第百四十話 拮抗する結果
”ファニ☆プラ”のライブは予定通り成功をおさめた。
ファン達は盛り上がってくれて満足していた。
私もルイミン達の頑張りに感服する。
ただ、気に入らなかったのはアーヤだけだった。
”ROSE”のライブは中止になったのに”ファニ☆プラ”は最後までやったからだ。
それは私が”ROSE”のメンバーのぱんつを奪ったことが原因だ。
だけど、あの時はあれしか方法がなかったのだ。
アーヤには悪いと思うが今は伏せておこう。
「ごくろうさま。よくやったわ」
「まだ興奮している」
「私も。胸がドキドキして収まらないです」
「これなら、もう2、3曲は歌えそうですね」
ステージ袖にはけてきたルイミン達を労う。
ルイミン達は満足そうな顔をしていたがまだエネルギーがあり余っているようだ。
その横でひとり不機嫌だったのはアーヤだった。
「こんなの認められないわ。絶対に不公平よ」
「今さら、そんなことを言っても仕方ないでしょう。もう、”ROSE”のライブは終わったんだから」
「マコが中止に仕向けたのでしょう。卑怯よ」
「過ぎたことは蒸し返さない。それが私のルールよ」
随分と横柄な自己ルールだが今はそれでいい。
今さら過ぎたことを蒸し返されても困るだけだ。
”ROSE”のライブを途中で中止させたことは悪いと思っている。
だけど、あの時はそうせざるをえなかったのだ。
「それよりファン投票はしないんですか。みんな帰っちゃいますよ」
「ここではファン投票はしないわ。ここにいるのは”ファニ☆プラ”ファンだけだしね」
「なら、いつファン投票をするのよ」
「1週間後よ」
「1週間?そんなにも先なの」
「ライブ終わりだとファン達も興奮しているから冷静な判断ができないわ。それに1週間後にした方が公平でしょう」
確かにアーヤの言う通りだ。
ライブ終わりのファンは興奮しているし投票が偏りやすい。
それならば投票まで間をおいた方が冷静になれる。
その上で投票をすれば公平になるだろう。
「けど、1週間も時間が空いたらみんな忘れちゃうんじゃないの」
「その心配もあるわね。そこのところ、どうなのよ、アーヤ」
「忘れたら忘れたで構わないわ。所詮、それだけのファンだったてことよ」
「案外冷めているのね」
アーヤのことだからそう言うい人達の票も確保するかと思っていた。
けれど、実際はそんなことに期待しても無駄に労力を使うだけだ。
それならばはじめから切り捨ててしまった方がいい。
「投票の時はみんなに集まってもらうの?」
「そんなことをしたら会場が大変なことになるわ」
「”ファニ☆プラ”ファンと”ROSE”ファンがぶつかり合ってケンカになるかもね」
「だから、投票は選挙方式を採用するわ」
アーヤにしては考えている方だ。
選挙方式にすればどわっと人が集まることを避けられる。
自分の都合のいい時間帯に投票をしにくればいいのだ。
「なら、投票形式は推しのグループ名を記入するのね」
「そうよ。間違って個人名を記入した票はその個人が所属しているグループの票になるわ」
「本当の選挙みたいですね」
「ひとり一票だから重複することもないわ」
細かなところまで選挙そのものだ。
新しく何かを考えるよりも簡単だからそうしたのだろう。
「選挙方式を採用しているのなら、投票日になるまで選挙演説とかするんですか?」
「そうよ。選挙期間はファン達にどんなアピールでもしていいことにしたわ。ただ、賄賂でファンの票を獲得するのは違法よ」
「何かなにまで選挙だね。アーヤが考えそうなことだわ」
「マコ、私の提案が不服なわけ?」
「別に選挙方式に反対ってことはないわよ。ただ、アーヤらしいなって思っただけ」
「マコに言われるとバカにされているように聞こえるわ」
アーヤはそんなことを言いながら不満そうな顔を浮かべる。
私がいくらアーヤが嫌いだからと言って四六時中バカにしているわけじゃない。
ちゃんと認めることは認めて、否定することは否定しているのだ。
「それじゃあ、投票日は1週間後だから。首を洗って待っていなさい」
「あの調子だとアーヤは選挙演説をするみたいね」
「私達もやる?」
「そんなことしないわよ。だって面倒じゃない」
「ですけれど、それだと出遅れてしまうのではないでしょうか」
「少しでも票を獲得するためにも選挙演説は必要ですよ」
否定的な私とは違ってリリナとセレーネはすっかりやる気になっている。
選挙演説をするにもそれなりの労力を使わなければならないのだ。
ようやくライブが終わったのにまた働かなければならないなんて悲しい。
これもサラリーマンの宿命なのだろうか。
私はサラリーマンじゃないけれど。
「仕方ないわね、明日から選挙演説をするわよ。どことんファン達に語りかけて票を取に行くわ」
「そうこなくっちゃ。なら、私達は演説の準備をはじめましょう」
「演説の準備って何をやればいいの?」
「う~ん、そうだな。まずは衣裳を用意するところからでしょうか」
「”ファニ☆プラ”をアピールするのですからステージ衣装がいいですわ」
「後は馬車を用意しましょう。歩いて演説するのは疲れますからね」
そんなこんなでリリナ達は相談し合い、明日の準備にとりかかった。
「さてと、私は演説の台詞でも書いておくわ」
私はルイミン達とは別行動をして部室に戻る。
そして缶詰になりながら演説の台詞を書き上げた。
翌日は朝から校門前で待ち合わせをして集合した。
「ふわぁ~、眠い」
「ちょっと、ちょめ助。気を抜き過ぎよ」
「仕方ないでしょう。昨日は徹夜だったんだから」
「夜遅くまで何をしていたのですか」
「演説の台詞を考えていたのよ」
「さすがはちょめ助くんですね。私達は肝心なことを忘れていました」
「私はちょっと眠らせてもらうわ。台詞はここに書いてあるから」
私は馬車の隅で丸くなって深い眠りに落ちて行った。
「それじゃあ、はじめようか」
「馬車を出してください」
「あいよー」
リリナが運転手に合図を送ると馬車はゆっくりと動き出す。
リリナ達は荷台の上に乗って台本を見ながら台詞を覚える。
まだ、朝早いこともあってか人通りは少ない。
「もうちょっと人通りの多い場所に向かってください」
「あいよー」
馬車は通りの角を曲がり大通りに出た。
繁華街へ繋がる通りだから人もたくさん歩ている。
そしてちょっと開けてる場所に馬車を止めて準備をはじめた。
「それじゃあ、はじめるよ」
「私達、”ファニ☆プラ”は公平な選挙を望みます。裏金、賄賂、買収、いっさい許しません。選挙はファン達のみなさんの意志を表示する機会です。ぜひ、投票に出かけて清き一票をお願いします」
「なに、その台詞。それじゃあ選挙そのものじゃん」
「だって、台本にそう書いてあるんですもの」
「ちょめ助、きっと手を抜いたんだね」
ルイミン達は眠っている私を下目に見てバカにした。
「やっぱり台詞は自分達で考えた方がいいですわ」
「そうだね。その方がファンに伝わると思うし」
「けど、何て言いましょうか」
そこが一番の問題だ。
”ファニ☆プラ”に投票してもらうためにはどう訴えればいいか。
私が考えたように選挙演説みたいな方が訴えかけやすい。
だけど、固っ苦しい内容になるので嫌煙されてしまいがちだ。
やっぱりファン達の届くような言い方にしなければならない。
「ライブの時みたいにすればいいんじゃない」
「それもそうですわね。私達がファンと接する時はライブの時ですものね」
「なら、ここをステージだと思ってやりましょう」
ルイミン達は妙案を思いついて迷いをかき消した。
「それじゃあ、行くよ」
「「私達、FP3(エフピースリー)、”ファニ☆プラ”です」」
ルイミン達は独自に考えた挨拶の方法を披露する。
いつ考えたのかわからないけれど様になっている。
まるでK-POPアイドルを思わせるような仕上がりだ。
「今日はみんなに会いにここへ来たよ。みんな元気かな」
「うんうん、元気みたいだね。私達も嬉しいよ」
「今度の週末にクジラ公園で人気投票があるのですけれどみんなにも参加して欲しいんです」
「私達を応援してくれるなら、ぜひ、投票に参加してください」
「投票用紙に”ファニ☆プラ”って記入すればいいの。簡単でしょう」
ルイミン達が演説をはじめると通行人は足を止めはじめる。
そして馬車の周りに集まってルイミン達の演説を見守った。
「みなさんの一票が”ファニ☆プラ”の未来を決めます。ですので、投票をお願いします」
「私達に投票をしてくれたら路上ライブのチケットをあげるよ」
「ルイミンさん、それは賄賂です」
「あ、そうか。今のはなしと言うことで」
はじめての選挙演説にしてはうまくできた方だ。
ただ、アドリブでするから失言も出てきてしまう。
けれど、それはそれでその時に否定すればいいのだ。
「投票日は今度の週末です。朝、9時から12時まで。会場はクジラ公園です」
「みなさま、ふるってご参加してください」
「当日、私達も会場にいるよ」
リリナが投票日の案内をすると集まった人はメモをとっていた。
おそらくメモをとった人は投票に来てくれるだろう。
ただ、あまり関心がない人達はそそくさと帰ってしまった。
「とりあえず、こんなところかな」
「なら、次は場所を変えてやりましょう」
「あれ、終わったの。ムニャムニャ」
「ちょめ助、寝過ぎ。もう、10時だよ」
「もう、そんな時間。よく寝た」
馬車のすみは意外に居心地がよくてよく眠れた。
おかげでいい夢を見られて幸せな気分だ。
「次は場所を変えて演説をするから」
リリナ達は次の演説の準備をはじめる。
すると、どこからともなくアーヤが”ROSE”を連れてやって来た。
「あら、マコ。こんなところで何をしているわけ」
「見ればわかるでしょう。演説よ」
「演説はやらなかったんじゃなかったっけ」
「なにもしないとアーヤに負けちゃうからね」
「関心、関心。そうでなくちゃ面白くないわ」
アーヤに認められても何も嬉しくない。
おまけにいい気分が台無しになって不機嫌になる。
「演説の邪魔だからあっちへ行ってよ」
「どうしようかしらね。マコには貸があるし」
「貸って何よ」
「忘れたとは言わせないわ。”ROSE”のライブの一件よ」
まだ、アーヤは根に持っていたようだ。
もう、過ぎたことなのだし忘れてしまえばスッキリできるのに。
それだからアーヤはいつまで経っても成長がないのだ。
「なら、私達の演説を邪魔するわけ」
「そんな簡単なことじゃ許さないわ。もっと、マコを苦しめないとね」
「そのねちっこい性格を治したらどう」
「これが私のチャームポイントだからいいのよ」
何を言ってアーヤには伝わらないようだ。
自分のウイークポイントをチャームポイントと言ってしまうぐらいだから何も言っても変わらない。
すでにアーヤもおばさん化しているようだ。
「はいはい、そうですか。私達は演説があるからお暇させてもらうわ」
「マコ、投票日は必ず来るのよ」
「わかっているわよ。アーヤの負けを見守らないといけないからね」
「言っていなさい。勝つのは私なんだから」
私とアーヤはお互いに勝利宣言をして張り合う。
水と油ではないけれど私達が手を取り合うことはない。
ずっとこの先も互いに反発し合う仲なのだ。
それが私とアーヤとの関係だ。
私達はアーヤと別れたあと夕方まで演説に明け暮れた。
そして投票日が来るまでの間はすべて演説に時間を割いた。
投票日の当日、私達はクジラ公園に集まった。
すでにアーヤ達がいて私達が来るのを待っていた。
「ようやく来たわね。約束をすっぽかすかと思っていたわ」
「ヒーローってのは遅れて来るものなのよ」
「悪のヒーローでしょう」
「何とでも言いなさい。勝つのは私なんだから」
クジラ公園に来て早々アーヤとやり合う。
これが私達の習慣だからあたり前なのだ。
「私について来なさい。控え室に案内するから」
「あれ、投票を見守るんじゃないの」
「そうすれば投票する人のプレッシャーになっちゃうでしょう。だから、私達は投票が終わるまで控えてないといけないの」
「なんだ、なら遅刻すればよかったわ」
早く来てバカを見てしまった。
投票が終わる頃に来ることもできた。
アーヤが挑発して来るから約束を守ってしまったのだ。
「マコ達の控え室はそっちだから。投票が終わるまでは部屋から出ちゃだめだからね」
「わかっているわよ」
私達はアーヤ達と別れて隣の控え室に入った。
「これから3時間も待たないといけないのよ。何をする」
「トランプでもしようか」
「それいいね。やろう、やろう」
「ちょめ助くん、ルイミンちゃん、少しは緊張感を持ってください」
私とルイミンがトランプをはじめようとするとリリナに怒られてしまう。
大事な投票が行われるのに裏で遊んでいるなんて理解できないのだろう。
だけど何もせずに3時間も待つなんてことは退屈でしかたがない。
「あ~あ、つまんないな~」
「私も~」
「あと3時間の辛抱です」
「3時間よ。カップラーメンが何個できると思っているの」
「カップラーメンってなに?」
「いや、こっちの話よ」
ついあっちの世界の食べのもの話をしてしまう。
こっちの世界にカップラーメンのようなものはない。
だから、カップラーメンと聞いてもピンとこないのだろう。
カップラーメンはお安くてお手軽な庶民の食べ物なのに残念だ。
そんなたわいのない話をしている横でセレーネはひとり瞑想していた。
「ひとりだけずるい」
「こうしていると心が落ち着くんです。ちょめ助くんもいかがですか」
「瞑想なんて柄じゃないわ。それなら居眠りしている方がいい」
「ちょめ助くんはもう少し心を清めた方がよろしいですよ」
それは私が”カワイ子ちゃんの生ぱんつを盗る”所業をさしているのだろうか。
セレーネはそんなことをひと言も言ってないけれど何となくそんな感じがした。
「ちょめ助くん、この勝負に勝ったらどうするんですか」
「そうね。とりあえずにらせんべい屋を再開しようかな」
「また、にらせんべい。アイドル活動をするんじゃないの」
「アイドル活動?新曲を発表したからいいじゃない」
「よくありません。私達はアイドルなんです」
「そうだよ。アイドルは歌ってナンボなのよ」
「言うようになったじゃない、ルイミン」
すっかり路上ライブをしたことでアイドルになり切っているようだ。
だけど、私に言わせればルイミン達はまだまだひよっこだ。
プロのアイドルにまでは成りきれていない。
「私達はアイドル活動がしたいんです」
「そうだよ。新曲をバンバン発表して歌をファンに届けたいの」
「簡単に言ってくれるわね。楽曲を作るのは私なのよ」
いくら名プロデューサーと言ってもほいほいと新曲は作れない。
ブームを越しているプロデューサーならば可能かもしれないが私には無理だ。
新曲を作るのにどれだけの力を注ぎ込まなければならないのか理解していない。
今も次の新曲に関することはないも用意していないのだ。
「ちょめ助はプロデューサーでしょう。そのぐらいのことはやってよ」
「ちょめ助くん、私達を本物のアイドルにしてください」
「なら、にらせんべい屋をまっとうしてからね」
「なんでそうなるのよ。ちょめ助は儲けたいだけでしょう」
「あたり前じゃない。世の中、お金で回っているのよ。持っていない人は社会を動かせないのよ」
こっちの世界も結局はお金なのだ。
お金のないものは明日のご飯に困る。
けれど、お金を持っている人は社会も動かせる。
お金があれば贅沢もできるし、いい暮らしもできる。
やりたいことややってみたいこともできるようになる。
だから、お金を稼がなくてはならないのだ。
「アイドル活動をしたって稼げるじゃん」
「そんなのたかがしれているわ」
「なら、フェスとかツアーとかやればいいじゃん」
「そう言うのはプロのアイドルがするものなの。ひよっこの”ファニ☆プラ”じゃ早いのよ」
フェスやツアーなんてものはもっとメジャーにならないとできない。
今の”ファニ☆プラ”はライブハウスでアイドル活動するのが限界だ。
「あ~あ、ちょめ助に任せていたら私達、いつまで経ってもひよっこのままだわ」
「ルイミンちゃん、もう、ちょめ助くんに頼るのは止めましょう。私達だけでやりましょう」
「それもそうだね。ちょめ助はあてにならないからね」
「何よ、その言い方。私のどこが不十分だって言うのよ」
「だって、ちょめ助は自分のことしか考えてないじゃん」
「そんなことないわよ。私だってちゃんと新曲を作ってあげているでしょう」
ルイミンの指摘はあながち外れてもいない。
私は”ファニ☆プラ”よりも自分のことの方が大事だ。
お金儲けもそうだけれどその前に”カワイ子ちゃんの生ぱんつを100枚”集めないといけない。
でないといつまで経ってもちょめ虫のままなのだから。
これは私の人生がかかっていることなので無視できない。
だから、どんなことよりも優先しているのだ。
「新曲を作ったって言ったって今回限りじゃん」
「定期的に新曲を作ってくれているのであれば文句は言いませんけどね」
「新曲、新曲って言うけどね。大変なのよ、新曲を作るのは」
「あ~あ、私も”ファニ☆プラ”を辞めて”ROSE”に入ろうかな」
「なんてことを言うの、ルイミン。それは裏切り行為よ。ナコルと同じになることなのよ」
「だって、アーヤの方がちゃんとグループのこと考えてくれそうだし」
「なんてことなの。私がこんなにも”ファニ☆プラ”のことを考えているのに」
私はあからさまに涙をこぼして同情を誘う。
しかし、ルイミン達には全然伝わっていないので無駄だった。
「それなら一度、ちょめ助くんにプロデューサーを降りてもらいましょうよ」
「それもそうだね。私達だけでアイドル活動をしてみるのもいいね」
「楽曲はどうするのよ。ルイミン達に作れるの」
「それはやってみないとわかりませんわ」
「まあ、ちょめ助は夏休みだと思ってくれていいよ」
「はぁん、わかったわよ。プロデューサーを降りてあげるわ。その代り泣きついて来ても助けてあげないから」
と言うことで私は”ファニ☆プラ”のプロデューサーを降りることが決まった。
事実上のクビであることは言うまでもない。
これからルイミン達だけでどれだけできるのか見ものだ。
きっとすぐに投げ出して私に助けを求めてくるはずだ。
「話はまとまったようですわね」
「セレーネ、聞いていたの」
「そう言うわけだから、これからは私達だけでアイドル活動をするよ」
「わかりました。私も全力を尽くさせていただきます」
「はいはい、そうですか。みんなで勝手にやってください」
私はひとりムクれながら部屋のすみっこに移動した。
「結局、ここが一番落ち着くのよね」
すみっこだけに。
すると、控え室のドアがノックされてスタッフが声をかけて来た。
「集計が終わりましたので投票会場まで来てください」
と。