表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/22

7酒の勢い

「マルルー。飲みに行くよっ。」


非番の夕方、急に先輩方に呼び出された。


「えええ。今からですか?」


「そうそう。美味しい店、見つけたのー。」

リーン先輩がにっこり笑う。


リーン・ラデン

カイウスの叔母にあたる。


カイウスの父の妹だが、独身を貫いている。

遅くに出来た子らしく、年は35

ラデン家らしい、あっけらかんとした、賑やかな女性だ。


私はリーン先輩が大好きだ。

憧れ、といっていい。

目標みたいなもの。


こんな人みたいになりたい。


誘われたら、行くしかない!!


1軒目。普通の居酒屋。

でも、確かに美味しい!!皆んなでワイワイ盛り上がる。


「マルルと一緒なんて嬉しいわー。ねえっ。マルルっ!ハシゴしましょう。行きつけに行きたいのっ。」

リーン先輩もご機嫌だ。

1次会が終わり、リーン先輩に誘われた。勿論だ!!!


が。何かちょっと変だった。


私の行きつけ、ちょっと騎士服で行けないのよ。着替えて行くけどいい?

訳わからないまま、ついていくと、服飾店に連れて行かれて、簡素なドレスに着替えさせられた。


まあ、簡素だし。いいか。


久しぶりにドレス着たなあ。


ドレスはダークブラウン。太腿までスリットが入っていて、気をつけないと。


手際よく、店員に髪を結い上げられ、馬車に乗る。


「先輩。一体、どこに連れて行かれるおつもりですか?」

「だからー。私のいきつけっ!」

先輩はご機嫌だ。


「酔ってます?」

「んー?程よくね。」


連れて行かれた先は、とてもお洒落なお店だった。


お酒も美味しくて。ちょっとペースが上がる。


スペースは全て個室のようになっていて、他の客から邪魔されない。


ちょっとボーッとしている自分に気がつく。


ヤバイな。これは、ちょっと飲み過ぎた。


席に戻る途中で、リーン先輩が、何故かカイウス副団長と一緒にいた。


「こんばんは。」

普通に挨拶しただけなのに、ちょっとカイウスが顔を顰める。


「リーン叔母上。マルルを連れ回して、何をなさっている?」

「ええー。呑んでるに決まってるじゃなーい。」


「酔ってますね。」

冷静に言うカイウス。

「いいじゃない。息抜き大切っ。カウンターなんでしょ?一緒に飲みましょう。」


リーン先輩が誘い、3人で飲む事になった。


カイウス副団長、リーン先輩と仲良いんだなぁ。


年の近い、叔母と甥の会話が微笑ましい。


フッと、笑ってしまう。


それからまた、更に飲んだ。

私はお茶、酒、お茶、酒とペース配分していたつもりだったのだが。


意外と3人で飲む酒は気を使わず美味しかったので、多分、飲み過ぎたのだ。






翌朝。


信じられない事が起こっていた。


私が目を覚ましたのは、カイウス副団長の腕の中だった。


何で何で?


服を着ていない。


パニックになる。


起き上がろうとして、阻まれる。


カイウスと目が合う。


「なっ…」

声を上げる前に唇を塞がれる。


頭が痛い。酒のせいか。

フラフラする。息しにくい。


もう、混乱して、本当にわからない。


「何だ。覚えて無いのかよ。」

私を見て、カイウスが、言う。


「おい、シラフで言うのは苦手なんだ。1回しか言わないから、ちゃんと聞いておけよ。」


訳がわからないまま、頷く。


「俺はおまえがいい。嫁に来い。」


驚きで、声も出ない私の唇は、また、カイウスに塞がれる。


そのまま、茫然自失の私は、多分、再度?彼に抱かれたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 回避出来た令嬢は? 後書きにリンク貼れないと気がつきました。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ