第十六話 『どうやらピンク髮の巨乳ちゃんも軍服ブルマなんだが、その話を聞いて欲しい』
「それでは閉廷」
カンカンカン
ゴールドスミスは素早く三回打ち鳴らす。
それによって緊張は解けたが、うな垂れた放心状態のセイ。
「一度ロアナとは融合したんだろ?だったら大丈夫、7日あれば問題無いよ」
ロラルルが近寄りセイの肩を包むように抱いた。
セイはロラルルの微笑みに癒されながらも一抹の不安を過る。
「でも、でも、でも・・・」
「大丈夫。それに処刑とは言ってないだろ?『考慮に入れて再審』。つまりゴールドスミス氏も分かっているんだよ。君がスパイじゃないって。ただ、ロアナにあって一週間後にここに戻って来れば良い。それだけの事さ」
そう言ってセイを諭すと「じゃ、私はここで」と突然の別れを切り出した。
「え?」
「あとは部下が君の面倒をみるよ、実はこれでも忙しくてね。今夜は宿に泊まりなさい。ロアナに会うのは明日して、今日は疲れを取ると良いよ。何、ウェッルジーナの宿は素晴らしいから、きっと気にいる。それにゼクト准将のギルドが今夜の宿代を出してくれるらしいから」
「ゼクトってあの?」
それに不可解さを覚えながら「その代わりに、一人見張りを付けろと言われたよ。あの人も良く分からないな」とロラルルにも真意が測りきれていないようだった。
「えっと、ここを右か?てか、全然分かんないな、これ」
セイが評議会を後にして、ロラルルの書いた下手くそな地図を頼りに町の中を進む。
すると手をブンブンと振り一人の女の子が遠くの方に見えた。
「セイさんですよねー!?」と呼ぶ可愛らしい声がした。
「こっちですよー、あ!よいしょ、これこれー」
そして一人の女の子が「Dia セイさんWerucamu tuウェッルジーナ」と英語を完全に諦めローマ字に頼りきった、残念さの溢れる案内ボードを手に掲げた。
「お疲れさまでした。いきなり評議会だなんて災難でしたね!」
ピンク色の髪のゆるふわパーマをフワフワとさせながら、その女の子はセイに微笑む。少したれ目と上がった口角は、日頃から良く笑顔で過ごしているのだろう。
「ピンク髮の破壊力・・・。か、可愛い・・・」
「はじめまして、キャロル・マロルです」
ぺこりと頭をさげるとセイは「ぐは/////」と声を出した。
それはキャロルの胸元が原因だった。
率直に言うと、動く度に揺れる巨乳だ。
あまりの大きさに軍服の前が止められずにいる程だった。
ポインポイン、と効果音をつけたくなるほどのそれが、頭を上げ下げする度にセイの目の前で大きく揺れるのだった。
そして例によってのブルマとニーハイが、ロアナよりもさらにむっちり感を際立たせている。
局部が鋭角に、そしてお尻の膨らみに食い込むブルマは、『虹色』と呼ばれていたあのケモミミのロリッ子のカボチャパンツのようなそれとは同種のものとは思えなかった。
「いや、あれもあれで大好物です」
「え?何か言いましたか?」
「いえ、こっちの話です」
二人は宿に向かう為に、街中を歩き出した。