第一話 出会い
処女作です。よろしくお願いしますm(_ _)m
「じゃーねー」
放課後の教室のベランダから一人の生徒が落下した。
望月隼人。それが生徒の名前だった。
生まれつき脚が麻痺していて車椅子生活を送っていた。
母親からは毎日「ごめんねごめんね」と謝罪されるも隼人はこの生活を受け入れていた。
「行くぞー」
幼馴染の恵美は男勝りな性格だが献身的に隼人に尽してくれ、クラスメイトも理解を示してくれていた。この時までは…
原因は嫉妬だった。中学生になりクラスメイトも変わり恵美を好きなクラスメイトが隼人をベランダから落とした。
「なんでお前なんかが!お前がいるから…」
地面に落下し隼人の顔は激痛で歪む。
「じゃーねー」
意識が朦朧とする中、クラスメイトはそう言って去っていった。
(痛い、俺死ぬのかな)
隼人の脳内には今までの人生、14年間の出来事が現れては消えていった。
(これが走馬灯ってやつか)
隼人は笑った。自分への嘲笑を含ませて。
「恵美は…悲しむかな?バカだなんて言いそうだ」
(意識が…もう)
隼人の目の前は真っ暗になった。
「…い、…ないの」
ガブリッ
「痛え!?」
「やっと起きたかバカたれ」
目覚めた隼人の上には幼女が居た。
「ここどこだ!?俺死んだんじゃ」
「おーおー、うるさいのぅ。せっかく助けてやったのに。ま、もう戻れんが」
幼女はケラケラと笑う。
「誰だお前!なんで乗ってんの!?」
「我か?そうじゃな、神とでも言っておこう」
隼人は呆れた。
「神だって?いやいやないない」
「ほう?それではお前の脚を見てみるがよい」
隼人は自分の脚を見て、そして動かした。
「はっ、ええええええええぇ!」
生まれてから自分では動かせなかった脚が動いた。
隼人はガバッと幼女の顔を見た。幼女はふふんと勝ち誇った顔をしている。
「まだ完全ではないがの。ご褒美みたいなもんじゃ。それと」
幼女が隼人の上から降りると幼女の姿が変化した。
「このとおり姿を変えることも出来る。あぁ…名を言っていなかったか。私はレイ、ヴァンパイアだ」
大人の女性になったレイに隼人は空いた口が塞がらなかった。
「さて、お前の名も教えてもらおうか」
「あ、あ、あ」
「やれやれ、この程度で驚いてもらっては困るのだがな、ハヤト」
ゴクリと生唾を飲む隼人。
「そう怯えるでない。ハヤト、お前の好きなものはなんだ」
隼人は声を震わせながらゲームと答えた。
「そうか。ハヤト、外を見てみろ」
レイは笑みを浮かべながら言った。
「これは…」
そこには、様々な種族がいた。獣人、エルフ、ヴァンパイア、ドラゴン。
「信じられんかの?この世界ではゲームが全て。勝者だけが絶対の世界。お前のゴミのような世界とは違うぞ」
「はは、何だこれ」
「ハヤト、お前の人生はここから始まるんじゃ。我と共にこの世界を楽しまないかの?」
いつの間にか幼女に戻ったレイは隼人を誘った。
ハヤトは
「すげぇな、これが異世界。ははっ、良いよやってやる!」
そうだここから。人間とヴァンパイアのバディの物語が始まる。