用語解説
現世
科学技術が発展し、魔法や神秘はあくまで「物語の中」のものとされている世界。崇達の拠点である喫茶店「Lampe」があるのもこちら側。昔に比べて怪異や神秘による事象や事件は少ないが、知名度が下がるようになったのをいいことに悪さをするものも少なくない。【妖精の輪】は現世で起こる怪異や神秘から人々を守るために活動している。
魔力世界と比べると魔法や魔術は衰退しているものの発明や技術開発が進んでおり、現世の技術は魔力世界に輸入されているものもある。最先端の技術を駆使しより確実な『記録』を行う【右筆】はその象徴ともいえる。
魔力世界と隣り合う世界であるが故に影響を互いに受ける。現世で起こった戦争やその原因となった「狂気」は世界を越えることもあり、魔力世界で起きた大戦はいずれも現世の大戦が伝播して起きている。
竹中崇や藤崎優一、姫宮亮子などは現世の出身。現世は魔力世界に比べて魔力の濃度が薄いため、生まれついてそういったものが視える人間は少ない。
魔力世界
魔法や魔術といった神秘や魔性が今なお息づく世界。現世とはかなり景色が異なり、都市部は現世とほとんど変わらないが田舎になればなるほど中世のような風景になっていく。
魔力が多い世界であるため、ドラゴンや妖精、吸血鬼、人狼、妖怪、神といったものが普通に存在している。魔法や魔術も日常的なものだが、現世と比べると敵が多く土地開発が進んでいないため人口は現世よりも少ない。人間の寿命も現世の人間の約五倍とされているが、先述のような要因から寿命を全うする人は少ないといわれている。
現世とは共に影響を受け合う関係で、神による自然災厄や超常的な存在が暴れるなどすると、現世にはそれが自然災害などの形で出る。必然的に魔力世界からの影響の方が頻度も規模も大きいため、【妖精の輪】の境界部門はその影響を最小限に留めることができるよう日夜働いている。
ウォルフ・グレイズやクロード・G・リュピ、遥透や【討伐隊】の隊員達など、魔力世界の出身者は多い。
妖精の輪
(個別項目参照)
右筆
世界で起こる出来事を記録する組織。なぜそのような組織が発足したかは明らかになっておらず、いつ成立したのかも謎。世界中のありとあらゆる情報を記録し保管している。この記録を行う者は「記録者」と呼ばれる。
優一はここの出身で、彼は元々一般人だったが右筆の東京支部情報部部長、アラン・ロメイン・ルカが優一の才を見抜きスカウトした。
魔力技師
魔法や魔術を使い、道具を作成・修理する技術者。様々な専門があり、例えばコートニー・J・セラド(「Noble Hunting」参照)は服飾の作製・修復を専門にしている。崇はこれといった専門を持たないオールラウンダーな魔力技師。
崇は使い魔の古代に協力してもらい、彼の尻尾を様々な道具の形に変えて作業をしている。使い魔の力を借りて作業を行う魔力技師は少なくない。
使い魔
魔法使いが契約し、その力を貸し与える妖精や精霊のこと。魔法使いが契約したものがファミリアと呼ばれ、魔術師が妖精などと契約を結べることは滅多に無い。魔術師が使役するものはサーヴァントと呼ばれ、人造の生物や自動人形、死体に仮の魂を与え動くようにしたものが主流。魔法使いは使い魔とはあくまで対等、もしくは自身より高位の存在として接するため「家族」と呼ぶが、魔術師は使い魔に隷属を望む者が多いため「下僕」と呼ばれている。
契約
物事を行うにあたって、その約束や条件に了承した証として結ぶもの。ギアス、コントラクト、アドバースなど様々な読み方があるが、基本的な意味は同じ。ギアスは絶対的な誓約の意味が強く、コントラクトは双方に利がある契約に使われる。アドバースはコントラクトとは逆に、片方に大きな利があるが片方には不利益しかないものを指す。
基本的に契約の解除は正式な順番を踏まないと行えないが、契約書のようなものがない口約束程度のもので、解除する術者がそれに干渉できるだけの魔力や力を持つ者ならば破棄することも可能。
執記
記録者が使う術式の名称。これを唱えることを「声唱」という。
顔料石
その名の通り顔料が石の形になったものだが、ここでは記録者が使う顔料石について解説する。
記録者が使う顔料石は等級が最も高いもので、外側は硬化し石となっているがその中身は半エーテル体。これらを砕き、記録者がその魔力を通すとはじめて「記録」が可能なインクになる。
等級の高い顔料石の中でも、長い年月を経たものはその顔料石に意思が宿る。その内には主が核となって世界を構築し、断片的にその顔料石が記録した情報を保持する特性を持つ。優一が使っている青墨の顔料石にはその特性によって溜められてしまった負の感情が「書き損ない」として現れたため、青墨の主は優一を引き込み、優一と後から合流した崇の二人に書き損ないの対処を依頼した。
青銅のベル
魔法のベルの一種。対象に呼び掛ける力を強めるもの。音は空気より水中の方が早く伝わるため、崇はベルの力を利用した。
グリューワイン
ワインと香辛料などを温めて作るホットカクテルの一種。ヨーロッパ各地のクリスマスマーケットで楽しむことができ、寒い夜でも体が温まる飲み物。
崇は赤ワインに砂糖、シナモン、クローブ、ローリエ、ショウガ、レモンの輪切りを入れて作っていた。