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第百三十二話 ROSEのステージ

翌週末のイルカ公園は異様な様相を呈していた。

黒一色で統一されたゴシック系の服を身にまとったギャルばかりが集まっていたのだ。

見ているだけで反吐が出て来そうなほど気分が悪い。

ここに集まったギャル達はROSEのファンなのだ。


「うげぇ~、もうこんなにもギャルが王都に浸透していたのね」

「ROSEは今や飛ぶ鳥を落とす勢いですから仕方ありませんよ」

「リリナ、そんなこと言っているけれどいいの?ライバルに先を越されるのよ」

「私はROSEさんのことはよきライバルだと思っていますから」


そんな呑気なことを言って来るリリナは意識が薄い。

ROSEのファンが増えると言うことはファニ☆プラのファンが減ることだ。

ファンになる人の絶対数は決まっているのだから牌争いをしなければならない。

でなければROSEに出し抜かれてファニ☆プラの人気は低落してしまう。


「リリナちゃんは誰に対しても平等だね。人としてはいいことだけど今は必要ないんじゃない」

「ルイミンの言う通りよ。私達はROSEからファンを奪わないといけないのよ」

「ですけれど、こんなにもROSEに染まっていると難しいのではないでしょうか」

「大丈夫よ。彼らは格好だけ似せているだけで心まで染まっていないわ」


セレーネの心配は最もだがそんなに後ろ向きになる必要はない。

ギャルなんて見掛け倒しなところがあるから服を脱げば元に戻るからだ。


「それより、こんなにも人がいるんだから商売をしないと」

「えっ、これからにらせんべい屋をはじめるの?」

「あたり前じゃない。何のために朝早く来たと思っているのよ」

「まあ、屋台を押して来たので薄々は気づいていましたけどね」


私があえて朝早くからイルカ公園に来たのはにらせんべいを売りつけるためだ。

少しでも多くのROSEファンに私のにらせんべいを食べさせて囲い込むのだ。

ギャルににらせんべいの良さなどわからないだろうけれど種を植え付けておく方がいい。

中にはリピーターになってくれるファンもいるからだ。


「さあ、リリナ、セレーネ、生地の準備をして。ルイミンは呼び込みよ」

「えーっ、またぁ。何で私ばっか」

「ルイミンは料理が下手でしょう。呼び込みしかやることがないのよ」

「私だって頑張れば料理ぐらいできるわ」

「頑張るじゃダメなのよ。それじゃあにらせんべいのクオリティが保てないわ」


商売をやる以上、商品のクオリティーは高めておかなければならない。

いくらROSEのファンに売るからと言って手を抜いてはダメなのだ。

にらせんべいの美味しさを植え付けて、こちらに引き込むのだ。


「さあさあ、準備にとりかかって」


私の采配でリリナ達はにらせんべい屋の準備をはじめる。

ルイミンは納得していなかったがブツブツ文句を言いながら呼び込みに行った。


私はやることがないので再びルイミン達の活躍を見守る。


「イルカ公園にいるROSEのファンをざっと見積もっても300人ぐらいはいるわ。となると1人2枚売ったとして銅貨300枚の収入になるわ。今日はたんまりと儲けられそうだ。グフフフ」


私は頭の中でお金の計算をしてひとりしたり顔を浮かべる。

先週の週末の売り上げは銅貨100枚にしかならなかったから、その3倍だ。

そこら辺の公園で商売をしているよりも路上ライブを狙った方が儲かりそうだ。


そんなことを考えていると美味しい匂いが辺りに漂いはじめる。


「なんか美味しい匂いがする」

「あそこじゃない」

「なんのお店かな」

「にらせんべいだって。知ってる?」

「知らない」


ROSEのファン達ははじめて見るにらせんべいに興味を持ちはじめる。

ちょうど小腹が空く時間であることも重なって相乗効果が生まれたようだ。


「あれはにらせんべいって言うんだよ。とっても美味しいから食べてみて」

「にらせんべいってどんな料理なの?」

「溶いた小麦粉の中にニラを入れて焼いた食べ物だよ。シンプルだけどすごくヘルシーなの」

「私、試してみようかな」

「ぜひぜひ。一度食べたらクセになるから」


ルイミンの呼び込みがうまく行ったようで一組のROSEファンを連れて来る。


「リリナちゃん、にらせんべいを2枚お願い」

「はーい。にらせんべい入りました」

「ごちそうさまでーす」


また、リリナ達は独特の掛け声をかけて注文を取る。

これがすっかり定番になっているようで軽快だ。


「おまちどうさまです。焼きたてほやほやのにらせんべいです」

「うわぁ~、すごく美味しそう」

「美味しいから食べてみて」

「それじゃあ……パクリ」


にらせんべいを買ったROSEのファンは大口を開けてにらせんべいにかぶりつく。

そしてハフハフしながら咀嚼するとすぐに感激の声を発する。


「美味しい~。こんなのはじめてだわ」

「でしょう。にらせんべいは地味だけど美味しい食べ物なの」

「私、みんなを呼んで来る」


そう言うとにらせんべいを買ったROSEのファンは友達のところへ駆けて行った。


「やっぱり美味しいものに国境はないのね」

「ちょめ助ってほんと商売上手だよね」

「もっと褒めて」


私の本心はROSEのファンからがっぽりと稼ぎたいだけだ。

にらせんべいの美味しさを伝えることが目的じゃない。

少しでもアーヤにダメージを追わせておきたいのだ。


そんなことを考えているとさっきのROSEのファンが友達を連れて戻って来た。


「私にもにらせんべいをちょうだい」

「私も、私も」

「ちゃんと並んで。有り余るほどあるから心配しなくていいよ」


いつの間にかにらせんべい屋の周りはROSEのファンでいっぱいになっていた。


この現象もおばさんの原石であるギャルの特徴だろう。

ひとたび噂が広がれば津波のように押し寄せて来るのだ。

ギャルも人の意見に流されやすいからすぐに染まってしまう。

そう言うところがチョロイと思われてしまう一番の原因だ。


「まあ、私は儲かれば何でもいいけどね」


にらせんべいはみるみるうちに売れて行ってお金がジャラジャラと溜まって行く。

すでにイルカ公園にいるROSEのファン達はみんなにらせんべいを食べていた。

これで私の思惑も達成できると言うものだ。


「完売です!」

「すごいですわ。全部売り切るなんて」

「これも私の呼び込みのおかげね」

「今日はがっぽり稼げたようね。満足、満足」


屋台に置いてあるお金のカゴを見ると銅貨がたんまりと入っている。

ひとりでは持ち上げられないほどの量でずっしりとお金の重みを感じた。


「さて、仕事も終わったし、帰ろうか」

「えっ、ROSEの路上ライブを観て行かないんですか」

「どうせつまらない路上ライブだから観てもしょうがないわ」

「けれど、アーヤさんと約束をしたんじゃないですか」

「いいのよ、そんなの。アーヤとの約束なんてゴミみたいなものだから」


私はがっぽりと稼げればそれでいいのだ。

アーヤと約束したのもノリだったから本気ではない。

にらせんべいを売りつけることが本命だったのだ。


すると、イルカ公園の入口の方が騒がしくなる。


「ROSEが来た」

「キャー、カワイイ」

「こっちを見てください」

「やーん、目が合っちゃった。もう死んでもいいわ」


ROSEのファン達は黄色い声援を送りながらキャーキャー騒ぎはじめる。

ファン達の間を練り歩くようにアーヤとROSEが公園内に入って来た。


「さあ、帰るわよ」

「えっ、いいんですか。ROSEの路上ライブを観ないで」

「いいのよ。とりあえずはROSEの路上ライブに来たんだから」


正確に言うとROSEが路上ライブをやるイルカ公園に来ただけだ。

この後で開催されるROSEの路上ライブを観ないと観たとは言わない。

だけど、やることもやったし帰るのが一番なのだ。


私は屋台を締める準備をはじめて早々に荷物をまとめる。


リリナ達は何とも言えない顔をしながらどうしようか迷っていた。


「撤収よ」

「あら、マコじゃない。約束通り来たのね」

「あー、見つかっちゃった」

「関心関心。やっぱりROSEのことが気になるのね」

「アーヤが来いって言ったから来ただけよ。じゃあ」

「逃げるの、マコ」


その一言を聞いて私は踏み出した足を引き戻す。


「何で私がアーヤから逃げないといけないのよ。バカは休み休み言って」

「そうよね。ここまで来て路上ライブを観ずに帰るなんてバカな真似はしないわよね」

「あたり前じゃない。だから、とっとと路上ライブをはじめなさい」

「残念だけどもうちょっと時間がかかるのよね」

「もったいぶってないではじめてよ」

「まあ、楽しみは後にとっておいた方がいいのよ」


楽しいのはアーヤの方だろう。

私はぜんぜん楽しくない。

とっとと路上ライブを観て帰りたいのだ。


「どうせいつものつまらない路上ライブでしょう」

「チッチッチッ。違うんだな~、これが」

「何が違うのよ」

「今日はROSEのセカンドシングルを発表するのよ」

「何がセカンドシングルよ。どうせ”ギャルズ”みたいなわけのわからない歌んでしょう」

「それは聴いてのお楽しみよ。まあ、私は自信を持っているけどね」


アーヤが得意気な顔をしながら余裕たっぷりの態度をしている。

別にROSEのセカンドシングルの発表だからと言って驚かない。

どうせアーヤが作詞作曲をした歌だから大したことがないのだ。


「はいはい。どうせ流行り言葉を作りたいだけの歌なんだわ」

「そう言うマコはどうなのよ。ファニ☆プラのセカンドシングルを作ったの」

「教えてあげない」

「いいわよ。どうせマコのことだから、またぱんつの歌なんでしょうから」


そう言いながらアーヤは私を遠回しにバカにして来る。

私だってぱんつの歌を作りたくて作ったわけじゃない。

たまたまぱんつの歌になってしまったと言うだけだ。


「ちょめ助、言われているよ。いいの?」

「ゴミには言うだけ言わせておけばいいのよ」

「さ~てと、そろそろ時間ね。じゃあ、また後で。感想を聞かせてね~」

「誰が言うか!」


ステージの方へ歩いて行くアーヤの背中に声を荒げて叫んだ。


「では、私達も参りましょう」

「そうですわね。ライバルの動向は抑えておかないといけませんし」

「また、ナコルがセンターをやるのかな。だったら聴きたくないな」

「この目でアーヤの失態振りを拝んであげるわ」


私達は予めアーヤが用意していた特別席に移動した。

ステージの真ん前で客席の最前列の特等席だ。

この席は関係者しか座れないので私達はゲスト扱い。

まあ、ROSEの路上ライブを観てあげるのだからこれくらいのことは当然だ。


「いよいよですね」

「何だか緊張します」

「リリナちゃんが緊張してどうするのよ」

「だって、こんな前で観るのははじめてなんですもの」


この前のアイドルバトルではステージ脇から観覧していた。

なので会場の緊張感はあまり伝わって来なかった。

だけど、この席だとファン達の息づかいまで聞えて来る。


そしてROSEの面々がステージに登場するとどっと歓声が沸き起こった。


「「キャー」」


ファン達はどこから声を出しているのかわからないぐらいの悲鳴をあげる。

その盛り上がりぶりだけ見てもファニ☆プラとは比べ物にならないくらい差があった。


「ROSEのどこがいいのよ。あんなにも声を上げなくたって」

「ROSEのファンは圧倒的に女子が多いですからね。私達とは違いますわ」

「けど、同性に好かれているのっていいよね。何だか認められているって感じがして」

「そんなことはありませんわ、ルイミンちゃん。私達だってファンから認めらています」

「私達の場合、スケベおやじ達が多いからエロ目的だよ」


ルイミンは最もなことを言う。

ファニ☆プラのファンは圧倒的に男子達ばかりだ。

その中でもセレーネファンはスケベおやじ達が多い。

セレーネがコスプレをやっていた頃からのファンだからだ。

セレーネがファニ☆プラをやるからいっしょについて来たのだ。


「それでも応援してくれるファンがいるだけでもありがたいことです」

「リリナは律儀ね。けどファンの構成は変えて行った方がいいわ」

「ちょめ助には何か考えがあるの?」

「もちろん。今後のプロデュース方向を変えて行く予定よ」


いつまでも既存のファン達に甘えてばかりはいられない。

新規開拓をして新しいファンを増やして行く必要があるのだ。

今のところ私が狙い目にしているのは同世代の女子達だ。

一番ファニ☆プラを近くに感じていられるから見逃せない。


そんなことを考えている間にROSEのマイクパフォーマンスがはじまっていた。


「今日は私達の路上ライブに集まってくれてありがとう。いっしょに盛り上がろうぜ!」

「「キャー、ほへとー!こっちを向いて!」」


”ほへと”と呼ばれたのはROSEの中のイケメン役の女子だ。

ボーイッシュなショートヘアで男子感を前面に出している。

ギャルと言えば金髪にロングヘアを想像するものだがそれとは一線を画している.

新しいギャルを押し出そうとしているアーヤの采配だろう。


「あの人、カッコイイね」

「すごくイケメンですわ」

「同じ女子でもクラッと来るようなタイプですね」

「セレーネでもそんなことを思うんだ」


ファニ☆プラの中では一番大人びているセレーネがそう言うのに驚いた。

セレーネクラスの女子ならば数多の女子達を相手にして来た経験がある。

それなのにほへとにくらっと来るだなんてどれだけイケメンなのだろうか。

きっとビジュアルだけではないほへとの魅力を感じているのだろう。


「今日はみんなにサプライズがあるんだ」

「「えーっ!」」

「聞きたい?」

「「聞きたーい!」」

「えっ?なんだって?」

「「聞きたーい!」」


ほへとはファン達を煽ってより声を出させる。

その手慣れたマイクパフォーマンスは勉強どころだ。


ほへとはステージの前でスピーカーに足をかけたまま沈黙を保つ。

そしてファン達の声援が最高潮まで達すると徐に口を開いた。


「聴いてくれ。”ルーズ”」


ほへとが曲名を口にするとイントロが流れはじめる。

ROSEのメンバーは曲に合わせながらダンスを踊っていた。


「”ギャルズ”の次は”ルーズ”?全くアーヤの考えそうなことだわ」

「今回もラップなのでしょうか」

「どうせそうよ。アーヤは芸がないから」

「でも、曲調はラップとは少し違っていますわ」

「もしかして普通の歌だったりして」

「そんなことないない。アーヤはそんなに器用じゃないわ」


また”ギャルズ”のようにギャルが世界を相手にすると言うストーリーなのだろう。

ギャルを広めたい思惑が見え見えで歌詞にもそれが反映されている。

だから、”ギャルズ”は中身のない歌だった。

今度の曲も同じはずだ。


そしてイントロが終わるとAメロがはじまった。


”風が髪を撫でる いつも通りの朝”

”冷たいトーストを咥え 学校へ向かう”

”見慣れた顔ぶれに 適当にあいさつ”

”この感じがあたり前 私らのルール”


「えっ、なに。普通に歌っているじゃん」

「やっぱりラップではなかったですわね」

「それにこの前とは違って情景が浮かびますね」


アーヤがラップを持ってこなかったことには正直驚きだ。

セレーネ達も驚いていたが私はそれ以上に驚いていた。

あのアーヤがラップでない曲を作るなんて思わなかったからだ。

普通ならファーストシングルがラップなら次もラップが定番だ。

そうすることでROSEのイメージとラップを結びつけることができる。

それもしないで普通の歌を持って来るなんてアーヤは何を考えているのか。


”金髪、ミニスカは そうマストアイテム”

”派手なネイルをつけながら 無駄なミエをはる”

”友達より上ならば 気分は上々よ”

”予定を決めたらOK 授業をサボるの”


「誰かモデルがいるみたいですね」

「そうですわね。誰かの日常を描いているみたいです」

「それならナコルだよ。ナコルはしょうもない日常を過ごしていたから」

「ルイミンの指摘は間違いではないわ。アーヤはナコルをモデルに詞を書いたのよ」


でなければアーヤが想像だけでこんなにもありありと描けるわけない。

私は作詞をした経験があるから痛いほどよくわかるのだ。

想像だけで歌詞を書こうとしてもうまく描写できない。

だから、どこらかしこに実体験を入れるのだ。

そうすることで聴いた人達に響く歌詞になる。

ただ、アーヤがそこまでナコル推しだと言うことに驚いた。

恐らくROSEのメンバーの中でナコルがアーヤのイメージする一番のギャルだったのだろう。


”この気怠い気持ちはいつから”

”あたり前のようになって 私に纏わりつく”

”隣にいる彼女も同じ Ah”

”覇気のない欠伸をしている スマホをいじりながら”


Bメロに入るとより主人公がナコルであることがわかる。

ナコルは毎日、暇を持て余していたから覇気もなかった。

ただ、そこらへんをフラつきながらしょうもないことをしていたのだ。

ちなみに、この世界にはスマホがない。


「ナコルそのものだね」

「それより”スマホ”って何ですか?」

「知らな~い」

「恐らく何かしらのアイテムなのでしょう」


スマホを知らないリリナ達から見たら素直な反応だ。

アーヤがギャルらしさを演出したいからスマホを歌詞に加えたのだ。

まあ、何となくアイコン的な言葉として受け入れられたら成功だろう。


そして楽曲はアーヤ一番言いたかったサビに移る。


”ああ 今日もまた つまらない一日が終わる”

”ああ かったるい日にバイバイ”

”ああ 何もない 何も残らないストーリー”

”ああ ルーズな気持にグッバイ”


「さすがアーヤだわ。全然中身がない」

「仕方ないよ。だってモデルがナコルなんだもん」

「それもそうね。ナコルが意味のある毎日なんて過ごしてないものね」


ナコルがやっていたことは弱い者をいじめることだけだ。

暇を持て余してやることがないからいじめに走ったのだ。

おかげでルイミンはとことんいじめられてナコル嫌いになった。

私もルイミンと同じぐらいナコルが嫌いだ。

だから、ファニ☆プラに戻って来たいと言っても受け入れるつもりはない。


「けれど、”ギャルズ”と比べたらストーリーがわかりやすかったですわ」

「それはナコルの実体験を盛り込んだからに違いないわね」

「それなのにここまで聴いてもナコルちゃんのパートがなかったです」

「どうせオーディションに落ちたのよ。ナコルのパートなんてない方がいいよ」


リリナの指摘は最もだ。

アーヤがナコルをモデルにしたのならばナコルに歌わせるものだ。

その方が感情を込めやすくなるからファン達にも伝わるだろう。

それなのにそれをしないところに何かしら思惑があるのだろうか。


いくら考えてもアーヤのすることだから私にはわからない。


「けど、たいした楽曲じゃないから安心したわ」


アーヤの自信たっぷりな態度はただのハッタリだったのだ。


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