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骨の髄まで

作者: 黒楓

今日は男目線です。

この骨酒は……さっきのアジを焼いたのかい?

いや、難癖じゃねえんだ!

骨酒は鮎やフグヒレで馴染みがあるからよぅ、アジも乙だなと思ったのさ!


ああ、今、思い出した。

昔のオンナの事。

アイツ、三枚おろしにしたアジの身は()()()にしてオレに食わせて……自分は中骨を骨せんべいにしてたっけ!


オレはどうしようもないクソだからさ!

自分だけ()()()食って……骨せんべいでメシ食ってるアイツの事を「お前ネコだな!」と嘲ってた。


だからよぉ!

アイツがオレの前から消えた時

「他にオトコ作って逃げやがった!」って思って

泥棒猫を縊り殺してやろうと探し回ったけど見つからず、オレはネオンの下で腐っちまった!

ああ、そうさね!

反吐のにおいだけじゃねえよ!

オンナどもを食い散らかした後の……

安ホテルの黴臭いにおいもしっかり嗅いだ。

そうやってウザい未練を消し去ってアイツの事は忘れちまったと思ったのよぉ!

こんな風に不意に思い出す。


痛てえな

うん!

痛てえ!


ひょろっとしたアイツの兄貴に一発殴らせてやったんだけど

あの日から親知らずが痛くってよぉ

冷てえ酒は滲みるんだ。


アイツ?

アイツは骨になってた。

それを知ったのは……

随分後になってからでさ


アイツ……オレの所じゃ死ねねえから……


だから逃げたって判ってよぉ~

オレは土下座して

遺骨をひとかけ分けてもらった。

そいつを玉になる様に磨いて

粉は煎じて飲み、

玉は()()に頼んでオレの()()へ埋めてもらったよ。

これは自戒で……

「二()に見えず」ってやつよ!


まったくよぉ!

今更なんだがよ!


惚れてたんだな……


何だっけ?

あったろ?

『骨まで』って繰り返す唄が……


オレ、あれ聞くと

泣けちまって

こうやって

酒で紛らわすのさ


骨の髄まで滲み込んだ

アイツと飲みてえからよ



残念ながら男前ではありませんが……“男装”黒楓はいかがだったでしょうか?(^_-)-☆




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