>どう思いますか? この主人公
>どう思いますか? この主人公
異世界の権力組織に属する訳ではなく
あくまでも個人として動くのは強い精神を持つ「最強ヒーロー」の御約束という意味で
王道をいっていますね
それでも凡人の価値観が抜け切れないので周囲の顔色を覗ってしまうというのも「等身大の主人公」の御約束で
それもまた王道。
自分の欲望を満たすために権力を求め
そのためには「見知らぬ誰か」や「たまたま敵となった誰か」など
ただの障害物でしかないと考える「ゲスな主人公」や
それが効率的だからと誰かを切り捨てる「甘えた弱い主人公」
よりは好感が持てるからこその王道ですが
問題は「最強ヒーロー」の主人公である事と「等身大の主人公」である事はいわば逆タイプの主人公であるところでしょうか。
力を持っても「等身大の主人公」であるなら
「自分は弱いから仕方ない」という甘えを捨てきれないで
「誰かを切り捨てられないのは無力だからじゃなく、甘いからだ」と自分を誤魔化していた凡人のまま行動して
力だけは持つ「甘えた弱い主人公」として
自堕落なアンチヒーローとなるか
「人である事の責任」というものを無視し続けて、やがて「ゲスな主人公」として
悪のラスボスとなるか
力に溺れて人である事を忘れ「神」という理不尽になりたがります。
それを避けるなら
「お人好し」であるか「人間好き」でなければならず
だからこそ「王道路線」と「等身大」はバランスが難しいのでしょう。
「等身大」は言い換えれば「読者が自己投影できる」という意味ですから
読者によっては「自分の甘え」や「ゲスを普通と考える勘違い」に気づかない読者もいるし
「誰かを切り捨てないためにする覚悟」を「甘さ」と考える「甘え」に気づかない読者もいるので
理を考えずに力に溺れて何もかも上手くいくと考える「甘さ」を捨て
失う事も傷つく事も覚悟して
それでも人間である事を「しょせん唯の獣にすぎない」と見限らず
人であり続けるために人を自分と同じ存在と考え「人間好き」であり続けるような「王道ヒーロー」を
一部の読者は
「在りえない認められない存在」として感じてしまいます。
それを感じさせないためには「自分達と異質な主人公」として「等身大」要素を排除しないといけないため
「最強ヒーロー」と「等身大の主人公」は両立しないものとして多くのプロ作家はどちらかを選ぶか
「最強ヒーロー」への成長途上の「等身大の主人公」を王道として描いています。
ただ、「人間としての無理のない成長と変化」は
それを経験していて、その心情を描写できる描写力がないと
読者の共感を得られず「絵空事」と感じられてしまうので
そこが表現的に難しいところです。
そういう意味ではこれからの展開が大切なところでしょうねぇ
重すぎず軽すぎず説得力のある人格の成長で
「甘さ」と「甘え」や「無責任で耽溺した放蕩」と「責任を持ち自律する自由」の違いを理解していく姿や
組織や国家に依存せずに自らの意志を持つ強さと自分とは違う意志を受け入れる余裕や他者を許せる寛容さなどの社会と自分の関係性を築く姿
異世界で生きるにしても帰るにしても
そういった成長していく姿を描かないと
「成長途上の主人公」にはなりませんので




