どうぞヒョウ柄パンツを履いてください!
いやー会長にはびっくりだ。
日替わりの下着まで管理されているんだ。すごすぎる。
やっぱりセレブはちがうねーーーっとか思う。
あ、今日は水玉とか猫柄、いや、あの大魔王だ、ヒョウ柄だろうか??? もし猫柄だったら、笑えるなーとか思っていた。結構、キャラものとかあるのかなっとか笑いながら考える。
妄想は自由だし!!!危害与えていないし!!
どうやら厳重管理されているパンツ様らしいので、また大原邸にそれをまた持って帰る。
たかがパンツ。されどパンツ。恐ろしい・・・・
ちょっと緊張した面持ちの真田が帰りを待っていた。
「だいじょうぶでしたか? 会長は?」
珍しい。普通なら私の様子を聞いてくるのになぜか会長の心配だ。
「あー、真田さん。終わりましたよー。激恐ろしかったです~。」
「え? 恐ろしかったですか? それは困りましたね。」
「いやー、でも、大原財閥の総裁になると、パンツまで管理されちゃうんですね。驚き桃の木でした・・・でも、やっと・・なんていうか、忘れ物お届け係として何かをやり遂げた感があります。」
「あああーー、そうですか・・美代様。」
真田はちょっと考え込んでから、顔を上げて天井をちょっと見つめながら、また視線を美代に落とした。
「あんまり蓮司会長の言う事を真に受けてはいけません。」
「・・・・ええ? どういうことですか?」
「大変申し難いですが、あれは所謂、ハッタリです。」
「・・・・・・・・・・・・なんとおっしゃいましたか?」
「ハッタリです。パンツまで管理しているわけないじゃないですか・・」
えええええええええ!!
ちょっと待ってくれ。
それだったら、こんな若き娘、いや、決して美人とかは言わないよ・・・自分で自分をわかっているから・・・にあんなブツを運ばせるだなんて!!
それ、おかしくないだろうか?
「真田さん!!だったらその辺のコンビニのパンツを使えばよかった話しじゃーないですか!! わざわざ私があんな物を持って行くまで!!!」
「でも美代様、先ほどやりがいを感じたとおっしゃいませんでしたか?」
「・・・・・ず、ずるいです!!!」
「美代様がその必死に持ってくる様子が場に臨場感を与えたんです。これは何にも変えられません。」
まさか他の理由まで言ったら、この子リスのような少女は逃げて行ってしまうだろうと、真田は心の中で呟く。
「あ!!でもあの万年筆も本当じゃないんだーーー。残念だわ!!スパイみたいと思ったのに!!」
「ああ、あれは本当です。」
「えええぇーーーー!!本当ですか?」
「たぶんですが・・・ね」
「え、どういうことですか? 真田さんでもわからない事なんですか?」
「あれは蓮司様自身が管理されていますので・・・プライベートなこともかなり入りますから・・私の管轄ではないのでまったくわかりません。」
ああああ、ちょっとなんだか嫌な気がする・・・・
美代は少し考え込んだ・・
「ひぃああ!!!!!!真田さん!! まずいです。かなり!!!」
「どうかしましたか??」
「ああー、もう私、解雇されちゃうかもしれません。」
「ええええ?どうされたんですか?」
「あの例のペンとか運んでいる時、実は・・・・・・かなり会長の悪口言っています!!!」
「・・・・・・・・」
「やばい~~~~~~っ」
「あのちなみになんて言ったんですか? 覚えていますか?」
「あーーなんだろう。たぶん、いつも言っていることかも・・・」
「例えば??」
「あの忘れん坊大魔神め、ハゲろっとか・・・」
「は、ハゲろですか・・・」
「エロ大魔王!! ティッシュ地獄へ落ちろとか・・・」
「はあーーーそれはまた思い切った悪口ですね・・・」
「いや、まだこれだけではありません・・・・」
エロ魔神、俺様野郎、忘れ物大将などなどと思いつくまま、自分が罵倒したことを言い返す。真田の体がかすかに震えている。それを見て美代は身がすくむ思いだった。
やっぱり、ああ!!もうお払い箱だ。
まあこんなふざけた仕事でお金をもらっていた私が悪いんだ。これはしょうがない。