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39話 進化?のこと

進化?のこと




「いい天気でよかったね、おじさん!」


「そうだなあ・・・斑鳩さん、狭くありませんか?」


「いいえ、大丈夫ですよ」


「わふ!」


以前より若干広くなった車内は、それでも賑やかだ。



現在俺は、新たな軽トラと共に道をひた走っている。

行先は硲谷だ。


新車の慣らし運転も兼ねて、硲谷にある斑鳩母娘の荷物を取りに行く最中である。

恐縮されたが、どうせ慣らしはせねばならんしなあ。

いきなり市街へ突入して、不測の事態に巻き込まれたら困る。


「おじさん!綾おねーさんがむっちゃパッシングしてくるんだけど・・・」


「気にしないで、いつものことだから・・・」


「へ、へえ・・・」


バックミラーで確認すると、緑色の軽トラがパッシングを繰り返している。

運転席に座るのは後藤倫先輩。

・・・いい笑顔だこと。

助手席に座る神崎さんは、ここからでも見える程苦笑いを浮かべている。


ライスセンターにあった大量の軽トラから、俺達は1台ずつ回収して帰った。

足は多くある方がいいしな。

今は大丈夫だが、誰かに持っていかれないとも限らない。

状態のいいものは手元に置いておきたいからな。

・・・元の持ち主は残らず黒ゾンビの腹の中だと思うし、うん。

ちなみに後藤倫先輩は前述の通り緑色、七塚原先輩は黒色の軽トラを選んだ。

今回は七塚原先輩はお留守番・・・というか、原野を巴さんとドライブしつつ慣らし運転をしているはずだ。

別行動だが、ぶっちゃけ俺達南雲流3人の中ではダントツの戦闘力を持つ先輩だから全然心配してないけども。


「ねーねー、おじさん。ナナおじさんと綾おねーさんの他の先輩ってまだいるんだよね、どんな人?」


硲谷まではまだかかるからか、璃子ちゃんが聞いてきた。

ふむ、残りね・・・六帖先輩か。


「六帖先輩だね、いい人だよとっても。南雲流の中で一番おとなしい人じゃないかなあ・・・一番年上でもあるし」


「・・・ほんとぉ?」


懐疑的な視線が突き刺さる。

南雲流への風評被害が酷い・・・いや、まあそうか。


「ほんとだよ、六帖先輩はとっても穏やかで優しい人なんだよ。大学の助教授だし、頭もとってもいいしね」


「うっそ!?・・・なんかおじさんたちからの印象とは真逆なんだけど!?」


その気持ちはよくわかる。

南雲流の大半は脳筋で構成されているからな。

・・・師匠含め。


六帖先輩、元気にしてるかなあ・・・他県の大学勤務だから、ここにはいないだろうけど。

なお、体の心配は全くしていない。

俺でも生き残れてるんだから。

師匠直々に、南雲流槍術免許皆伝を言い渡された先輩が死ぬはずがない。


「ねえねえ、どこの大学?」


「伏龍大学だよ、そこで考古学を教えてるんだ」


「えーっ!?私の第一志望だよ!」


はえー、璃子ちゃんまだ中学生なのにそんなところまで考えてるのか・・・

さすが御神楽高校附属中学校・・・考えてみれば高校は決まってるから、その先を考えるものなのかな?


「さっすが進学校・・・これは斑鳩さんも安心ですなあ」


「いえそんな・・・それに、この騒動が終わらないとそれどころじゃありませんからね・・・」


ごもっともである。

まあそこは我々小市民には手も足も出ないので、政府とかそこらへんに頑張ってほしいものだ。


「そうだよね~、また学校に通えるのはいつになるのかなあ・・・っていうか再開するのかなあ」


「大丈夫大丈夫、こんなのでどうにかなるほど人間は弱くないよ・・・なあサクラ」


「きゅん!」


以前の軽トラにはなかった、背中の収納スペースを探検していたサクラが返事する。

ふふふ、いいだろうサクラ・・・前より広くなったぞ!

若干キャビンが大きくなった影響で、ハンドル捌きに違和感があるけどもう慣れてきた。

燃費もさほど変わらないし、これはいい軽トラだぞ。

ガソリンは高柳運送の備蓄や、原野のガソリンスタンドがあるし・・・俺達3台なら楽勝で運用できそうだ。

街中には山ほど放置車両もあるしな!


「あ、おじさんそこ右ね!その先を真っ直ぐ!」


「アイアイサー、っと」


もう近くまで来ているようだ。

さて、どうなっているかな?



「懐かしの我が家だよ、おじさん!」


「よかった・・・荒らされてはいないようです」


璃子ちゃんはどこか誇らしげに、斑鳩さんはほっと胸を撫で下ろして言った。


目の前には、3階建ての豪邸・・・とまではいかないが、立派なおうちがある。

翻訳家って儲かるんだなあ・・・俺の家よりだいぶ立派じゃないか。

庭も綺麗に整っているし、手間暇かかってるなあ・・・


「素敵なおうちですね、田中野さん」


「家賃5万5千円のかつての我がマンションが犬小屋に見える・・・見えるね、田中」


「答えにくい質問しないでくださいよ、先輩」


後続の2人も思い思いの感想を述べている。

とりあえず、とっとと動いた方がいい。

この状況目立つし。

周囲に人の気配はないが、あのヤクザみたいなのが来ないとも限らないしな。



「静かだなあ、サクラ」


「わふ」


斑鳩邸の玄関に腰を下ろし、サクラを撫でる。

家の中から楽しそうな声が聞こえてくる以外は、何の物音もしない。


荷造りを手伝うつもりであったが、搬出したい荷物はその・・・着替えや下着が主なようで。

男性である俺は役に立たないので、こうして留守番兼見張りを続けている。

さすがに下着選びに交ざる勇気はないしなあ・・・いや勇気ではないなそれは!?


無人の近所を飽きもせず眺めるサクラ。

尻尾が右左にフラフラしていて何ともかわいい。


「きゅん」


ちょいちょい尻尾をかまっていたら振り向いてきた。

『なんですか?』みたいな顔だなあ。


「何でもないよ、サクラは可愛いなあ」


「ひゃん!」


頭を撫でると、サクラは嬉しそうに鳴いた。



「おじさん、これおねがーい!・・・中は見ちゃダメだからね!」


「まだ死にたくないからね、ご安心を」


玄関で璃子ちゃんから段ボールを受け取り、荷台へ運ぶ。

サクラはわふわふ鳴きながら足元をチョロついている。

・・・手伝いたいのかな?

ううむ、さすがに無理だぞサクラ。

お前がセントバーナードだったら頼むんだけどなあ。


そんな風に何往復かすると、俺の軽トラの荷台は段ボールで埋まった。

・・・結構あるなあ。

でも着替えなんかはあればあるだけいいしなあ。


「これで最後です・・・ありがとうございました、田中野さん」


「え?これで終わりですか?まだまだスペースはありますけど・・・」


礼を言う斑鳩さんに返す。

幌付ければまだまだ入るけどな。

先輩の軽トラもあるし。


「ええ、今のところ必要なものは全て整理しました。お金なんかは今はいりませんし・・・カードと通帳だけ手元で保管しておきます」


ふむ、確かにな。

衣服や食料以外で差し迫って必要なもの・・・ないな。

俺ならDVDやゲーム機なんかがあるけど・・・それは俺だけか。


「クッキーを見つけましたので、中でお茶にしましょう。少し休憩して行ってください・・・サクラちゃんも一緒に」


「うわあ、そうですか・・・ありがとうございます!」


出るときにお湯を魔法瓶に詰めていたのはそういうことだったのか。 

有難く、ご相伴にあずかろう。


「お呼ばれしたぞ、サクラ。足をきれいきれいして入ろうな」


「わきゃん!」


ウエットシートでサクラの肉球を拭き、綺麗にする。

ちょっとくすぐったかったようだ。



「おじさん、サクラちゃん、いらっしゃ~い!」


玄関で出迎えてくれた璃子ちゃんに案内され、居間に通された。

広いなあ、それに清潔だしオシャレだ。

素敵な空間だな・・・某スーパービーグル犬のグッズが多い。

ファンなのかな?

俺も好きだけどな、このちょいと間の抜けた顔が。


壁の本棚にはずらりと洋書が並んでいる。

流石は翻訳家だ。

1ミリも理解できねえ・・・あ、あれは世界的大人気の魔法少年モノ!あれだけはわかるな、うん。

へえ、賢者の石ってああいう英語になるんだあ・・・


「読める?田中」


「はっはっは・・・ガチガチ国文系の俺に何をおっしゃる・・・ぜんっぜんわかりません!」


「ふ・・・雑魚が」


すっげえドヤ顔でやんの・・・先輩。


「ちなみにパイセンは?」


「皆目読めない、ガチガチの国文系なめんな」


「ええ・・・?」


じゃあなんでディスられたんですかね、俺。


「神崎さんはどうです?」


「ええと・・・一応は、はい」


そりゃなあ、多分エリートだもんなあ。

それになんとなく勉強できそうな雰囲気だし。


「ヒエ~っ・・・エリートですよ先輩・・・」


「ん、日高川はエリート。覚えた」


「神崎です!なんですかその卑屈な態度は!?」


サクラはスーパービーグルのでっかいぬいぐるみを不思議そうに眺めている。

仲間だと思っているのだろうか。


「粗茶ですが、どうぞ」


「どうぞ~」


湯気を立てるカップと、皿に盛られたクッキーがテーブルに置かれる。

紅茶かあ・・・紅茶でも粗茶って言うのかな?まあいいや。

サクラはテーブルの上のクッキーに興味津々だが・・・可哀そうではあるが食べさせるわけにはいかない。


「サクラはこっちな」


「わふ!わん!!」


ベストの内側から、ササミジャーキーと骨型ガムを取り出す。

大のお気に入りを目にしたサクラは、尻尾を大回転させながら言ってもいないのにお座りの体勢になった。

うーん、かしこい。


「お手!おかわり!伏せ!」


「わふ!きゃん!きゅん!」


「待て!」


「うるるるるる・・・」


唸るな唸るな。

おっと、斑鳩邸の床をヨダレまみれにするわけにはいかんな。


「よぉし!!」


「ふふぁふ!もふふ!!」


大き目なジャーキーをあげると、サクラは伏せた状態でがじがじ齧り始めた。

しっかり挟んだおててがかわいい。


「おじさん、本当にサクラちゃん大好きだねえ」


「もがふ!」


璃子ちゃんが俺の口にクッキーをねじ込んでくる。

拙者は雛鳥ではござらんぞ!?

あ、おいしいこれ。


「高級・・・高級な味がする・・・ブルジョワ・・・もももふももも」


リスの化身みたいな頬をした先輩が、目をキラキラさせている。

甘いもの好きだもんなあ・・・


「おいしいです・・・紅茶ともよく合って・・・斑鳩さん、ありがとうございます」


神崎さんは上品に食べるなあ・・・

いいとこのお嬢さんみたい・・・いや、実際そうなのかもな。


「いいえ、今まで皆さんにお世話になったことに比べたらこれくらい・・・まだまだありますので、どんどん食べてくださいね!」


恥ずかしそうにはにかむ斑鳩さんである。

そうすると璃子ちゃんのお姉さんにも見えるなあ・・・


「むぐふ・・・んく。その言葉、宣戦布告と判断する」


たかがクッキーで覚悟完了するなよ先輩。



外がゾンビまみれとは思えないほど、和気あいあいとしたお茶会は終わりを告げ―――


「満足・・・」


「マジかよ、その体のどこに入ったんですか先輩」


「セクシャルなハラスメント、金玉引き千切るぞ」


「ゆるして」


一番大量に食っていたのに、一切ボディラインに変化が見られない先輩である。

多次元ポケットでも付いてるのか?胃袋に。


「おなかいっぱ~い、ね?」


「ふぁふ・・・きゅん!」


サクラも璃子ちゃんも満足そうだ。

しかし本当にうまいクッキーだった・・・

さぞかしいいものに違いない。


「出版社からよく届いていたんですが・・・璃子と二人だと中々食べきれないので」


「へえ・・・大人気翻訳家だったんですねえ、斑鳩先生は」


「や、やめてください・・・翻訳した小説がたまたまよく売れただけですから・・・」


謙遜しているが、それでも凄いことだと思うぞ。

試しに小説の名前を聞いてみたら、俺でも知ってるやつだった。

妹がハマってたやつだな・・・まさか同じ県の人が翻訳していたとは・・・

ペンネームだからわからなかった。


「ぬ、私それ大好き!斑鳩先生、サインください」


物凄く綺麗な姿勢で土下座する先輩である。

一切の迷いがない、いい姿勢だ。


「ひゃあ!い、いくらでも書きますから・・・!ど、土下座は止めてください!!」


わたわたと斑鳩さんが恐縮し、璃子ちゃんがそれを見て笑う。



そんな時だった。




「アガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」「アアアアアアアアアアアアア!!!!」「グウウウウウウウウオオオオオオ!!!!」


外から聞こえる、ゾンビの声。


俺達は一瞬で身構え、耳を澄ます。

再び響いた声を、無言で聞く。


「外・・・裏から聞こえる」


先程の土下座ムーブのまま、先輩が言う。

・・・格好が情けない事この上ない。


「たしか、スーパーがあるんでしたよね、斑鳩さん」


「え、ええ・・・そうです」


斑鳩さんが避難してきた時に聞いたことを思い出す。

裏手のスーパーで大量のゾンビが暴れてたってアレだ。


「斑鳩さん、3階を見せていただいても・・・?」


神崎さんがそう聞くと、斑鳩さんは二つ返事で了承してくれた。



「なんじゃあ、あれ・・・」


「うげ、共食いしてる」


ポツリとこぼすと、先輩が嫌そうな顔をする。


斑鳩邸の最上階、その大きなガラス窓の前で、俺達は絶句していた。

目の前にはスーパーの駐車場がある。

腐りかけた人間のパーツが方々に散らばり、同じくらいの数の腐らないゾンビのパーツも点在している。

地面には赤黒いシミがそこかしこにあり、放置された多数の車両の中にも遺体やゾンビの姿。

控えめに言って地獄である。


そんな駐車場の中心部に、ゾンビの集団がいる。


押し合いへし合い、おしくらまんじゅうでもしているような感じだ。

だが、内情はまるで違う。


20体ほどのゾンビの中で、2体のゾンビだけ様子が違うのだ。


そいつらは、周囲のゾンビに噛みついては咀嚼するような動きを見せている。

あ、いま首筋を噛み千切られたゾンビが倒れた。

共食いをしていないゾンビ共は、ただ悲鳴のような叫び声を上げるばかりである。

逃げもしていない・・・なんでだ?


「ノーマルゾンビが共食いするなんて・・・今まで見たこともないですね」


「ええ、黒い個体ならわかりますが・・・私も初めて見ました」


単眼鏡を使うまでもなく、そのスプラッタな状況がよくわかる。


「っひ・・・!」


それを目にし、悲鳴を上げる璃子ちゃんを抱きしめる。

見なくても済むように、胸に顔を押し付けた。

これは、子供には刺激が強すぎるな・・・


「お、おじ、おじさあん・・・」


震える璃子ちゃんは、俺の背中に必死に手を回してくる。

安心させるように頭を撫で、優しく語りかける。


「大丈夫大丈夫、ここは安全だしな・・・なあ、サクラ」


「きゅ~ん!きゅ~ん!!」


心配そうに鳴くサクラを撫でる。


「斑鳩さんたちは下りていてください、俺達が見ていますから」


「は、はい・・・」


璃子ちゃんと斑鳩さんは、サクラを伴って階段を下りていった。

後で説明すればいいだけのことだ、わざわざ見たくもないものを見せて怖がらせるのもよくない。


「さっすが、ロリコンの田中。美少女には優しい」


「ノーモーションで風評被害を広げないでくれます?・・・うあ、大分数が減りましたねえ、なんちゅう食欲だ」


見ると、先程の集団は半分ほどまで数を減らしている。

首や喉を噛み千切られ、機能停止したゾンビが力なく横たわっている。


「・・・まるで獣です。急所を噛んで無力化した後、すぐに別の目標を仕留めています」


神崎さんが言うように、共食いゾンビは次々にゾンビ共を無力化していっている。

まさに、動物的な動きだ。



「うっわ・・・うわうわ」


先輩が嫌そうな声を出す。


全てのゾンビを無力化した共食いゾンビ。

奴らは、おもむろに倒れたゾンビの頭部を丸かじりし始めた。


「脳を・・・真っ先に食べていますね。野生の獣なら、腹の部分から食べるのに・・・」


脳味噌・・・そんなに美味いのか?

ピントのズレたことを考えつつ、グロい状況を半目で観察する。


「ううえ・・・食欲なくなる」


「ほう、では本日の羊羹はなしですk」


「食うに決まってる。顎引き千切るぞ」


「ゆるして」


そんな風に先輩と話していると、やつらはあらかたの頭を喰い終わったようだ。

さて、どうする?

2体で食い合うのか・・・あ?


「グウウウウウ・・・・!!」「アガガガアアアアア・・・!!!」


やつらはどしゃりと地面に倒れた。


「食中毒・・・?」


「まるで先輩みたいだぁ・・・痛い痛い痛い」


やめてください先輩太腿が千切れちゃうから!!


やつらはしばらく動かなかったが、突如として変化が訪れる。


「筋肉が・・・膨張している・・・?」


どちらかと言えばやせ型だったゾンビたち。

その衣服が、みるみるパッツンパッツンになってきている。


「あれって・・・まさか」


「ええ、そのようですね・・・田中野さん」


絶句する俺たちの目前で、2体のゾンビの衣服が弾けた。

服の下・・・その隆起した筋肉は・・・


「進化・・・〇ケモンみたい」



黒ゾンビと同じ、漆黒に染まっていた。



生まれたての黒ゾンビたちは、しばらく動きを止めていたが・・・筋肉の隆起と膨張が終わると立ち上がった。

殻のような部分はないが、それ以外は見慣れた姿である。


「グルウウウウウウウウウ!!」「ガアアアアアアアアアアアアア!!!」


お互いに、別々の方向へあっという間に走り去ってしまった。


「ゾンビの中でも特殊な共食いをする個体が・・・疑似的な進化を経て黒い個体になる・・・ということですか」


表情を曇らせる神崎さん。

色々ショックだったんだろう。


俺もそうだ。

まるで漫画や映画の世界だぞ、これは。

・・・まあ、この状況なら何が起こってもさほど驚かないが。


「探索中に共食いゾンビを見たら・・・積極的に潰しといたほうがよさそうですね」


「ん、今見たけど体が出来上がる前なら隙だらけ・・・狙っても損はない」


こきり、と拳を鳴らす先輩。

そうだな、変身途中の攻撃は特撮ではご法度だが・・・情け無用の現実世界だしな。


「さて、見るものは見たし・・・斑鳩さんたちも心配するから下りましょうか」


そう言い、率先して階段を下りる。

これ以上ここにいても得るものはないからな。


ゾンビの進化?かあ・・・

俺は、胸ポケットから煙草を取り出し、火を・・・あ、ここ人の家だった。

さてさて・・・これからどうなるのかねえ・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 早めに進化方法が知れて良かった 情報共有して面倒がらず弱いうちに組織立って間引けば脅威度が下がる 頑張れ自衛隊!頑張れ警察!主人公は働きたくないでござるだから、ちまちました作業では当てになら…
[良い点] 南雲流ェ・・・いや風評被害でもないわw [気になる点] 先輩その発言はセクハラ・・・いやパワハラ? [一言] 共食いというか経験値稼ぎみたいな行動… しかしこれ蟲毒みたいで、更に黒ゾンビも…
[一言] 共食いが加速して蠱毒よろしく最強の1体なんて生まれると困るし早め早めに間引かないとまずいな。
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