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家系――グレイズ家


 現世で「モンスター」といえば吸血鬼に次ぐ知名度を持ち、魔力世界で最も人々に恐れられている「感染する呪い」の『人狼』を狩る狩人の一族。魔力世界のイギリス固有の組織、通称【討伐隊】の第二師団の師団長は代々この家の当主が務め、その家族も皆優秀な人狼狩人として名を馳せ狩りを主導するエリート中のエリート。

 非常に長い歴史を持つ貴族の一つで、その始祖は銀にも輝く灰色の毛を持つ狼だと語られる。狼は“灰狼(グレイ)”と呼ばれ、人々を悪しき狼や人狼、魔獣や魔性の脅威から守った。故にその血を引くグレイズ家の人間は呼び名に“Grey(グレイ)”を入れ、識別が難しくない限りはその呼びで通すのだという。

 いわゆる「掛け合わせ」によって血統を強化していった家系。人狼は只人の力で相手取れるものではなく、あまりに多くの狩人が伏していった歴史がある。そのためグレイズ家はその狼血を絶やさずより強いものとするため、魔力の量やその質、また戦闘能力に優れた者を配偶者に選び、狼血による身体能力をより高め、受け継ぎ編み出した言霊の魔法や錬金術を十全に操る魔力を宿す遺伝子を長い時間の中で組み上げていった。結果、グレイズ家の血を継ぐ人物の素の能力は人間という種の中でも上層に位置するものとなっている。一代限りの強化並みの能力を血統だけで成立させているのは世界規模で数えてもグレイズ家しか確認されていない。

 領地はダラム州全域、居城はダラムのダン・クラン城。別荘や訓練施設なども複数所有しているが、研究への投資だけでなく孤児院への寄付や街や村の防備改良を積極的に行うなど、軍人気質ではあるが名君の家であることでも知られている。

 以下、グレイズ家の人物とその関係者を記載する。



□“灰銃(グレイ=ガン)”ダライアス・グレイズ

誕生日/1631年9月11日

年齢/387歳

身長/198.6cm

体重/96㎏

髪/黒

目/灰

属性/(非公開)

性質/(非公開)

所属/女王直属討伐軍 第二師団

階級/中将(師団長)


 グレイズ家の現当主。呼び名の通り銃を得物とする人狼狩人で、左手に長銃を、右手に短銃を構えるという従来のスタイルから外れた武装が特徴的。戦い方は異端だがその実力は確か。厳格で生真面目な性格だが柔軟な思考と「狩りに臨む者は全て同胞である」という信条を持ち、有益な提言や見解には必ず耳を傾ける器の大きさを持ち合わせている。

 第二師団は暗黙の了解で人狼に噛まれた者は速やかに始末しなければならないが、一度だけそれに反し実子のウォルフを生かし、またグレイズの姓を名乗ることを許容している。表には出さないが非常に愛情深く、それ故に長男を生かす決定をしても結果として兄弟間の不和を招いたことに責任を感じ心を痛めていた。

 前妻のアンジェラとは政略結婚だったが、フローラとフィリップの家庭教師をしていたマリアンと三十年程前に恋に落ち再婚している。結構な歳であるにも関わらず前線に立ち後妻との間に新たに双子をもうけているが、心身共に衰えの兆しは見当たらない。



□“灰鉄(グレイ=アイアン)”ウォルフ・グレイズ

 長男。第二師団の隊員だったが現在は除隊し【妖精の輪(フェー=ルウェン)】に属している。詳細は個別項目参照。



□フレドリック・グレイズ

 次男。詳細は個別項目参照。



□“灰花(グレイ=フラウ)”フローラ・グレイズ

誕生日/1926年7月16日

年齢/92歳

身長/173cm

体重/64.8㎏

髪/ライトグレー

目/ダークグレー

属性/炎

性質/開

所属/女王直属討伐軍 第二師団

階級/中佐


 長女。冷徹な美貌や性格とは裏腹に炎属性の魔法や錬金術を操る人狼狩人。円状に「開く」性質の魔力を持ち、それを生かした制圧戦や包囲戦が得意。呼び名を得ていることからもその実力が窺える。

 冷酷ともいえる冷静さを持ち規律に厳しい。非常に耳が良く、人外の言葉は分からなくても意味は理解できる特殊な「聞こえ」を持っている。そのため人狼の吠え声も内容が分かり、それ故に兄弟の中で人狼を最も非情に狩るようになっていた。ウォルフが噛まれた夜も彼のヒトならぬ声が聞こえており、ウォルフ自身はその時何と言ったかは覚えていないがフローラはウォルフの慟哭を全て聞き、また理解してしまった。その出来事が心の傷として残っており頭では分かっていても区切りをつけることができずにいる。

 従姉妹のアナスタシアの狩人装束はスカートだがフローラは他の隊員と同じくズボンの狩人装束を身に付けている。勿論貴族の子女として礼儀作法を身に付けているが、男兄弟の中で育ち軍人として振る舞うことの方が多いため、隊員以外の、特に同年代や年下の女性と接する事に慣れていない。有り体に言うなら人見知り。



フィリップ・グレイズ

 三男。現在は第二師団から【警邏隊】に出向している。



イザベラ・グレイズ

 次女。マリアンの連れ子であるためグレイズ家と血縁関係は無い。第二師団の技術開発部で働いており、【学院】の変身学研究室と提携している。



ケイン・グレイズ、キャサリン・グレイズ

 四男と三女。金髪碧眼の双子で、ケインはやんちゃで人懐こく、キャサリンは内気で人見知りが強い。城で暮らすようになったのは最近のことらしく、ウォルフには二人共懐いているがフレドリックは二人とほとんど関わらず、フローラはケインとは関わっているもののキャサリンとはまだ打ち解けていない様子。



マリアン・グレイズ

 ダライアスの後妻。金髪碧眼の見目麗しい女性で、以前はフローラとフィリップの家庭教師(ガヴァネス)として雇われていた。ガヴァネスはその家の方針にもよるが概ね上流~上位中流階級の家で読み書き、計算、礼儀作法に教養を教える未婚の女家庭教師のことで、マリアンもそれに準ずる家の出身と推測されるが、その時点で生徒と同年代の娘がいるにも関わらずガヴァネスとして働いていたことから何かしらの事情があったと思われる。

 ダライアスとは180歳ほど年齢が離れているが夫婦仲は良好。双子同様城に住むようになったのは最近だと話すが、それに不満は無い様子。



アンジェラ・クリスティーン・グレイズ

 ダライアスの前妻。故人。優秀な嫡子を産むための政略結婚でグレイズ家に嫁いだ女性。ウォルフが人狼になったことで精神を病み、息子とまともに言葉を交わすこともなく亡くなった。



ロジェル・ブライアン

 グレイズ家の執事長を務める老執事。ダライアスが家督を継ぐより前からグレイズ家に仕えており、ウォルフも彼の前では屈託のない表情を見せる。


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