銃弾は500発まで
今話から主人公が米倉二等兵となります!
甲斐国 新府城
神歴33年9月20日
「第2歩兵分隊 長田軍曹他1名 入ります!」
隊長室に入り、扉を閉める。
中隊長に対し敬礼。
「おう、よく来た。楽に休め。」
「休め!」
長田軍曹の号令で休めの姿勢をとる。
「長田軍曹、…米倉二等兵、先日はよくやってくれた。吉田一等兵は残念だったな…」
「恐縮です。…はい、彼は非常に優秀な兵士でした。」
「うむ。さて、特に米倉二等兵は心の整理が着いていないだろうが、何分人出不足だ。
2人に新たな任務を達する。
まず1つ。回収した銃とこの文書を甲府まで届けて貰いたい。
2つ、先日救助した商人を雁坂村まで送り届けて欲しい。」
「…商人、ですか?」
(確かに、商人を我々軍人が護衛するなど、聞いた事無いですね。)
「ああ、何故?とは思うだろう。あの商人、なかなかの大御所に所属しててな。上から、無事送り届けよとの事だ。」
(なるほど、そういう事ですか。)
「了解しました。」
「出発は明日の朝だ。頼んだぞ!以上。」
「気を付け!帰ります!」
敬礼、回れ右、退室。
2人は荷物である銃と文書を持って、保護されている商人の元へと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
※ここから喋る人間が多くなるので、「の前に名前の頭文字を入れます。
部屋に到着し、商人らと顔を合わせた2人は自己紹介をする事にした。
長「今回お2人を護衛する事になりました長田です。こっちは米倉二等兵です。よろしく。」
米「よろしくお願いします。」
商「いえいえ、こちらこそ!えっと、どうもご丁寧にありがとうございます。甲州商人連合の 竹中ミツト と申します。」
護「護衛の陳レイ です。…先日は、どうも。」
(なかなか無愛想な護衛ですね…少しオドオドしている商人。私と同い年位かな?)
長「明日からの行動予定を伝えます。
まず甲府に向かいます。1泊せずとも着くでしょう。
甲府で夜を明かしたのち、雁坂村へ向かいます。
雁坂村までは1泊で着く予定です。
出発は明日の朝。準備をしておいて下さい。」
竹「はい!分かりました、お願いします…」
◇ ◇ ◇ ◇
「さて、明日の準備をしましょうか。
遠征は初めてですし、気張って準備をしなくては!」
食料は2日分持って行く。
中身は乾飯や干し肉、帝国製の缶詰だ。
甲府で補給するが、1日分は予備で持つ。
救急道具や地図、コンパス等の確認も終おわった。
「後は散弾銃の整備を軽くしておきますかね。あぁ、眠いなぁ…」
独り言を呟き、欠伸をしながら米倉は武器庫へ向かう。
◇ ◇ ◇ ◇
ガチャッ
米「あ、お疲れ様です!」
武器庫に入ると、長田軍曹が64式小銃の整備をしていた。もうほぼ済んでいる。
長「お、米倉。丁度良い時に来たな。拳銃携帯の許可が下りた。
向こうの1つ取れ。」
(やった!)
「はい!」
長「…違う、ニューナンブM60だ。」
(おっとっと…危うく9ミリ拳銃を取る所でした…
しかしこれ1つあるだけで安心感が違いますね〜!)
「では、これも整備してから寝ますね。他の準備はできてます!」
長「了解。また明日。」
(寝る時間が短くなってしまいましたね…
さて、やりますか!)
ヒノモトノタビ、お読み頂きありがとうございます。
商人の竹中、護衛の陳はプロローグの2人です。
また人物一覧を更新します。