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ヒノモトノタビ〜東方軍人録〜  作者: イチ
第1章 甲斐国 2人の二等兵
4/17

出撃の夜

新登場人物

米倉モトキ 二等兵 飯野の同期。丁寧。

長田ジョージ 軍曹 飯野の所属する第2歩兵分隊の分隊兵曹。物静か。


今話は戦闘にするつもりが、戦闘準備と道中で終わってしまいました…orz

申し訳ないです!

甲斐国 新府城

神歴33年9月16日


装備を整え、最後に銃の薬室を点検する。頼りはこいつだけなんだ。


「飯野!これも持ってけ!」


立野上等兵からナタを渡される


「ああいう手合いは半分以上頭がおかしくなっとる。突っ込んでくる奴が必ずいる。銃剣は無いだろ?それ貸すからなんとかしろよ!」



「あ、ありがとうございます!」


出来れば使いたくないな…


「飯野!立野さん!行きましょう!」


同期の米倉だ。A303ショットガン《散弾銃》を携えている。

あいつは訓練兵時代も成績が良かった。自分が肩にかけているオンボロとは雲泥の差だ。

ため息が出る。



◇ ◇ ◇ ◇


「狙撃班は既に配置へ向かった。

諸君らは村の入り口から進入し、敵が狙撃班に背を向けるよう誘導してもらいたい。

弾は無駄にするな!だが、1番失いたく無いのは人員である。しっかり状況判断の上で村人の保護を行え。

また、敵の1人が突撃銃を所持しているとの情報も入った。これの回収も任務とする。以上乗車開始!」


「馬車…?おいおい、軽トラ《輸送車両》じゃないのか!?上は何を出し渋ってるんだよ…燃料不足ってか?」


「立野、無駄口を叩くな。」


分隊兵曹の長田軍曹に咎められ、立野上等兵は口を噤んだ。


◇ ◇ ◇ ◇


ダカカッダカカッ ガラガラ

馬車が夜道を駆ける。前方が明るく、空が霞む。村が燃えているのだ。

新府城の城外拠点でもっとも遠いC区は比較的警備も強化されていた。大型獣蟲ならいざ知らず、野盗なぞにやられるものか?


「くっそケツ痛え…なんで馬車なんだ?どーして燃料の出し惜しみなんかする…どう思うよ米倉?」


「そうですね…何かに備えてるんですかね?最近、送られてくる武器も前より状態が良くなってますし、弾薬も多めだと需品科の者から聞いた覚えがあります。」


「その割には俺たちにまで回ってこねぇんだな…」


「もうすぐ着くぞ。総員弾込め。」


「弾込め」


長田軍曹は落ち着いた低い声で令した。

自分も復唱し、弾を込める。

立野上等兵は64に銃剣を取り付けている。


スン と鼻を鳴らす。焼け焦げた匂い…だがそれだけではない。何か分からないが思わず顔をしかめてしまった。


チラと長田軍曹を見る。眉一つ動かさず前方を直視している。戦闘前にこの落ち着き様はやはり経験か。


視線を立野上等兵に移す。眉間に皺を寄せ目を閉じていたが、自分の視線に気がつくと「落ち着け」と口を動かす。この人を嫌いになれない理由だ。


もう村は目の前。人間と戦うのは今日が初めてだ。緊張の余り右足のみガクガクしている…



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