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第五十五刻印記録保管庫 上層  作者: 文車
聖夜前のさがしもの
11/18

登場人物


“冥府の王神”ハデス

 ギリシャ神代の冥府神。「富める者」を意味する『プルトン』や、「目に見えぬ者」を意味する『アイドーネウス』など、多くの呼ばれ方をする。有名な神話として四季の始まりとして語られる「ペルセポネーの略奪」がある。

 神代が様々な変遷を遂げ、文明が発達するにつれその信仰が弱まり、既に滅んだ神代がある中今なお絶大な権能と知名度を誇る偉大な神の一柱。大陸で深み(闇)の魔法、魔術を行使する者の大半がこのハデス神の流れを汲む。また地下資源の守護神でもあることから地の属性とも縁深い。

 象徴は「豊穣の角(コルヌコピア)」、「水仙」、「糸杉」。

 妻ペルセポネを迎えに来た際は人の姿をとって地上にやって来た。神話で伝えられている性格や性質に大きな解離はなく、厳格で公平、かつ誠実。

 竹中崇を「我等の仔(ポーロス)」と呼ぶ。「ポーロス」はギリシャ語で「仔馬」のこと。崇とその師であるテオドール・ギフトは彼と直接面識がある数少ない魔法使い。深みの術を操る者が道を外れやすいことを少なからず憂いており、テオドールや崇を自分達の子供のように思っている。

 弟であるポセイドンとゼウスに関しては支配している領域が異なることもあり口を出すことは無い。しかし両者の性格をよく知っているため、海にはなるべく近付かないよう妻に警告していたり、ゼウスが不能にされかけたことで崇を大きく咎めていない、などあくまで公正な扱いをしていることが窺える。

 妻ペルセポネとはギリシャ神話一のおしどり夫婦。冬の間しか共に過ごすことができないからか、多少過保護な表情を見せる。



“乙女”コレー、もしくは“冥府の女王”ペルセポネー

 春の芽吹きを司る女神であり、冥王神ハデスの妻。春から秋までは『コレー』と呼ばれ、冬の間は『ペルセポネ』と呼ばれる。

 戦う力を持たない可憐な乙女の象徴。彼女が地上に顕れると春が早足になり、この年の冬は暖冬といわれた。

 桃色がかった柔らかな黄金色の髪を持ち、外見年齢は二十歳に届く程度。春の木漏れ日のような微笑みを湛えているが、外見の若さにそぐわず、しかし違和感のない「女神」としての存在感と穏やかさを持つ。

 しかしその一方で夢中になると時間を忘れてしまうなど、子供のような面も見せる。夫との関係は大変良好。崇のことを夫と同じく娘のように思っている。



メニペー

 海の精(ネレイス)のひとり。ゼウス神に見初められるもその愛を受け容れることも拒むこともできず悲観に暮れていた。崇の持つ“魔精殺し(ブリシム)”を精霊であるためすぐに見抜き、どうにかしてゼウス神から逃がして欲しいと懇願する。崇が女性だということには気付いていたが、どちらでも障りはなかったようだ。



“雷霆もつ天空神”ゼウス

 ギリシャ神話における全知全能の主神。数多くの武勲を上げ、その実力を以て神々・人間を支配し守護している偉大な神の一柱。今回ハデス神が語ったところではいいとこなしだったが、相手が悪かったといえよう。

 オリュンポス最強と評される実力者であり、ギリシャの神代の開闢となった神だが、数多くの女性と交わり子を成していることでも有名。時に騙し、時に強引な手段を使いあらゆる手で見初めた女性に迫り交わるだけでなく、彼に見初められた女性は関係を持ったが最後正妻ヘラの怒りを受ける、というのがお決まりとなっている。

 象徴は「鷲」、「オークの樹」。

 神代の頃と比べその信仰は弱まっているも性質は変わっていない。テオドール・ギフトと竹中崇の両人はゼウス神に敬意を持っていないが、そのゼウス神も彼らを嫌っている様子。テオドールと過去に面識があったようで、崇に「師にどんどん似てきている」と言い放った。


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