羞恥プレイですか?
はあああああ!!!
男物の下着だなんて・・・正直、亡くなったお父さんの物しか見たことないし、ましては、他人のなんか触ったことがない。この紺地になにかの模様がついているトランクスを凝視する。
無理だって!!
ハードル高いよ。これ!!
しかも、それがなぜか透明なプラスティック袋に丁寧に入っている。なぜ透明!!
透けるプラスティックの素材が呪わしい。
「聞きたくないですか、これ・・・会長のですか?」
「お聞きになりたいですか?」
「あ・・やっぱり聞けません。いまの質問はなしでお願いします。」
「あ、美代様、これは別にセクハラではございませんので・・・申し訳ありません・・・洗濯済みですし・・・」
もう無言で返答だ。いりません。その情報・・・
そして、また伊勢崎さんに連れられて、大原財閥の子会社の一つにたどり着く。今回はもうなんと!普段着で行けと言われた。時間が一刻を争うらしい。
といっても、普段着はジーンズにスニーカー、しかも上は青いタートルネックのセーターだ。
まあ完全に一流企業の中を歩いている人には見えない。
受付を済ませる。例の物はカバンの中にしまってあるので外からは見えない。係の人が会長がいると思われる上層階の部屋まで案内してくれる。
正直、ここで誰かに手荷物検査でもされたら・・・完全に変質者扱いだろう!!
バックのなかの男性モノのパンツが、自分にとっては完全に不審物だ。
心拍数が半端なく上昇する。
係の者に案内された場所を確認する。
え?会議室。
背中になぜか、ぞーーっと悪寒が走る。
本当にあの悪魔の忘れん坊がこれを望んでいるのだろうか?このパンツを??
どんな羞恥プレイなんだ???しかも、会議室!!
パンツ、しかも絶対使用済みでも洗濯済みっという訳わからないブツが、重要な会議にかけられているのだろうか????
心を強くもって、もう一度真田に連絡をする。
「さなださーーーーん!! まじですか? 本当に?」
本当に?とまじですか?を電話口で連呼する私。
日給はいいけど、こんなドッキリ放送的な仕事・・・私の心臓は持つのだろうか?
「美代様。お願いします。そのドアを思い切って入ってください。いまです!!!」
「やっぱ、無理です! 真田さん!!」
「美代様!!休日手当おつけしますから!!」
「!!!えええ!!!」
「休日手当は*****!!」
私は真田さんに言われた通りに行動した。
真田さんは前言を撤回したほうがいい。美代はお金に心を動かされた!
まず、ノックをする。中から、『なんだ!!』と男の声がして、邪魔するな感が半端じゃない。
えええーーい! 日給2万円!! プラス 休日手当!!さらに1万円!!行くぞっと心を決めた。