登場人物
東 友樹
藤崎優一の友人。優一の「アルバイト」について詳しいことは知らないが、深く詮索しない辺り気遣いのできる青年なのかもしれない。
遥 透
藤崎優一が通う留塚大学の教授だった人物。正体は吸血鬼だが、凶暴的な性質ではなかった。
留塚町で起こっていた女子誘拐事件の犯人。争いごとを好まない性格から真っ向から【妖精の輪】や常駐部門と敵対しようとはしていなかったが、自身の吸血のため自ら血を差し出してくれるよう誘拐した少女達を操っていた。
ダンピールであった姫宮亮子と契約を結び、吸血をしたことがなかった亮子に吸血させ、その上で自身の血を流し込むことで吸血鬼への純化を促す。
その後ウォルフ・グレイズと交戦、敗北。半径約3kmの範囲のビルおよび道路を破損させる被害を出したが死傷者は出なかった。遥はその後捕らえられ、魔力世界の【警邏隊】に引き渡された。
浅野 洋子
緩やかな白髪の一部を藤色に染めた老婦人。【妖精の輪】を知る一般人で、神秘を視る目である『妖精眼』の保有者。“パンドラの檻”に情報を提供している。
事件の被害者である黒峰京花の祖母で、捜索時に見つけた髪留めに血と魔力が付着していたことから捜査を“パンドラの檻”に依頼した。
黒峰 京花
女子誘拐事件の被害者の一人。浅野洋子の孫娘で、藤崎優一と同じゼミに所属している。
ゼミの教授だった遥透に地下鉄入り口付近で誘拐されるが、その時何らかの要因で髪留めを落とし遥透に血を流させた、あるいは既に遥透がマーキングとして自身の血液を付着させていた髪留めを落とした。これによって捜査が進展し、遥透の捕縛と姫宮亮子の鎮圧保護、攫われた少女達の救出に繋がった。
黒峰 今日子
黒峰京花の母親で浅野洋子の娘。魔法や神秘による現象を信じておらず、娘が誘拐されたことでその苛立ちは頂点に達していた。
姫宮 亮子
留塚大学に通う女子大生。黒峰京花の親友で、行方不明になった彼女を独自の方法で探していた。
その正体は吸血鬼と人間の間に生まれた子供である『ダンピール』。幼少期は家族で暮らしていたが、ある時父親が家を出、以降女手一つで育てられる。養育費は振り込まれていた様子。しかし中学一年生の冬に父親が母親の血を吸い尽くしたのを目撃したことで父が吸血鬼であること、自身にもその血が流れていることを知る。その後【妖精の輪】に記憶処理を施されたが、職員の不注意が元でその事実を再び知った。
竹中崇を「魔女」と敵視し襲撃、その後遥透と契約を交わす。その際に吸血を行い、遥透の血を流し込まれる。
自身の血のみの眷属を形成する程の血質を顕したが、吸血鬼の血を流し込まれたことで崇の血に過剰反応していたため正常な判断ができず敗北。契約の破棄と共に【妖精の輪】に拘束され、最終的に大学をやめ【学院】に入学することになった。
追記:能力発動時、彼女の瞳が赤ではなく鮮やかなマゼンタになっていたことから早急の血脈追跡を要する。
結果報告:血脈追跡及び血質鑑定から眷属型吸血鬼“亡国”ヴァイオレットが捕捉された。以降の血脈追跡はイギリス境界部門の判断によりここで終了とする。
アイリス・エドガー
【妖精の輪】本部に勤務している事務員。当時本部詰めだったクロード・G・リュピの秘書をしていた。
アラン・ロメイン・ルカ
【右筆】日本東京支部情報部の部長を務める小豆色の長髪の男性。家族を亡くした藤崎優一の身元保証人になり、彼を【右筆】に引き込んだ張本人。優一の能力の高さを認めていながら彼が常駐部門での職務に耐えられず辞めることを望んでいたような口振りだったが、その真意は不明。
その一方で優一が日々忙しくも楽しくやっているのを好ましく思っていたり、【学院】からの案内を優一に渡すなど、彼の成長を願っているのは事実のようだ。