到着とブチ切れ
3/26 初の1日100pv達成! ありがとうございます!
「あなたは!?」
突如現れた少女に前線は救われた。この少女がもしかして‥
「私はイセ・シマ・スズカ!ここソーアの巫女であるシキブ・ウコン・サガミの姪にして、ミヤーザ国一級魔法使い!助っ人に馳せ参じましたわ!」
やはり!シキブ様の仰られていた通りの強さ!これは心強い!しかし‥
「隊長様とお見受けします!一度地上戦闘兵を下げて回復に当たらせて下さい!そして代わりに魔法兵の方々を前線に!」
「しかしそれでは!?」
魔法兵をむざむざ消費する事になってしまう!だがこの少女は微笑みながら
「大丈夫ですわ。この状況を‥‥私の『未来の旦那様』がひっくり返してくれますわ!」
「おお‥。」
その未来の旦那様というのがシキブ様が言われた一緒に来られるという強力な助っ人の事なのだろう。どうであろうと、この状況ではすがる他ない!
「さっ!早く!先程の炎を避けるために離れたランフォーが戻って来る前に!私の障壁で撤退を援護しますから!」
「承知致しました!しばしよろしく頼みますぞ!」
急いで兵達を下げ、その逃げ道をイセが確保する。ランフォーが来るまでの時間との勝負であった。エバッサが後方に着く頃にはチャルが癒し手に加わり、次々と傷を回復させていく。エバッサは魔法兵を呼び、
「前線にて援軍到着!今一度前線に向かってくれ!」
昨日から聴き続け、待ち望んだ援軍到来と聞いて魔法兵達は前線を交代する。だが出たは良いが彼らはひどく怯えていた。またやられるかもしれないという思いが頭を駆け巡っているのが表情から読み取れる。
「アイツら撤退したかと思ったが魔法兵を出してきやがった。そんならそのままけしかけるか!」
それを見た魔人族の兵が口笛を吹き、ランフォーを呼び寄せた。
「キエァアアアアアア!!」
「ヒィ!!」
案の定ランフォーの鳴き声が木霊する。魔法兵は体が硬直したが次の瞬間、
パスンッ ドサ‥‥
ランフォーが‥‥力無く墜落した。
「はぁ?!どうしたんだ?!」
魔法兵も魔人族の兵も異口同音に同じ事を口走る。そう思っている最中も次々とランフォーが墜落していく。
「一体どこから‥。」
魔法兵も魔人族の兵もその攻撃がどこからなのか全く把握出来ない。それもそのはず、攻撃は谷を挟んだ山の中腹から。距離は600mほど離れているのだ。
陸上自衛隊 ボルトアクションライフルM24 SWS 「対人狙撃銃」
スポッター(観測手)はいないけど、この距離でこの見開き、スコープありなら余裕だ。元々の視力に加え、小銃のスコープ無しで400m先の心臓を外さない射撃能力を持ち合わせている俺にとって、スコープはむしろ光の反射でバレるから嫌だが、戦場と谷の距離を考えると、谷風もあり、正確に当てるのが難しくなる為この銃を採用した。
「確認できるランフォーは後15匹か。一気にやるぜ。」
イデアでの弾数を気にしなくて良いのは本当に楽だ。俺は銃身が熱を持って弾が走り過ぎる事も計算に入れてランフォーを片っ端から撃っていった。
「ランフォーが居なくなった!」
前線ではその事に魔法兵が気づき、目に輝きが戻る。ここで頼まれていた号令の出番だと察し、イセは声を上げた。
「さぁ魔法兵の皆さん!私の未来の旦那様が道を切り拓いて下さいましたわ!ここ数日の魔法が使えぬ鬱憤を存分に晴らし!ソーアの魔法兵の本来の強さを見せつけてやりましょう!!」
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
魔法兵の士気は大爆発! 炎、風、光と次々に魔法弾が魔人族を襲う!
「はっ!ランフォーがいなけりゃこっちだって魔法を使えるんだ!」
敵も魔法弾を撃ち返してくる。だがそれは途中で『反対の属性の魔法弾』で打ち消された。
「させませんわ。」
同時に12の魔法を発動出来るイセは魔人族の魔法弾を瞬時に見分け、片っ端から相殺し、ソーアの魔法兵の弾を敵陣に届かせる。イセを狙う魔人族はハルエが応戦し、叩き伏せる。戦況は一気にひっくり返った。
「イセ殿!ただいま戻りました!助太刀感謝致します!」
エバッサ兵長が現場に戻り、大剣を構える。
「お礼は後ですわ!すぐに他の戦線との横翼陣の展開指示を!ハルエ!あなたも伝令に走りなさい!防衛線を押し上げます!」
「「承知!」」
一端の将軍の様なイセの戦況把握と指揮と実力に本当に15歳の少女なのかと疑う間もなく2人は走り、横陣で味方誤射の無いように隊列を組み敵を押し込んでいく。
「人間族め‥、急に活気づきやがって‥。」
「軍隊長、どうしますか?各地で戦況が一変していますが‥。」
魔人族軍の軍隊長兼召喚士 ド・メキは悩んでいた。先程この副官兼歩兵隊長であるホタの召喚した火龍のブレスを巨大な障壁で弾き返された後、連れてきたランフォーは全て撃ち落とされ、状況が芳しく無い。誰がランフォーをやったのか‥を考えている余裕はなさそうだ。
「私が行って先程の障壁を繰り出し、こちらの魔弾を撃ち落としている奴を仕留める。副官はその間の陣頭指揮を頼む。」
「承知しました。」
私が直接仕留める。あとは魔力差と召喚で持久戦となっても勝てるだろう。
前線が街の中央から谷側である東にまで押し掛かった。やはりソーアの魔法兵の力は強い。これなら押し返せる。イセはそう思い始めていた。 だが、ここまで先程のような大きい炎の波やらが襲って来ない事にも同時に疑念を抱く。
「いつ飛んでくるか分かりませんわね‥。」
「そう。魔法が飛んで来るとは限らねぇ。」
「!!!??」
ガキィーーーーーーン!!!
突如目の前に飛来した人物の一撃を障壁で何とか防いだが私の体は反動で吹っ飛んだ。瓦礫に背中を打ちつけ、激痛が走る。
「くはっ‥‥。」
「まさかこんなお嬢ちゃんが戦況をひっくり返してくれてたとはね。ここ数日は意外な事だらけだ。じゃ、あばよ。」
メキの双剣がキラリと光り、無情に振り下ろされる。
バコォオオオオオオンン!!
メキの攻撃は盾で防がれ、その直後、横っ面に拳が叩き込まれた。
「お嬢様に‥何してくれとんじゃワレェ!!!!」




