとりエッチするなんてさすがは男子だ。

女子だったらそんなことはないから驚きしか感じない。

ただ、揃いも揃ってみんなでひとりエッチしているところがすごい。

”ひとりエッチ”じゃなくて”みんなエッチ”だ。


「おおっ、気持ちよくなって来た」

「俺、もう出る」

「みんなで一気に出すぞ」

「「おらぁぁぁぁぁっ……はぁっ」


不良たちは次から次へとそれぞれの熱いものを出してユイのぱんつにかける。

すると、あっという間にユイのぱんつが不良たちの熱いもので汚れてしまった。


「ふぅー、スッキリしたぜ」

「気持ちよかった。さすがはユイのぱんつだぜ」

「それはいいけど、このぱんつどうする?」

「そんなもん、ほっておけばいいさ」

「さすがに汚れたぱんつはいらないもんな」


不良たちはスッキリしたのですっかりユイのぱんつに興味をなくしている。

みんなの熱いもので汚れたぱんつなど誰もほしがらないのだ。


(なんて奴らなの。女子たちを辱めるばかりじゃなく、ユイのぱんつを熱いもので汚すなんて)


セクハラ以上に許されぬ犯罪だ。

しかも自分達はスッキリしている。


(このままにしておけないわ。これじゃあ、ユイが可哀想)


替えのぱんつを持っていないだろうからノーパンのまま過ごさないといけない。

そんな仕打ちは小学生の時におもらしした以来だろう。

私はおもらしの経験があるから痛いほどわかるのだ。


(女子たちを辱めたのだから、あいつらも辱めてやろう)


私は女子更衣室から出て行く不良たちをテレキネシスで捕まえた。


「な、なんだ。おい」

「動けねー」


不良たちは何が起こったのか理解できずに戸惑っている。


(逃がさないわよ。とびきりの罰で懲らしめてあげるわ)


私は不良たちを女子更衣室の壁に押しつけるとズボンを脱がせた。


「お、おい。何だよ、これ」

「知らねーよ。勝手にズボンが脱げて行くんだ」

「やめろー」


不良たちは必死の顔を浮かべながらジタバタもがいている。

その姿はまるで鉄板の上で踊るタコだ。


私はそのままぱんつも脱がして下半身だけスッポンポンにさせた。


「ふざけんな」

「誰だよ。あとで酷い目に合わせるぞ」

「今すぐにやめろ」


(ヤダよーだ。誰がやめるものか)


すると、プールを終えた女子達が女子更衣室までやって来た。


「「キャー!」」


不良たちを見るなり女子達は空が割れるような悲鳴を一斉に上げる。

そして手で顔を隠しながらうずくまってしまった。


「あんたたち、どう言うつもりよ」

「最低!」


ただ、マキとユイは平然としていて不良たちを蔑む。


「見るんじゃねーぇ。これは見せ物じゃないんだ」

「見せ物じゃないって、あんたたちが見せているんでしょ」

「そんなことをして私達が恥ずかしがると思ったの」


あまりにマキとユイが動じていないので逆に不良たちが狼狽えた。


「ねぇ、これ見て」

「うわぁ~、汚~い」

「これ、私のぱんつじゃん」

「な~る。あんた達、女子更衣室に忍び込んだのね」

「最低」

「変態。クズ」

「女の敵だわ」


怒り狂った女子達に囲まれて不良たちは逃げ場を失う。

もう、罪を償う以外にこの場から立ち去ることはできないだろう。

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