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第百三話 えっちなみらいぱんつ①

季節限定のブルーベリーたっぷりのダブルクリームのシュークリームは想像以上の美味しさだった

程よいブルベリーの酸味と甘いカスタードクリームがマッチして口の中を幸せにする。

おまけにシューは外側がカリカリで中はモチっとしているので食感も楽しめた。

今度、来るときはミク達を連れて来ようと思う。

きっと飛び上がって喜んでくれることだろう。


「ちょめちょめ」 (お土産まで悪かったわね)

「いいよ、そのぐらい。ちょめ助と再会できたお祝いのプレゼントよ」

「ちょめちょめ」 (ミク達の満面の笑みが思い浮かぶわ)

「ちょめ助って、意外と優しいのね」


ルイミンに本当の私を知ってもらえたのでよかった。

ただの”ぱんつ集め虫”だと思われていたら悲しい。

まあ、ルイミンに知られていないから問題ないが。


「ちょめちょめ」 (さて、リリナちゃんのパートナー候補を探すか)

「あてはあるの?」

「ちょめちょめ」 (ないわよ。だけど、王都は広いから誰かしらと出会うでしょ)

「いい加減さがちょめ助らしい」

「ちょめちょめ」 (いい加減は好い加減とも言うからいいのよ)

「口だけは達者だね」


ルイミンはちょっと呆れたような顔をしながら私を見た。


私の口が達者なのは母親ゆずりだ。

母親はああ言えばこう言うタイプだから喋りが止まらない。

おまけに所かまわず屯しているから近所では目立っていた。

そんな母親の姿が恥ずかしくて親子であることを隠したこともある。

とかく14歳と思春期だから何かと気になったのだ。

今は母親がいないので快適だ。


「ちょめちょめ」 (とりあえず人が多そうな大通りを中心に探すわよ)

「なら、そこを右に曲がると大通りに出れるよ」


私とルイミンは喫茶店を後にして人がいる大通りへ向かった。


大通りは休日のの昼間だから多くの人が行き交っている。

王都在住の人や他の街から来た人達も多く集まっている。

この通りは繁華街なのでいっそうと賑わいをみせていた。


「ちょめちょめ」 (いっぱい人がいるわ。ここなら見つかりそうね)

「そうかな。人が多いだけでカワイイ子がいるとも限らないよ」

「ちょめちょめ」 (ルイミンは心配症ね。これだけ人がいればすぐに見つかるわ)

「だといいけどね」


とりあえず私とルイミンは大通りの真ん中に立ってカワイイ子を探すことにした。

人が流れているのだからその中に身を置けば歩き回るよりも効率がいい。

我ながらいいアイデアを思いついたので、ひとり誇らしげにしていた。


しかし、人は多く流れて行くがなかなかカワイイ子は見つからない。

人の密度が高ければカワイイ子と出会える確率も上がると思っていたがそうでもなかった。


「ちょめちょめ」 (おっかしいな)

「だから言ったじゃん」

「ちょめちょめ」 (まだ、探しはじめて5分もしていないわ。その内、出会えるわよ)

「別の場所にした方がいいと思うけどな」


私は目を見開いて見逃さないように行き交う人の流れを見つめる。

もし、ひとりでも見逃してしまえば今までの苦労も台無しだ。


ただ、目を見開いていると目玉が渇いてカピカピして来る。

時折、瞬きをしているが、それでも乾燥には敵わないようだ。


「ちょめ助、目が真っ赤だよ」

「ちょめちょめ」 (気にしない気にしない)

「少し休んだら」

「ちょめちょめ」 (休んでいる間にカワイイ子が行ってしまったらもったいないわ)

「その前にちょめ助がダウンしちゃうよ」

「ちょめちょめ」 (お気づかい、ありがとう。でも、私は頑張るわ)


ルイミンは不安げな顔をしながら私の身を案じてくれるが私はカワイイ子探しを続けた。


それから1時間ほど粘ってようやく念願のカワイイ子を見つけることができた。


「ちょめちょめ」 (ルイミン、見つけたわよ)

「どこどこ」

「ちょめちょめ」 (あそに歩いている赤い帽子を被った子よ)

「あっ、見つけた」

「ちょめちょめ」 (行くわよ)

「待って」


私達は人ごみを掻き分けながら赤い帽子を被っていた少女の前に立ちはだかる。


「ちょめちょめ」 (あなたに聞きたいことがあるんだけど)

「え?なになに?」

「怖がらなくてもいいよ。ちょめ助は怪しい虫じゃないから」


赤い帽子を被った少女は私を見て目をぱちくりとさせている。

ちょめ虫をはじめて見たから驚いていたのだろう。


「ちょめちょめ」 (ルイミン、通訳をお願い)

「わかった」

「ちょめちょめ」 (あなた、アイドルにならない)

「アイドルをやってみない」

「アイドル?私が?」

「ちょめちょめ」 (そうよ。ビジュアル的には合格よ)

「カワイイから十分にアイドルになれるよ」

「カワイイ?まあ、よく人から言われるけどね」


私もといルイミンが褒めたので赤い帽子を被った少女は機嫌をよくする。

カワイイと言われて嫌がる女子はどこの世界を見渡してもいない。

ルイミンはそのことを心得ているようで私の言葉をうまく変換してくれた。


「ちょめちょめ」 (どう?やってみる?)

「あなたさえよければアイドルにしてあげるよ」

「でもな。私、この街に住んでいないから」

「えっ、旅行客なの?」

「そうよ。王都の北にあるグラムの街から来たの」


さすがに他の街に住んでいる子をアイドルにさせることはできない。

私達は赤い帽子を被った少女を諦めて他のカワイイ子を探すことにした。


「ここは効率が悪いから若い子向けのショップがある通りに行こう」

「ちょめちょめ」 (そんな場所があるの。なら、早く言ってよ)


気の利かないルイミンのせいで無駄な時間を過ごしてしまった。

だけど、次の場所では数多のカワイイ子と巡り会えるはずだ。


私はルイミンに連れられて若い子向けのショップが並んでいる通りへやって来た。


「ここよ」

「ちょめちょめ」 (うわぁ~、すごい人。まるで原宿ね)

「原宿って?」

「ちょめちょめ」 (私のいたところの街の名前よ)

「ふ~ん。初めて聞いた」

「ちょめちょめ」 (そんなことよりカワイイ子探しよ)


圧倒的大多数は10代でちらほらと20代が歩いている。

しかも女子の割合が9割とほぼ女子高状態だ。


「どの子に声をかける」

「ちょめちょめ」 (そうね。あそこでお喋りしている二人組にしよう)


私が目をつけた女子はショップの前でお茶をしている。

どこかのショップで買ったドリンクを手に持っていた。


「アイドルに興味ありますか?」

「アイドル?」

「あれじゃない。セントヴィルテール女学院でやっているアイドル部のことよね」

「ちょめちょめ」 (そうよ、それ。話が早いわ)


勘のいい女子はルイミンが言わんとしていることに気づく。


「そう。そのアイドル部」

「もしかして勧誘?」

「悪いわね。私達、セントヴィルテール女学院の生徒じゃないのよ」

「ちょめちょめ」 (えーっ、学校が違うの。ダメじゃん)

「学校が違くてもいいの。アイドルになってみないかと思って」

「えーっ、私達がアイドル」

「考えられない」

「ちょめちょめ」 (もっと自分に自信を持って。十分にポテンシャルは持っているから)


ルイミンと二人組の女子の話に混じって私も会話に加わる。

だけど、”ちょめちょめ”としか言えないので相手にされなかった。


「ねぇ、さっきから変なのが煩いんだけど」

「ちょめちょめ」 (変なのとは何よ。こう見えても私は元美少女よ)

「ちょめ助のことは気にしないで。で、どうかな」

「ごめんね。私達、軽音楽部に入っているのよ。だからアイドルにはなれないわ」

「そうなんだ」

「ごめんね」

「ちょめちょめ」 (兼任でもいいわよ。アイドルをやろう)

「ちょめ助、もう諦めよう」


私が必死に食い下がってみたがルイミンはスカウトを諦めた。


「ちょめちょめ」 (ルイミン、やる気はあるの。そんなことじゃスカウトなんてできないわよ)

「しょうがないじゃん。他の学校の生徒で軽音楽部に入っているんだから」

「ちょめちょめ」 (アイドル候補に垣根はないわ。ビビビときたら強引にでもねじ伏せるの。それがプロスカウトマンよ)

「私プロスカウトマンじゃないもん」


ルイミンはブツブツ文句を言っていたが私達は片っ端からカワイイ子をスカウトした。

しかし、どの子も他の部活をやっていてアイドルにはなれないと言って断って来た。

試しにリリナちゃんの名前を出してみたが知っていると言うだけでOKは出してもらえなかった。


「ちょめちょめ」 (十分なルックスを持っているのにアイドルになりたくないなんて贅沢だわ)

「カワイ子がみんなアイドルになりたいと思っている方がおかしいよ」

「ちょめちょめ」 (アイドルになりたいじゃないの。私達がアイドルにさせるのよ。わかってる)

「わかってるよ」

「ちょめちょめ」 (アイドル候補生が見つからなかったらリリナちゃんが困るんだからね)


私は通りの隅でルイミンを叱っていると背後から声をかけられた。


「ねぇ、あなた。アイドルのスカウトをしているんだって」

「私達がアイドルになってあげるわよ」

「ちょめちょめ」 (えっ!ほんと!やったー……って、ブサ子じゃん)


振り返ると目の前にいたのは顔面3点のブサ子達だった。

おまけに体形はでっぷりとていて、おデブと言う言葉が相応しい。

顔と体形を合わせても5点にも満たないブサ子がアイドルなんでおこがましい。

私はすぐに断りを入れた。


「ちょめちょめ」 (あなた達みたいなブサ子はお呼びでないのよ。あっちへ行きなさい。シッシッ)

「ちょめ助。それも訳すの?」

「ちょめちょめ」 (あたり前じゃない。こう言う勘違い野郎にははっきりと言わないとダメなの)

「ごめんね。もう、アイドル候補は見つかったんだ」

「そうなの。残念」

「あ~ぁ、私もアイドルになってキャーキャー言われてみたかったな」

「ちょめちょめ」 (あなた達がステージに立ってもギャーギャー言われるのがオチよ)


どの世界でもブサ子がアイドルになってはいけない。

人にはそれぞれに相応しい役割と言うものがある。

アイドルになれるのはカワイイ子だけで、それ以外はダメなのだ。


ブサ子にはブサ子を必要としてくれる人たちのところに行けばいい。

そうすれば悲願のキャーキャー言われる体験をできるだろう。


「ちょめちょめ」 (ルイミン、場所を移動するわよ。ここは変なのが引っかかるからね)

「えーっ、また~ぁ」

「ちょめちょめ」 (これもみんなリリナちゃんのためなのよ。我慢しなさい)

「で、どこへ行くつもり?」

「ちょめちょめ」 (私よりルイミンの方が王都に詳しいから任せるわ)

「また、丸投げ」


ルイミンは人聞きの悪いことを言いはじめる。

私がこれまでにルイミンばかりを働かせていたように聞こえてしまう。

しかし、けっしてそんなことはないのだ。


そもそもこの問題を持って来たのはルイミンだ。

私はルイミンの力になってあげているに過ぎない。

だから、私は悪い人ではなく良い人なのだ。


「ちょめちょめ」 (違うわよ、ルイミン。あなたに花を持たせてあげてるだけ)

「なら、私が決めていいんだね」

「ちょめちょめ」 (どこか心あたりがあるのね。任せるわ)

「じゃあ、セントヴィルテール女学院にする」

「ちょめちょめ」 (えーっ!)


ルイミンが予想もしていなかった言葉を吐いたので私は固まってしまう。


セントヴィルテール女学院と言えば少し前に”ぱんつ”を盗りに行ったばかりだ。

あの後で”ぱんつ消失事件”なんて通り名がついて歩き回っている。

まだ、犯人が捕まっていないから噂話がひとり歩きしている状態だ。


何を隠そう私が犯人なのだけど犯行を見られた訳じゃない。

だから、私がセントヴィルテール女学院に行っても問題はない。

ただ、気持ち的にしばらくの間はセントヴィルテール女学院に近づきたくないのだ。


だから――。


「ちょめちょめ」 (他の場所にして)

「なんで?セントヴィルテール女学院にはカワイイ子がたくさんいるのよ」

「ちょめちょめ」 (それでもダメ。事件のあったようなところには行きたくないわ)

「ちょめ助も知っていたんだね。あの事件以来、生徒はブルマーを履くようになったのよ。ほら、私も履いているよ」


そう言ってルイミンは恥ずかしげもなくスカートを捲ってブルマーを見せる。


これはこれでマニアが喜びそうだ。

とかく変態教師、湯水は涎を垂らしているだろう。

ふいに湯水先生の顔が思い浮かんだので素早くかき消した。


「ちょめちょめ」 (世の中にはブルマー好きの変態がいるから気をつけなさいよ)

「ぱんつみたいだけどぱんつじゃないから恥ずかしくなんてないよ」

「ちょめちょめ」 (そう無防備にしていると変態から狙わるわよ)

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。私だけじゃないし」


まあ、ルイミンがそう言うならこれ以上の心配は無用だ。

どうせブルマーを履いていても脱がされて盗られることなどないのだから。

”ちょめリコ棒”を使えば簡単だけど私は変態じゃないからしないのだ。


「ちょめちょめ」 (それより他にないの)

「学院がカワイイ子と出会える確率が一番高いんだけどな」

「ちょめちょめ」 (学院以外でお願い)

「そうだな……」


ルイミンは腕組みをして難しそうな顔をしながら考え込む。


……。


……。


「ちょめちょめ」 (ちょっと、いつまで考えているのよ。もう、30分も経ったわよ)

「ごめんごめん。なかなか思いつかなくてね」

「ちょめちょめ」 (わかったわよ。カワイイ子の縛りはなしにして女子がいっぱいるところを教えて)

「なら、ファンシーショップかな」


王都のファンシーショップは以前にミク達と行ったことがある。

あの時はミクの部屋から店内へ転移したから場所はわからない。

ただ、ほぼ女性客ばかりだったことを覚えている。


「ちょめちょめ」 (とりあえずそこへ行くわよ。案内して)

「こっちだよ。ついて来て」


私はルイミンの案内で王都にあるファンシーショップへ向かう。

その道の途中で大きな公園の前を通ると多くの人だかりができていた。


「ちょめちょめ」 (何、この人だかり。もしかしてリリナちゃんが路上ライブをしているの)

「そんなことないと思うよ。リリナちゃん、何も言ってなかったし」

「ちょめちょめ」 (ハンドメイドマーケットでもやっているのかな)

「なんか面白そう。行ってみようよ」

「ちょめちょめ」 (そうね。お宝が眠っているかもしれないしね)


もちろん私が言うお宝と言うのはカワイイ子のことだ。

ここでハンドメイドの作品のお宝を見つけても何ら意味がない。

少しは価値があっても問題の解決にはつながらないからだ。


私とルイミンは違う思いを抱きながら公園の中へ入って行った。


「何の集まりかな」 

「ちょめちょめ」 (ルイミン。よく見えないから肩車して)

「えーっ、私がするの?」

「ちょめちょめ」 (あなたしかいないじゃない)


ルイミンはブツクサ文句を言いながら私を頭の上に乗せた。


「どう?見える?」

「ちょめちょめ」 (もうちょい前へ行ってくれる)

「全然、動けないよ」

「ちょめちょめ」 (もう。役に立たないわね)

「そんなに文句を言うなら、ちょめ助だけ向こうへ行けばいいでしょう」


そう声を荒げながらルイミンは私の頭を鷲掴みして前の方へ放り投げた。


「ちょめ~」 (うわぁ~)


私の体は宙で一回転して中央にある開けた場所に頭から落ちた。


ズボッ。


「ちょめちょめ」 (何も放り投げることないじゃない)


私は体を捩って弾みをつけるとひらりと一回転して地面に着地した。


「ちょめちょめ」 (全く、私のキレイな顔が台無しだわ……って)


ブツクサ文句を言いながら顔を上げると目の前に人の壁が競り立った。

辺りを見回してみても人の壁が競り立っていて逃げ道を塞いでいる。

それはまるで”進撃の小人”に登場する街みたいな光景だ。


私は呆気にとられながら立ち尽くしているとカメラのフラッシュが光りはじめた。


「ちょめちょめ」 (うっ、眩しい。私がいくらカワイイからってカメラのシャッターを連射するのはダメよ)

「ちょめ助。そんなところにいると邪魔よ」

「ちょめちょめ」 (へ?)


人ごみから顔を出してるルイミンに注意されて何気に後ろを振り返る。

すると、予想もしていなかった美少女がキレイな衣裳を身に着けて立っていた。


「ちょめちょめ」 (うわぁぁぁぁ、すごっ)


美少女はカワイイと言うより色気のある大人びたセクシーな美少女だった。


ほっそりとした長い手足のうえ、肌が白くてスベスベしているように見える。

大胆にもお腹が出ている衣裳でくびれた腰とキレイなおへそがセクシーだ。

おまけに出ているところは出ているから余計におとな女子に見えた。


「ちょめちょめ」 (世の中にも、こんなキレイでセクシーな女子がいるのね)

「ちょっと、ちょめ助。セレーネさんの邪魔をしちゃダメだよ。こっちへ来て」


慌てた様子でルイミンが人ごみから飛び出してくると私を抱きかかえる。


「ごめんなさい、セレーネさん。すぐにどきますから」


そうセレーネにペコペコ頭を下げて逃げるように元の場所に戻って行った。


「ちょめちょめ」 (ねぇ、ルイミン。セレーネって誰?)

「知らないの?セレーネさんはコスブレ部のエースよ」

「ちょめちょめ」 (コスプレ部?)

「そう。コスプレ部の部長もやっているんだから」


私が引っかかったのはコスプレ部ではなくセレーネと言う名前だ。

以前にどこかで聞いたことのある名前だったから気になったのだ。


「ちょめちょめ」 (ふ~ん。レイヤーか……)

「何を考えているの、ちょめ助?」

「ちょめちょめ」 (いやなに。相性がよさそうだなと思ってさ)

「もしかして、セレーネさんをスカウトするつもりなの?」

「ちょめちょめ」 (いいと思わない?汚れの知らない美少女と色気のある美少女の組み合わせ)

「無理だよ。セレーネさんがOKを出す訳ないわ」

「ちょめちょめ」 (そこを説得するのが私達の仕事よ。カワイイとセクシーの融合なんてワクワクしない?)

「セレーネさんはコスプレに命をかけているのよ。アイドルになんてならないわ」


ルイミンはそう言うが実際に話してみないとわからないものだ。

もしかしたらアイドルに興味を持って誘いに乗って来るかもしれない。

アイドルもある意味、コスプレをしているから姉妹のような関係だからだ。


「ちょめちょめ」 (ルイミン。セレーネに決めたわ。セレーネ以外に考えられない)

「えーっ、無理だって。やめようよ」

「ちょめちょめ」 (気合を入れなさい。これは決定事項なの)

「もう。いつも自分勝手なんだから」

「ちょめちょめ」 (仕方ないじゃない。これもリリナちゃんのためよ)

「そうやってすぐに逃げる。私は嫌だからね」


ルイミンは不満そうに頬を膨らませてブー垂れ顔を見せる。

ブサ子だったらすぐに殴っているところだがルイミンはカワイイのでセーフだ。

やっぱりブー垂れ顔はカワイクないと似合わないのだ。


「ちょめちょめ」 (ルイミン。コスプレイベントが終わったら動くわよ。準備しておいて)

「本当にセレーネさんをスカウトするの?」

「ちょめちょめ」 (ちょめ虫に二言はないわ)

「もう」


と言うことで私とルイミンがコスプレイベントが終わるまで待つことにした。

ただ待っていると暇なので他のレイヤーの様子を見ることも忘れない。

おかげで十分にコスプレイベントを堪能できた。


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