第百三十六話 裏金
にらせんべい屋は大盛況になるまでになった。
毎週末、クジラ公園でにらせんべい屋を開店して来たおかげだ。
”石の上にも三年”と言うが地道な活動を続けて来た賜物だ。
「だいぶ人が集まるようになったですわね」
「きっと口コミで広がったんだよ」
「私はみなさんが喜んでくれるだけで嬉しいです」
セレーネ達はそんなことを呟きながらにらせんべいを焼いている。
屋台の前には行列ができていて50人ほど並んでいた。
「まだまだ、こんなものじゃ甘いわよ。にらせんべいはもっと可能性を持った食べ物なのよ」
「ちょめ助は欲が深いね」
「あたり前じゃない。欲が深くなければこんな商売はしていないわよ」
「あれ?にらせんべい屋をオープンしたのは”ファニ☆プラ”の活動費を稼ぐことが目的じゃなかったっけ」
「それも含めてよ」
ルイミンがあげ足を取って来たので足を下げてやった。
にらせんべい屋を立上げたきっかけは”ファニ☆プラ”の活動費を稼ぐためだ。
ただ、にらせんべいは単価が安いから大量に売らないと儲からない。
なので、私の欲求はまだまだ満たされないのだ。
「でも、最近、にらせんべい屋ばっかりになってしまっていて”ファニ☆プラ”の活動をしていませんね」
「それは私も気になっていました。ファンはにらせんべい屋に来てくださるようになりましたけれど、ファンのみなさんが求めているのは”ファニ☆プラ”の歌だと思うんです」
「けど、仕方ないんじゃない。どっちともやることなんてできないよ」
さっきまで楽しい話をしていたのにルイミン達のテンションが急に下がる。
このところにらせんべいで手一杯だから路上ライブの練習もしていない。
かろうじてファン達がにらせんべい屋に通ってくれるようになったが満足できないのだろう。
やっぱりアイドルを目指して活動をして来ただけにアイドル活動がないのが不満なのだ。
「ねぇ、ちょめ助くん。来週はにらせんべい屋を止めて路上ライブをしませんか?」
「ダメよ。今は重要な時期なんだからにらせんべい屋を続けないとお客が離れて行くわ」
「ですが、アイドル活動の方が本命なのですよ。歌わないアイドルなんてアイドルではありませんわ」
「生意気なことを言うようになったわね、セレーネ。だけど、私がプロデューサーなのよ。セレーネ達の活動計画は私が立てるわ」
それだけの権限がプロデューサーにはある。
セレーネ達アイドルは私がいてこその存在なのだ。
「本当にこんな風でいいのかな。セレーネちゃんの言う通りアイドル活動を再開した方がいいと思うんですけど」
「そうだね。リリナちゃんはステージにいてこその存在だよ」
「ルイミンちゃん、セレーネちゃん。来週は路上ライブをしましょう」
「ちょっと、勝手に決めないでよ。来週も、そのまた次の週もにらせんべい屋なの」
リリナに出鼻をくじかれて私はムカッとしながら声を荒げる。
すると、リリナ達はムスっとしながら私を見つめた。
「なら、ちょめ助。いつから路上ライブを再開するつもりなの?」
「にらせんべい屋が軌道に乗ったらよ」
「もう、軌道に乗っているじゃん。50人も行列ができているんだよ」
「チッチッチッ。今日だけ50人行列ができていても意味がないの。毎週、50人以上並ばせられないと安定的な収入が得られないわ」
目先のことに囚われてしまうのは経営の素人だ。
玄人にでもなれば先のことまで見通した計画を立てられるようになる。
毎月、確実に収入を手に入れるには毎週リピーターが並ばないといけないのだ。
当面の目標は行列を100人まで増やしたい。
「あ~ぁ、私達、何だかちょめ助の人形になっているみたい」
「仕方ないじゃない。私がプロデューサーなんだから」
「そうやって、プロデューサー、プロデューサーって言うけど、そんなにプロデューサーが偉いの」
「あたり前じゃない。プロデューサーがいなければアイドル活動なんてできないんだから」
「そんなことないよ。ちょめ助がプロデューサーをやる前にリリナちゃんはアイドル活動をしていたよ」
「あれはアイドル活動って言わないの。お遊戯よ。なんとなくアイドルみたいなことをしていただけ」
アイドルの真似をして路上ライブをしていてもそれ以上にはなれない。
ファンは多少なりともつくけれどたかが知れている。
本当のアイドルになれば数多のファンができることだろう。
おまけにそのファン達をみんな元気にさせることができるのだ。
「それは言い過ぎですわ。リリナさんも頑張っていたんですから」
「本物のアイドルは頑張るだけではなれないのよ。”努力はいずれ報われる”って言うけれど報われる人は限りなく少ないの。その成功者達の言葉を信じていても意味がないわ」
「でしたら私達はどうすればアイドルになれるんですか?」
「そりゃあ、私の言う通りにしていればよ」
世の中で活躍をしている成功者は一握りしかいない。
その成功者達の言葉を信じて行動していても同じようにはなれない。
成功するためには限りない努力と運が必要なのだ。
「結局、ちょめ助は私達に言うことをきかせたいわけでしょ」
「それがルイミン達の務めだからね」
私がとどめのひと言を吐いたのでルイミンは反論を止めた。
「あ~ぁ、こんなことになるならアイドルになるんじゃなかったな」
「ルイミンちゃん、そんなことを言わないでください」
「私も失敗したと思っていますわ」
「セレーネちゃんまで」
ルイミンとセレーネは不満げな顔をしながらそんなことを呟く。
リリナはひとりあたふたしていて見ていられなかった。
まあでも、それも仕方のないことなのだ。
後から加入したルイミンやセレーネの覚悟などたかが知れている。
いつでも辞めたくなったら辞めるつもりでいるのだろう。
「いつもまでもお喋りしていないでにらせんべいを焼きなさい。お客さまは待っているのよ」
結局、私が仕切らないと何もはじまらないのだ。
休憩時間、私はひとりで売り上げの計算をしていた。
お金の勘定はプロデューサーの仕事だからだ。
けっしてルイミン達をのけ者にしている訳じゃない。
「48、49、50。今日の売上は銅貨50枚ね。ぼちぼちだわ」
ひとりで多く買ってくれた人もいるから一概には言えないが今日のお客は50人だ。
オープン当初と比べると20人も増えているから軌道には乗っている。
だけど、これだけで満足するほど私の欲は浅くない。
「毎週、銅貨50枚を稼いだところでたかが知れているわ」
”塵も積もれば山となる”と言うけれど所詮は塵の山だ。
私が欲しいのは黄金でできたピカピカの金の山だ。
だから、もっとガッツリと稼がないといけない。
「やっぱりにらせんべいブームを起こさないとダメだわ」
ブームになれば王都中の人達を誘い込める。
毎日のようにお客が訪れてにらせんべいが完売になる。
それでもにらせんべいを求めるお客が押し寄せて来るのだ。
そうなれば社会現象になること間違いないだろう。
あっちの世界で過去に起こったブームも社会現象になった。
90’に流行った”アモラー”や”コギャル”なんかはメディアに取り上げられていたそうだ。
ギャル嫌いの私としては”コギャル”なんて受け入れられないけれど。
にらせんべいブームを巻き起こすことができたらがっぽりと儲けられるだろう。
「けど、どうやってブームにするかよね」
ただ、単に広告だけ打ってもダメだ。
そんなことぐらいではお客の心は引けない。
”ファニ☆プラ”のグッズのひとつとして売るのもアリだろう。
グッズで食べ物なんて斬新だからお客の注意を引ける。
だけど、それでも”ファニ☆プラ”ファンの間にしか響かない。
ブームを起こすならばより多くの人に働きかけないといけないのだ。
「ターゲットはインフルエンサーね」
こっちの世界にもインフルエンサーに該当する人達はいる。
スマホはないけれど通話機能のない文字情報を送ることができるツールはある。
携帯電話以前にあったポケベルをパワーアップさせたものに近いだろうか。
もちろんインターネットなどないから情報を検索することはできない。
その代り魔石の力で動かすから充電知らずだ。
「”魔送機”は子供から大人まで持っているから、これを使わない手はないわ」
私のプラントしてはインフルエンサーを試食会に招待してにらせんべいを食べてもらう。
そしてその感想を”魔送機”で王都中の人達に発信してもらうのだ。
影響力のあるインフルエンサーが情報を発信すればより大きな効果が期待できる。
情報を入手した人達はこぞってにらせんべいを求めることだろう。
「だけど、問題があるのよね。私、インフルエンサーの知り合いなんていないのよね」
まずはインフルエンサー探しからはじめなければならない。
そのためには金の力を使う方がいいだろう。
お金を積まれたらインフルエンサーは集まるはずだ。
「裏金を積むなんて非情な手段ではあるがこれも作戦だわ」
ようはより多くのインフルエンサーを集められるかが問われているのだ。
そのために人の道から外れるようなことがあっても目をつむればすむ。
だいだい、どの世界でも裏金の力でものを言わせているのだ。
正攻法な手段を使っているのはオープンの時だけだ。
クローズになればあっちやこっちへ裏金が飛び交っている。
とかく政治の世界は特にそうだ。
「軍資金は今まで溜め込んだにらせんべいの売上を使おう」
ルイミン達にバレると問題になるから私だけの秘密だ。
ルイミン達に何かを聞かれたら銀行へ預けに行くと言っておけばいい。
実際に大金を部室に置いておくのは危険だから納得してくれるだろう。
「とりあえず、ルイミンから”魔送機”を借りて情報を発信しないと」
私はこっちの世界の人間じゃないから”魔送機”は持っていない。
ミクから勧められたこともあったがその時は必要なかったのでそのままにしている。
今度、ミクのママにお願いして私の”魔送機”を用意してもらうつもりだ。
私は売上金を持ってルイミン達が休んでいるベンチへ向かった。
「ちょめ助、今日の売上はいくらだったの?」
「銅貨50枚よ」
「うぉっ、すごー。やったね」
「この調子でいけばアイドルの活動費は稼げそうですわね」
ルイミン達は今日の売上の金額を聞いて喜ぶ。
一生懸命働いたから余計に嬉しいのだろう。
ただ……。
「こんなので満足していてはダメよ。もっと売上ないとダメなの」
「でもさ、これ以上どうやってお客を増やせばいいのよ」
「私に考えがあるわ。ルイミン、”魔送機”を渡して」
「”魔送機”を何に使うの?」
「いいから、いいから。じゃあ、借りたからね」
「ちゃんと返してよ」
私はルイミンから”魔送機”を手に入れるとひとりになれる場所まで走って行った。
翌週末、私が呼びかけたインフルエンサーがクジラ公園に集まった。
興味本位でやって来た人もいるが大半は裏金目当てでやって来ている。
一応、この試食会に参加して情報を拡散すれば金貨1枚を贈呈と言うことにしておいた。
手痛い出費になったがにらせんべいがブームになればすぐに取り戻せる。
「よく来てくれたわね。これからにらせんべいの試食会をはじめるわ。まずはにらせんべいがどう言う風に出来るか見てちょうだい」
私が挨拶をするとインフルエンサー達は屋台を取り囲む。
総勢30名だから結構な威圧感を感じた。
「さあ、リリナ、セレーネ、にらせんべいを焼いてちょうだい」
「こんなにジロジロ見られていたら緊張してしまいます」
「何を恥ずかしがっているのよ。普段ステージで慣れているでしょう」
「それはそうですけれど……」
いつもとは違う雰囲気に飲まれてリリナは戸惑っている。
普通のお客さんが焼いている様子を見るのとは違ってじっくりと見られている。
まるで動物園の檻に入れられたトラと同じような気分になっているのだろう。
「リリナちゃん、はじめましょう」
「セレーネさんは恥ずかしくないんですか」
「レイヤーは見られるのが商売だから慣れていますわ」
「すごいです。私も見習わないと」
「お喋りはそこまでよ。さっさとはじめなさい」
リリナとセレーネは気合を入れてにらせんべいを焼きはじめる。
予め生地を作っておいたからにらせんべいを焼くだけで終わりだ。
一から作り方を披露しようかと思っていたが時間がかかるので省いた。
用はにらせんべいがいかに美味しい食べ物か伝わればいいのだ。
鉄板の上に生地を丸く伸ばして焼いて行く。
すると、生地とニラの焦げた美味しい匂いが漂いはじめた。
「うまそうな匂いがするな」
「”なんでも焼き”に似ているぞ」
「そうね。”なんでも焼き”の具がないバージョンと言ったとことね」
インフルエンサーはにらせんべいが焼けるところを見て感想をこぼす。
”なんでも焼き”と言うのはいろんな具材を入れて焼いた食べ物だ。
あっちの世界で言う”お好み焼き”が近い。
ただ、”お好み焼き”とは違って出汁を入れないから具材の味がそのままする。
昔から伝わる食べ物なのでこっちの世界の人間なら知らない者はいない。
しばらくすると、生地にプクプクと泡が立ちはじめる。
それを見てセレーネがフライ返しを使って生地をひっくり返した。
「いい具合に焦げ目がついているわね。美味しそうだわ」
「だけど、うまいのか?具がニラだけだぞ」
「でも、匂いは美味しそうだから美味しいはずよ」
それから何度も生地を焼いてはひっくり返して人数分のにらせんべいを揃えた。
「みんなに行き届いたわね。それじゃあ試食してちょうだい。熱いうちに食べた方が美味しいわよ」
「なにもつけなくていいのか?」
「そのままで十分よ。素材の味を確めてみなさい」
「じゃあ……パクリ。モグモグ」
ひとりのインフルエンサーがにらせんべいを頬張る。
そして口の中でにらせんべいを咀嚼してから反応を返した。
「う、うまい!ニラの焼けた香ばしい香りが口いっぱいに広がって、少しねっとりとした生地と混ざって美味しさを運んでいるぞ」
「どれどれ……。確かに。生地に味がついているみたいだ」
「残念だけど生地は水で溶いてあるだけよ」
「小麦粉と水だけでこんなにもうまくなるのか」
「それがにらせんべいよ」
私は美味しそうに食べているインフルエンサー達を見て満足する。
これでにらせんべいが美味しいと言う情報は拡散されるはずだ。
「ねぇ、私にもレシピを教えてちょうだい」
「それは企業秘密だからダメよ」
「けち~ぃ」
ひとりのインフルエンサーが頼み込んで来たので丁重に断った。
どのお店にも秘伝の味と言うものがある。
麺であったり、スープであったり。
私が作ったにらせんべいも生地の滑らかさが企業秘密だ。
水が少なすぎてもダメだし、多すぎてもダメだ。
ちょうどいい滑らかさを保てる水の量が肝なのだ。
「それじゃあ、にらせんべいの情報を拡散してちょうだい」
「それはいいけれど、例のモノは忘れてないわよね」
「例のモノって?」
インフルエンサーが余計なことを言うのでルイミンの気を引いてしまう。
「何でもないわよ」
「嘘だ。ちょめ助、何か隠しごとをしているでしょう」
「そんなことをするわけないじゃない」
「じゃあ、教えてよ」
「”ファニ☆プラ”のライブチケットを渡すだけよ」
「えっ、ライブをするの?」
「近いうちにね」
「やったー!リリナちゃん、聞いた?ライブをするんだって」
とりあえず今はそう思わせておけばいい。
どうせいつかは路上ライブをしなくちゃいけないのだから。
まあ、私の方としてはにらせんべいでがっぽり稼いでからの話だけど。
約束通りインフルエンサーが情報を拡散したのを見届けてからチケットといっしょに金貨を渡した。
ちょうどルイミン達から見えないように金貨をチケットの下に忍ばせて隠した。
金貨を受け取ったインフルエンサーは喜びながらウキウキと帰って行った。
翌週末、ちょっと早めにクジラ公園へ来た。
インフルエンサーの影響で人がたくさん集まっていると思っていたからだ。
しかし、クジラ公園にはまったく人影が見えなかった。
「やっぱり、早すぎたんだよ」
「おっかしいな。ひとりぐらいいるはずなんだけどな。どこかに隠れていたりして」
「んなわけないじゃん」
「まあ、いいわ。時間になればどっと押し寄せて来るだろうから」
私達はいつもの場所に陣取って準備をはじめる。
「今日はいつもより多めですね。運ぶのも大変です」
「これからどっとお客が来るからね。そのぐらい用意しておかないと足りなくなるのよ」
「けれど、ぜんぜん人が来る気配がありませんわね」
「早く来たせいよ。気にしない、気にしない」
仕込みの方もいつもより多めに作っておく。
小麦粉を水で溶く作業はセレーネの担当。
ニラを切る作業はリリナの担当。
そしてタマゴを割る作業はルイミンの担当になった。
私はもちろん3人の作業を見守る担当だ。
「ちょっと、ちょめ助。暇なら手伝ってよ」
「暇じゃないわよ。私はルイミン達を見守っていないといけないからね」
「そんなのサボっているのと同じじゃん」
「同じじゃないわ。偉くなるとこう言う仕事をしなくちゃいけないの」
3人が滞りなく作業をしているのか見守ることは必要だ。
もし、どこかで作業が止まっていたら調整をしなければならない。
それを見逃すだけで生産性が落ちてしまうのだ。
ルイミン達は機械じゃないけれど見守りは大切だ。
それからルイミン達は文句を言いながらも仕込みを終わらせた。
「ふぅー、やっと終わった」
「これだけの作業で2時間もかかってしまいました」
「私なんか腕の筋肉がつってビリビリしていますわ」
「ごくろう、ごくろう。お茶でも飲んで休みなさい」
「何よ、偉そうに。ちょめ助はサボっていただけでしょ」
頑張ってくれたルイミン達を労うためお茶を淹れてさしあげる。
ルイミンはブツブツ文句を言っていたがお茶を出すとゴクゴク飲んでいた。
「それにしても誰も来ませんね」
「いつものリピーターも来てないなんて」
「みんなして寝坊でもしているんじゃない」
「そんなことはありませんわよ」
公園を見回しても人っこひとりいない。
せいぜい歩いているのはノラ猫だけだ。
まるでゴーストタウンに迷い込んだかのようだ。
「ルイミン、ちょっと見て来てよ」
「えぇっ、私?ちょめ助が行けばいいじゃん」
「私が行くよりルイミンが行った方が早いわ。早く行って来て」
「もう、仕方ないな~ぁ」
ルイミンは重い腰を起して公園の様子を見に行った。
「……」
「……」
「……」
しばらくするとルイミンが戻って来た。
「どうだった?」
「誰もいないよ」
「えぇっ!本当に!」
「本当もほんと。散歩している人もいなかったよ」
予想もしないルイミンの報告に耳を疑ってしまう。
私達だけ忽然とタイムループしてしまったのだろうか。
それはあり得ない話でもない。
世の中にはまだ解明できていない現象もあるのだ。
ましてや魔法のある世界にいるのだから可能性は高い。
「みんな、覚悟をして聞いてちょうだい。私達は異世界にワープしちゃったの」
と、あり得ないことをルイミン達に伝えた。