世界概念――神代
「神」という存在が実在する魔力世界で、その「神話」の神、もしくは神々とそれに連なるものが住む『世界』。神話が伝え残っているものは一部例外を除く全てが神代を形成しており、人間の信仰や知名度によってその規模は異なる。例外の神代は「終わりを迎えた神代」で、神話は残っているがその終末が語られている神代は滅びている。代表的な神代はスカンディナビア神代およびゲルマン神代。
神代によって人間の住む世界(通称「下界」)を支配・干渉するかはかなりのばらつきがあり、過去には宗教戦争も起こっていたが現在は暗黙の了解で不可侵となっているため神代同士の争いは起こっていない。
以下、代表的な神代とその特徴を記載する。
□ギリシャ神代『オリュンポス』
オリュンポスの神々が支配する神代。主神はゼウス神。全盛期より時が移ろい、信仰は薄れてきてはいるものの圧倒的な知名度を有し規模を維持している神代の一つ。多数の神が存在する神代で、見所のある人間には関わっていく神も少なくない。
北欧神話のスカンディナビア神代が滅びた後、そこに勢力を伸ばし現在はヨーロッパ広範を支配している。しかしその地に根付いた魔法や魔術を排斥したり塗り潰すほどの力は無く、現代では神と直接関わった、もしくは神が関わってきた人間以外にはそこまで影響は出ていない。
□スカンディナビア神代およびゲルマン神代
かつて存在した神代。北欧が形作られる前にその地を支配していた神代だが、終焉を運命付けられていた神代だったため『神々の黄昏』で滅びている。一部の神は生き延びたが神代を再興する力は無く、現在は零落し北欧のどこかに存在するだけとなっている。ゲルマン神代はスカンディナビア神代とほぼ同一とされているが、詳細は不明。
□聖神代『天の国』
キリスト教の神が支配し、その御使いである天使が住む神代。神自身が姿を現すことは無いが天使を遣わすことで神託を告げる、魂を召し上げるなどして人間と関わっている。現世では世界最大の宗教であるキリスト教だが、魔力世界では現世ほど勢力は広くない。しかしヨーロッパの平民を中心に布教を続けてきた結果広く受け入れられ、確固とした神代を築いている。
□日本神代『高天原』
八百万の神々が住まう神代。神代と下界の境ははっきりしているものの、非常に関わりが「深く」、「濃い」ことで有名。他の神代と比べると異様と云えるほど結びつきが強いため、魔力世界の日本は固有の『理』を持つ。
日本人はこれらに違和感を持っていないが、他国から見た日本は「異境」と称されるほどに異質。そのため魔力世界でも黒船は来航していたが開国は現世よりも相当遅く、技術交流はあれど西洋化はほとんど進んでいない。




