プロローグ
初投稿です。よろしくお願いします。
プロローグ
ヒビ割れたアスファルトの上を3人の男達が必死に走っている。
周囲はガレキの山で囲まれ、走る方向が限られてしまう。
天気は曇り。空を余すこと無くどんよりと雲が覆っている。
「ハッ…ハッ…ハッ…」
クソ、しくじった…!初めて任された新府城での仕事を終え、慢心していた…!
雁坂村までの金が惜しくて護衛を減らしたのに、荷車を引く 双頭牛 は喰われてしまった!なにより命を無くしたんじゃ元も子も…
「旦那ぁ!前!」
ハッと頭を上げると、数百メートル先から3頭の ラプトス が迫ってくるのが見えた。
後ろからは5頭追いかけて来ている。
周りはガレキの山。逃げ場なし。
だが、後ろの5頭はまだ遠い!
「前から来てんのを殺るぞ!1人1頭だ‼︎」
ラプトス。普段は4足歩行だが、獲物を追いかける際に2足歩行となるトカゲだ。
過去の狩猟記に登場する生物から名付けられた。
軽快な動きとは言えないが、人間と同等のスピードを出し、集団で狩りを行う。
体長は1メートル半程度だが、飛びかかられれば即座に咬み殺されるだろう。
護衛は連弩、M500散弾銃を構える。
自分も9mm拳銃を構えた。
今思えば何故こんな装備で、しかも非正規ルートを通ってしまったのか。後悔が込み上げる。
「撃てぇ‼︎」
敵を引きつけ、引き金を引く。
連弩から放たれた毒矢は確実に腹に刺さる。
私は何発か外したが、偶然にも頭に命中した。
…右から銃声がしない。ギョッとして右を見る。
「あ、ああ…」カチカチ
彼は目を見開いて前を見つめ、何度も引き金を引いている。
どうやら不発弾だったようだ。
ドッドッドッダンッッ!!
「シャアッ!!」
奴が飛び掛かる
「ゔぁああああぁああ‼︎‼︎」
一思いに首を噛みちぎれば幾分か楽だっただろう。
しかし、飛び掛かった 奴 が噛み付いたのは、彼の 顔 だった。
皮が剥がされ歯茎が剥き出しになる。
彼は手足をばたつかせ、必死に抵抗するが無意味だ。
その光景から目が離せない。手が震え、足が竦む。何も出来なかった。
自分の中からみるみる何かが無くなっていくような感覚に陥る。
そんな中、次矢を装填した護衛が毒矢を放つ。
不幸にも奴の首を射抜きそのまま下敷きになった彼に突き刺さる。もう彼はダメだ。
「マズイですよ旦那!もう奴ら来てます‼︎‼︎」
時間をかけ過ぎた。後ろの5頭が追い付こうとしている。
弾倉を交換する。半ば諦めながら拳銃を撃つが、1頭を仕留めるのみ。
「あー…もう、ダメだな…」
ぼんやりと呟くと、何処からか軽快な足音が聞こえた。
ドタタッドタタッドタタッ
窮地に現れたのは、89式小銃を携えた甲斐国軍の竜騎馬兵だった。……
稚拙な文章でしたが、最後まで読んで下さりありがとうございます!
もし良ければ、続きもお楽しみ頂けたらと思います。
それに合わせ、登場人物、武器等の説明をまとめましたので、そちらもお役立て下さいm(__)m
http://ncode.syosetu.com/n1683dk/
今後ともよろしくお願いします。