第六話 緊急会議
村長の家に集まった男達の顔は沈んでいた。
長老でさえ暗い顔をして下を向いたままでいる。
ただ被害者の父親は怒り切っていて興奮している。
「これは忌々しき事態だ。娘のぱんつが奪われるなんて前代未聞だ」
「何かの間違いじゃないのか。今どきぱんつを奪うだなんて」
「何を言っているんだ。実際に娘はノーパンで帰って来たのだぞ」
「だからおしっこをした時に置いて来たかもしれないじゃないか」
「俺は娘にそんな躾はしてない」
「まあまあ、落ち着け」
被害者の父親があまりに興奮しているので見かねた他の男が止めに入った。
「だが実際にぱんつを奪われた幼女は5人もいるからな。これは偶然ではない」
「だから言ったろう。娘は変態にぱんつを奪われたんだ」
「変態かはともかくとしてあの森の中に誰かが潜んでいることは間違いないな」
「だが、土地勘のある者でないとあの森へは近づけないぞ」
「なら、村の誰かがやったってのか」
村人達はお互いの顔を知っていて親密な関係を築いている。
どこの家で赤ん坊が生まれたとか、名前は何だとか全て知っている。
だから、もし村の人間がやったのならばすぐにバレるはずだ。
「俺達の中に犯人なんているものか」
「そうだ。俺達はみんな家族のようなものだからな」
普通に考えても歪曲して考えてみても村人であるはずがない。
だってかくいう私が幼女たちから生ぱんつを奪ったのだから。
(何だか大事になっているわね)
私は村長の家の窓にへばりついて村人の会話を聞いていた。
「なら、それを証明してみせろ」
「お前は俺達の誰かがやったとでも思っているのか」
「俺は早く犯人を捕まえたいだけだ。でないと子供達が安心して遊べない」
「それもそうじゃな」
「長老」
それまで黙って話を聞いていた長老が徐に口を開いた。
見た目からして長老そのもので白髪で頭の前頭部が禿げ上がっている。
顎鬚は伸びに伸びきっていて仙人を思わせるような風貌だった。
「まずはここにいる者達が犯人でないことを証明するのじゃ」
「村長まで。俺達が犯人な訳ないだろう。俺達はみんな家族なんだぞ」
「いや、変態は近親間のある者をターゲットにするものだ。だから、この中に犯人がいてもおかしくない」
被害者の父親の言葉に村の男達はお互いの顔を見合わせて戸惑っていた。
村人達も信じがたい事実だったがお互いに疑いを持ちはじめる。
被害者の父親が言うように変態であればあるほど近親者を狙うからだ。
「お前じゃないのか」
「バカを言うな。俺がそんなことをするものか」
「家族持ちよりも独身者の方が怪しいな」
「女に対して経験値も少ないから幼女に悪い感情を抱きやすい」
「何だよ、その言い草は。それじゃあまるで俺達独身者が犯人みたいじゃないか」
いつの間にか家族持ちの男達と独身者の男達との間に溝ができる。
二つに分かれて疑念を言葉にしながらお互いを罵っていた。
(うわぁ……ケンカになってる。犯人は私なのに……)
私の心配とは裏腹に話の流れは悪い方向へ向かって行く。
「独身者は女に飢えているからな。幼女に目が向いてもおかしくない」
「それなら家族持ちのほうが怪しいだろう。家族を隠れ蓑に幼女を狙うなんてことも考えられる」
「そうだな。幼女に近い人間ほど幼女に興味を持ちやすいからな」
「バカを言うな。自分の娘と同じぐらいの幼女のことを求めるなんてことは断じてない」
話はひとり歩きはじめてとりとめもない状況に陥って行く。
それはこの場にいるものが村の男達ばかりだからだろう。
もし、この場に女がいたのならこうはなっていなかったはずだ。
男である以上、幼女に興味を持つ可能性は誰にでもあるのだ。
「これでは埒が明かないな。どうします、村長」
「とりあえずみんなの無実を証明するためにも身体検査じゃ」
村長はこの場にいる村人達が納得するような答えを出した。
もし幼女のぱんつを奪っていたらポケットに仕舞っていることが考えられる。
ぱんつを他の場所に隠していることも考えられるが事件が起こってあまり時間が経ってない。
だから、自分に一番近いところに隠し持っている可能性が高いのだ。
村人達の前でひとりずつ身体検査をされて行く。
ポケットの中をはじめ服の中、そしてズボンの中まで調べられた。
それは盗んだぱんつを履いている可能性も考えられたからだ。
変態であればあるほど普通の人間が考えないようなことをする。
幼女のぱんつを直履きすることで興奮を覚えるのだ。
村人達はお互いの身体検査をすまして一通り調べ終える。
「あとは村長だけです」
「何じゃと!ワシを犯人じゃと思っておるのか」
「これも村長の無実を証明するためです」
と言う流れで差別することなく村長も身体検査を受けた。
しかし、結果はハズレで誰も幼女のぱんつは持っていなかった。
「これで俺達の中に犯人がいないことがわかったな」
「はじめからそうだ」
村の男達はひとまず安堵の表情を浮かべる。
(私が身体検査されたらアウトだわ。幼女のぱんつは持っていないけど”ちょめリコ棒”があるからね)
あんないかにもって感じの道具を持っていたらすぐに怪しまれてしまう。
まあ、でも”ちょめリコ棒”は使う時にしか出て来ないのだけど。
「とりあえず犯人はまだ森の中に潜んでいることになるな」
「ならばみんなで森の中を捜索しよう。犯人を捕まえるまで安心できなからな」
「だが闇雲に森を捜索するのは危険だぞ。犯人は武器を持っているかもしれないからな」
「追い詰められた人間は何をするかわからない」
ただの幼女好きの変態であるならば問題ないが狂気を出して来たら危険だ。
村人達の手から逃れるためなら何でもするだろう。
「やっぱりここは冒険者を雇った方がいいんじゃないか」
「バカを言え。こんな辺境の地まで来るには時間がかかるんだぞ」
「その間に犯人に逃げられでもしたら意味がなくなる」
犯人が犯行におよんでから時間が経つたびに消息はつかめなって行く。
犯人の目的がすでに達成されているのならばなおのことだ。
幼女のぱんつを5枚も手に入れたのだからその可能性は高い。
欲を出して他の幼女のぱんつを狙っているのならば話は変わるが。
現段階では想像するにしか至らない。
「これはイメル村の問題だ。俺達だけで何とかしよう」
「そうだな。こんなことを他の冒険者に任せていたら俺達の威厳もなくなる」
「普段から女達にこき使われているから、ここで見返さないとな」
と言う感じに男達は意見をまとめてどうするのか決めた。
(何だか話は悪い方向へ向かっているわ。もし、森の中で犯人を見つけられなかったら視線が他へ向くわ。その先に私がいたら……考えただけでも恐ろしい)
私はガタガタと身を振るわせながら村人達の話に怯える。
「バラバラに森の中を探すのは効率が悪い。ここはローラー作戦ととるべきだ」
「ローラー作戦か。それもそうだな」
「人手は必要になるがその方が確実だ」
力のない村人ができる効率のいい方法がローラー作戦だ。
横一列にならんで適度な間隔を空けて調べて行けば逃げ道はなくなる。
それにもし途中で犯人に出くわしても村人が近くにいればなんとかなる。
「よし、ならばすぐにローラー作戦を実行しよう」
「長老もそれでいいよな」
「ああ、もちろんじゃ。女子供は家から出ないようにせよ。村の門は閉ざして誰も入れないようにするのじゃ。お主達は安心して森の調査をしてくれ」
長老がローラー作戦をまとめると村の男達は準備に取り掛かる。
家族のある者達は一旦家に戻って女と子供達に家の中に入っているよう伝える。
独身者の男達は武器とランプを持ち出して来て村の広場に集合した。
「あと数時間で日没だ。夜になれば危険性がいっそう高まる。覚悟はいいな」
「ああ。必ず犯人を捕まえて村の平和を取り戻すんだ」
村の男達は息まきながらお互いに気合を入れている。
その勢いは遠くで様子を眺めていた私にも伝わって来た。
(あーん、どうしよう。森に誰もいないことがわかったら……)
とりあえずしばらくの間はどこかに隠れていた方がいいわ。
行あてなんてないけど村人に見つからなければどこでもいい。
と言うことで私は昨日、泊まった馬小屋に身を隠した。
ここならば滅多に人は来ないし、馬も私を受け入れてくれるし。
ただ、食べるものがどこにもないから飢えをしのがなければならない。
(やーん。しばらく断食だわ。年頃の女子にはキツイけどダイエットだと思えば何とかできるわ)
キレイに痩せて誰もが羨む女子に変身するんだから。
今はちょめ虫だけれど……グスン。
そんな私とは裏腹に村の男達は森でローラー作戦を開始していた。
「よし、3メートル間隔で横一列に並ぶんだ」
「犯人がいても絶対にひとりで捕まえるなよ」
「わかってる。みんなで生け捕りだ」
村の男達は横一列に並ぶと森に生えている下草を棒で掻き分けながら進む。
膝丈の下草が生えているので身を隠せるようになっている。
だから時折、小動物が驚いて逃げて行く姿が目撃された。
「いないな。もう、どこかへ逃げたんじゃないか」
「まだはじまったばかりだ。気を抜くな」
不意に空を見上げると西の空が赤く染まりはじめている。
森の中に差し込んでいた太陽の光も段々と薄まって行く。
伸びる影は長く、夜の訪れを伝えていた。
ちょうど森の調査をはじめてから2時間経っていた。
進んだ距離は200メートルぐらいだが犯人の姿はない。
「よし、いったん止まれ」
「いったん止まれ」
「いったん止まれ」
リーダの村の男が声をかけると村人達は同じ言葉を繰り返して伝えて行く。
それはまるで木霊が返って来ているかのような光景を想像させた。
「もうすぐ陽が暮れる。これからは危険度が増す。ランプをつけて注意しながら調べるんだ」
「ランプを点けろ」
「ランプを点けろ」
村の男達は命令通りランプを点けると高く掲げて合図を送った。
「なら、はじめるぞ」
「はじめるぞ」
「はじめるぞ」
リーダーの合図を受けて村の男達は森の中の調査を再開した。
森の中を周知している村の男達ど言えども夜の森は危険だ。
視界が奪われるばかりではなく、方角さえもわからなくなってしまう。
今はみんなで横並びにいるから迷うことはないがひとりだったら無理だ。
だから、村人達は夜の森へは近づかない。
「おい、いたか?」
「いない」
「こっちもだ」
夜が訪れるのは早くてすっかり森の中は闇で染まっていた。
森の中に点々と灯っているランプは通りに並ぶ提灯のようだ。
その光を見ている限りでは誰ひとり欠けてはいない。
遠くからでも様子がわかるように何かあったらランプを大きく回すよう合図を決めていた。
「やっぱりもう、森から逃げたのだろうか」
「そうだな。犯人にとっても夜の森は危険だからな」
だが、森の中を最後まで調べるまで気を抜くことはできない。
もし途中で諦めてしまえば犯人が潜んでいたことを見逃すことになってしまうからだ。
一度調査をはじめた以上、途中で投げ出すことはできないのだ。
それから村の男達は途中で休憩をとって簡単な食事をすませると調査を続けた。
夜通し森の調査が進められて村の男達が戻って来たのは次の日の朝だった。
「どうじゃった?」
「見つからなかった。人の気配すら感じられなかった」
「やっぱりもう森から逃げ出したのじゃろう」
「ちくしょう。これじゃあ村が危険なままだ」
犯人を捕まえることができなければ村は危険にさらされたままだ。
村の近くに犯人が潜んでいるかもしれないからだ。
もし、そうであれば次の被害者が出ることにもなる。
大人達が目を光らせてれば大丈夫かもしれないが全ての子供達を見守っていることはできない。
「とりあえず村の警備は高めておくのじゃ。けっして村人以外の者を村に入れるでないぞ」
「村にやって来る行商人達はどうするんだ?」
「ひとりひとりに監視役をつけるのじゃ。ワシらが目を光らせていればおかしなことはできないはずじゃ」
村人達は村長に言われた通りイメル村の警備を強化させた。
村の入口の門の警備兵を2倍にして村に出入りする者を監視する。
荷物検査も強化して変なものが村の中に入らないようにした。
子供達も森に近づけさせないようにした。
森の中の安全が確保されたからと言っても再び犯人が戻って来るかもしれないからだ。
犯人が捕まるまでは安心して眠れない。
それはイメル村の村人達全員がそうだった。
その頃、私は馬小屋の中で朝を迎えていた。
この前のような馬のモーニングコールはなかった。
おかげで悪夢を見ることはなかった。
ただ、お腹が空き過ぎで大食いしている夢を見た。
(あーん。いつまで断食をしていればいいのよ。お腹空いた)
鶏小屋に足を向けてみたが卵泥棒とみなされて攻撃された。
なので鶏小屋の前を通る度に鶏から威嚇されてしまう。
まあ、脳みその小さい鶏だから仕方ないのだけど。
家畜達のエサまで食べてみようと思ったが私のプライドが邪魔をした。
もし家畜と同じエサを食べてしまえば私も家畜クラスに落ちてしまうからだ。
どこまで落ちぶれたとしても家畜クラスにはなりたくない。
私はカーストの最上位にいなければならない尊き者なのだ。
(とりあえず村の様子を確認するがてら食べ物を探しに行くわ)
夜も明けたのだから村人達も落ち着いているかもしれない。
森の中に犯人がいるわけでもないのだし諦めたはずだ。
しかし村の様子は違っていた。
空気がピリピリと張り詰めていて妙な緊張感がある。
歩いている村人達の顔も固く、何かに怯えているかのようだ。
外で子供達も遊んでいるが村の外へ出て行く者はいない。
(うぅっ……この緊張感。体に悪いわ)
私の心にもジンジンと伝わって来て不安な気持にさせた。
地震でも待っているかのように村全体が妙な緊張感に包まれている。
普通に呼吸をするだけでも空気が肺に入って来なくて咳き込んでしまう。
(だめだわ……私には耐えられない)
もとを言えば私が幼女をターゲットにして生ぱんつを奪ったことが原因だ。
ちょめジイが幼女をカワイ子ちゃんと認めるからついぱんつを盗ってしまったのだ。
それがこんな状況になるなんて考えもしなかった。
”後悔先に立たず”だが後悔せずにはいられない。
(ねぇ、ちょめジイ。彼女達にぱんつを返してあげようよ。そうすれば落ち着くわよ)
(一度、”ちょめリコ棒”に入ったぱんつは取り出せん。じゃから返すことはできんのじゃ)
(なら、ちょめジイはどうやってカワイ子ちゃんの生ぱんつを手に入れるの?)
(それは秘密じゃ)
ふと浮かんだ私の疑問にちょめジイは否定をする。
秘密と言うぐらいなのだからきっと簡単に取り出せるのだわ。
でなければ何のために”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を集めたのかわからないもの。
もう、すでに”ちょめリコ棒”の中には生ぱんつはないのだわ。
そしてきっとちょめジイの部屋に飾られてあるはずだ。
(でも何でちょめジイは”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”が欲しいわけ?)
(それは”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”には男のロマンがいっぱい詰まっておるからのう。男ならばみんな好きなのじゃ)
(やっぱり。私を元の姿に戻すのも嘘なんでしょう)
(それは本当じゃ)
(……信じられないわ)
きっと私を丸め込んで”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を集めさせるだけなんだわ。
私を日本からこの世界に召喚できるぐらいの力があるのに私を元に戻せないはずはないわ。
(お主が信じようが信じまいがワシには関係ない。その代りちょめ虫は1000年生きるからな)
(いいわよ。”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を集めればいいのだから)
(おっ、素直じゃな。やっぱり人間は素直が一番じゃ)
とりあえず今はちょめジイに従っておこう。
あまり反発してばかりいると本当に見放されてしまうからね。
ご機嫌をとって気持ちよくさせればお願いも聞いてくれるはずだ。
今はちょめジイしか頼れないし、とことんヨイショするのだ。
(けど、どうしようかしら。村がこんな状態だと何もできない)
(犯人が捕まるまではこんな状態じゃろうな)
(いっそうのこと他の誰かに責任を押しつけちゃおうか)
(それはいいがどうするのじゃ)
要するにまた幼女のぱんつを奪って他の誰かの家に置いておくのだ。
そうすればその人が犯人になるから一石二鳥だ。
まあ、無実の人に責任を押しつけることは気が引けるが仕方ないこと。
(フムフム。お主は悪魔じゃな)
(ちょめジイに言われたくないわ)
ちょめジイの場合は悪魔と言うより超ド級の変態ロリコンジジイだけど。
(じゃが、ぱんつはどうやって取り出すのじゃ。いったん”ちょめリコ棒”に入ったら取り出せんぞ)
(それはちょめジイが秘密を教えてくれればいいだけだわ)
(ムムム……ワシに片棒を担がせるつもりか)
(これもみんな”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を集めるためなの。協力してちょうだい)
ちょめジイとしてはそう簡単に手のうちを明かしたくないのだろう。
すぐには返事をせずに難しい顔をしながら悩んでいる。
秘密がバレれば私が”ちょめリコ棒”からぱんつを取り出してしまうから心配しているようだ。
(どうする?)
(……止めておくのじゃ)
(何よ、ここまで来て断るつもり)
(お主に弱みを掴まれたら何をされるかわからんからな)
さすがはちょめジイだわ。
伊達に年は取っていないようね。
ちょめジイが心配しているように私はちょめジイの弱みを掴もうとしていた。
ちょめジイと対等な立場になるにはちょめジイの弱みを知ることが必要なのだ。
(なら、しばらくの間は”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”はおあずけだからね)
(ムムム……それも困るのう。仕方がないお主に別の力を与えてやろう)
(別の力って何よ)
私が疑問符を抱いていると私の足元に魔法陣が描かれる。
そして眩く光り出すと私の体は光に包み込まれて行った。
(何をしたの?)
(お主に擬態の能力を付与したのじゃ)
(擬態ってカメレオンみたいなこと?)
(そうじゃ。お主の姿は目立つからな。周りの景色に同化すれば人目を気にせずに街を歩ける)
それは歓迎するべき能力だ。
いちいち木陰に身を隠さないといけなかったから苦労していた。
でも、これで堂々と人目を気にせずに歩くことができる。
(ちょめジイ。ありがとう)
(これも”カワイ子ちゃんの生ぱんつ”を手に入れるためじゃ)
でも、ちょめジイにそんな能力があったとは驚きだ。
モノを召喚させる能力しか持っていないと思っていたからだ。
案外、私がピンチな状態になれば他の能力も付与してくれるかもしれない。
(何だか、ちょめジイの弱点を掴んだようね)
(なんの話じゃ?)
(べ、別に何でもないわ)
と言うことで私は新しく擬態の能力を手に入れた。