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第六話 『どうやらロアナに『後ろから突いて』とお願いされたんだが、その話を聞いて欲しい』

ドガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァン


気がつくと、目の前に砂煙が起こり、蟲王の姿が消えていた。

そして代わりに現れた顎にホクロのある青年。

「ずうううううううっっっっっっっとシカトしてんね!!!!!!!」

セイはロアナに指差してそう言った。

「あ、あんた誰!?!?」

「いや、『あんた誰!?!?』って!!!さっきからずっと居ましたけどね!!」

その言葉に思わず眉間に皺を寄せ、ロアナは「嘘よ!!」と反論する。

「嘘ついてどうすんだ!!あーあー、きっと目に入ってなかったんでしょうね!!ずっとクライマックスでしたもんね!!ずーーーーっと、さ!!」

セイは声を荒げながらいじける様に言った。

「と、とにかく一般人は早く避難しなさい!!どうやってここに来たのよッッッ」

ロアナは腰に手をやり、つり目でマジマジとセイを見つめた。

上から目線のドSフェイスだ。

「いや・・・、そ、それは」

セイは『自分の願望を千回寝る前に行ったら異世界に来た』と言おうとしたが、そんな事を言えばあらぬ疑いを掛けられる。

「とにかく、あのムカデをやっつけないといけないんでしょ?」

と、今の状況に話を反らし、もとい戻した。

それが功を奏したのか、ロアナは我に帰る。

「そ、そうだ!!ヤツは???一体、何が・・・」

その答えを知るのは一人しか居ない。

目の前にいるこの青年。セイだ。

「グウでトーンした」

セイはそう言うと、握りこぶしを作り金槌のように振った。

「ぐ、グウで・・・、と、トーン・・・?」

「そう、グウでトーン」ともう一度同じ素振りをする。

「こう、トーンってやって、あっち」

セイの指差した先には、新たな砂埃が巻き起こっていた。

言っている言葉は分かったが、ロアナはその意味自体が解っていなかった。

「い、一般人が・・・、ど、どうやって・・・!!!???」

とその時、ロアナはハッとしある事に気づいた。

セイの体から緑色に光る湯気の様なものが立っている事に。

「あ、あんた。根源者ソーサーなの?」

セイは一瞬意味が分からなかったが、さっきセレナがそんな事言っていたと記憶を司る。

「あぁ、えっと君達を見てる限り、多分そう、願い通りなら」

と自分が千回口にした『魔法は、女の子と融合して撃つ方法』という願いを思い出し、首を縦に振った。

「あんたなんてランキングで見た事ないけど!?」

というロアナ質問に、『二級上位』と言っていたセレナの言葉を思い出し、『きっと強さを聞いてるんだな』とセイは解釈する。

「チート並に強い・・・はず。願い通りなら」

と言う。

ロアナは唾を飲みながら、覚悟を決めたように一度頷いた。

(背に腹は代えられないっっっっ!!!!!)

そして「やったか?」とわざとらしく砂煙りに視線をやるセイの前で、ロアナは後ろを向いた。

「ね、ねぇ・・・・・・。お願いがあるの」

その声にセイはロアナの方を向き直ると、彼女は自分の尻をセイに突き出しながら恥ずかしそうに頬を赤くしていた。


「私を、私を、後ろから!!突いて!!!!!!」


「は、は、は、はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!??????????????」

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