プロローグ
「アナタ、【喪女】ですね」
「はい?」
仕事から帰った後に気分転換のために来た近所のカフェで、HMDを装着したスーツ姿の細身の青年にいきなり絡まれた私は、
高天テルコ 31歳@今日が誕生日 独身
目の前には、窓際にあるスクエアテーブルの対面に仁王立ちするやや長身な青年。
でかいゴーグルの形をしたHMDを付けているので顔の大半は見えないが、初対面であることは間違いない。
「まぁ、座りなさい」
「あ、どうも」 ガチャ
着席を促したら、素直に正面の椅子に座った。
何処の誰だか知らないけど、まず言っておきたいことがある。
「【喪女】ってね、女性に対してすごく失礼な言葉なのよ」
「えっ? そこですか?」
「だからアンタ。私と話がしたいんだったら、カウンター席にいるあの【ハ●男】に【●ゲですね】って言ってきなさい」
ブーッ ガシャン
「ちょっとテルコさん! いきなり何言いだすんですか! 聞こえてますよ 失礼ですよ 男性に対して【●ゲ】は禁句です! 常識でしょう!」
カウンター席の【ハ●男】がコーヒーを噴き出して、店内の雰囲気が凍り付いたけどそんなことはどうでもいい。
「あぁん? 初対面の女に平気で【喪女】は言えるのに、知らねぇ男に【●ゲ】は失礼ってかぁ? 一体どういう常識持ってんだぁ? えぇ?」
「え、ちょ……、それは……」
「どいつもこいつも! 【喪女】だからってナメてんじゃねぇぞ ゴルァァ!」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ガシャーン
高天テルコが31歳の誕生日に遭遇した出会い。
これが、1年間にわたる【魔法喪女】の活躍の始まりだった。
●オマケ解説●
氏名:高天照子
年齢:31歳
星座:乙女座(9月生まれ)
身長:157cm
体重:【滅殺案件】
属性:貧乳モブ
職業:喪女