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現実世界でチートだった男が異世界に行ってもほぼチートだった件  作者: 松本隼龍


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二刀流と再会

「カナリ様!」「ご主人!」


一斉に塔の上を見上げて名前を叫ぶ一同。

山からの移動に具現化してきたのはパラグライダー。青少年活動とラジオパーソナリティ時代に地元の体験ルポで2回ほど飛ばさせてもらった。山の開けた斜面を全力疾走し浮いた後はゆったりしている様に見えるが時速は30kmは出る。装着の仕方に手間取ったが、あの谷を越え、再度上昇するのは2分少々だった。戦闘に集中している戦場で空中にまでは目が入っていないと踏んでの選定でそれはピシャリとハマり、何もされずに到着出来た。そして今使った武器は


自衛隊 軽機関銃 MInimi(ミニミ)


マックスで1分間に700発〜1000発弾丸を打ち込める代物だ。その場の人々は何が起こったかまるで分からない顔をしている。


「カナリ‥‥ってアイツか!」

ド・メキは2日前の夜に会った男だと気がついた。肉弾戦であっさりと取り押さえられ、復讐の対象者を同族ながら引き渡してくれたやつだ。その男が今回の助っ人だったのか!

 俺は塔から飛び降り、瓦礫を伝ってまずはイセの所へ。

「カナリ様!」

「思いの外移動に手間取りまして遅くなりました。怖い思いと重い役を任せてしまい申し訳ありません。ここからは私に。」

「カナリ様‥ ハルエが‥ハルエが‥。」

「大丈夫。チャルの回復が間に合って徐々に回復しているみたいです。」

「あぁ‥。」

俺の到着とハルエさんの無事に安堵したのか腰が抜けてしまったようだ。そこへ

「カナリ殿‥でよろしいですかな?私はここソーアの兵長エバッサと申します。此度の助太刀感謝致します。」

「礼はまた後で。まだ終わっていませんから。イセ様をお願い出来ますか?」

「ハッ!お任せください。」

立てないイセをお姫様抱っこで抱え上げてエバッサ兵長に預ける。エバッサはイセの状態を確認するが‥‥

「(あーコレ今までの緊張と安堵感が合わさってお姫様抱っこまでされちゃったもんだから吊り橋効果的なものになってキュンキューーン(笑)しちゃってる乙女の顔だわ)」

と、大丈夫な事を確信し、恋する乙女ってすごいなと感じるのだった。


そして俺は相手のトップに向き合った。


「さーて、始めるとしますか。待っていてくれるとは随分親切だね。ド・メキさん。」

一同が不気味がって手を出せなかっただけなのだがな。

「よー色男。アンタにはまた会いたいと思っていたよ。出来ればこの戦いの後にね。もしかしてあの時にはもう気づいていたのかい?」

「戦力差を見てもソーアがなかなか持ち堪えている所から、あの時出会った君が召喚士で、その所在が一時的に不在、であれば辻褄が合ったからね。まずその龍で牢獄を破壊、復讐の対象に逃げられ一時戦場を離脱、そして今に至る。この戦の勝利を条件に国からその復讐の許可も得てたって感じかな。」

戦力差とあの出会いだけでそこまで読めんのかよ。分析力ありすぎだろ。

「ガサの兵って事まで名乗ったのがミスだったか‥。まぁ全部がおっしゃる通りさ。この戦の後に退役して、一族の為に動くつもりだった。」

メキは肩をすくめ、キム◯ッファンの挑発ポーズみたいにため息をつく。

「先程空中からみたら西の方におそらくゴシマからの援軍も到着しつつある。どうだい?撤退してくれないか?その後約束通り君の相談に乗ろう。」

「それは出来ない相談だ。ここまで戦ってしまったらここで終わりじゃお互いに遺恨を残し過ぎる。」

見渡してみても多くの兵がここまできたのに、これほどまでに被害出しておいて撤退?と怒りの矛先を探す様な表情をしている。

「なるほど。落とし所を明確に互いが理解できるものに収める必要があると?」

「そういう事。そこでこんなのはどうだい? 我!ガサ国軍隊長ド・メキ!敵将カナリとの一騎打ちにてこの戦の進退を決める事を求む!」

メキは双剣の片方を掲げ、その美声で声高らかに宣言した。それで双方納得するのなら致し方なし。

「我加成剛志はそれに応じる!方式は?」

「もちろん!戦死、または降参で決まる、何でもありだ!」

その言葉を皮切りに、メキは踏み込み突進してくる。俺はイデアで小太刀を2本具現化して相手の武器に合わせた。

「あんたはそんな武器まで扱えるのかい!さっきの得体の知れない飛び道具だけじゃないのか!?」

「生憎、武芸百般とはいかないが20ぐらいは使えるよ。」

「充分だろ!」

メキの強烈な連撃を受け流す。その重さは自衛隊徒手格闘検定で身長が同じだからって組まされた体重30kg違う元柔道県代表の班長の蹴りと同等。腕痺れそ。

「うりゃあぁ!!」

双剣を下から撃ち込まれ咄嗟に十字で受ける。そのまま俺の身体は持ち上げられた。

「貰った!!」

そのまま浮いた俺を狙って身体を捻って右の刃を振り下ろす。

雪国育ちの俺はスキーのモーグルの大股開き技「コザック」の要領でそれを躱し、「キン◯マ縮み上がるわ!」と思いつつ事なきを得たと同時にその剣をインサイドパリイで身体の内側へ追いやる。相手の右脇に隙が出来る。着地した瞬間その隙を目掛けて技を繰り出す。小太刀二刀流で両方逆手持ち、我々世代がその状態で繰り出す技といえば!

「回転剣◯!六れろっ!?」  ペンッ

発動直前で翼で弾かれた。

「ざんねーんってね。」

どこぞのギター侍か!くっ!中学時代の山修行で散々練習したのに!そのままメキも立て直して再び連撃を繰り出してくる。

「助っ人さん頑張れー!」「隊長!勝ってください!」

斬り合いの最中、両者の応援が飛び込み始めた。これでこの勝負の結果でこの戦の落とし所にするとここにいる者達が認識し、納得した合図になった。ここで両者距離を取る。

「自分の慣れた武器に合わせられてここまで対等に戦われちゃあ1から修行のやり直しでもしたい気分だ。だがそろそろ終わりにする!!」

たっぷりと助走をつけたメキの一撃が向かってくる。それを見て俺も身構えてどちらの剣からくるのか重心を探っていた。が、しかし‥‥刃は飛んでこなかった。



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!


「カナリさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

代わりに飛んできたのは黒龍のブレス攻撃。メキは自分自身を目眩しに使いこの一撃を狙っていたのだ。

「まともに食らったな‥。倒すには惜しい男だったが悪く思わないでくれよ。戦争だからな。」




‥‥‥‥‥‥‥へ?





そのブレスの炎が晴れてきた時‥‥俺は‥‥ノーダメージだった。



2人と1匹、そして周りの観戦者全員が首を傾げる。


「あるぇーー?」

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