更に古い日記
ルミがその日記を読む。
「昭和61年3月3日 ユウヤが謎の光に包まれて何処かへ消えた。そこらじゅう探しても見つからない。きっとパラレルワールドに行ってしまったんだ」
ルミは読み終わると、不安そうな表情でカオリを見つめた。カオリもまた、その内容に驚きを隠せなかった。
「パラレルワールド? 本当にそんなことがあるの?」カオリが疑問を口にした。
「わからない。でも、この日記の書き手は本気で信じていたみたいだね」
とルミは答えた。
その時、僕は二人の顔を見て、何かがおかしいと感じた。この日記はただの作り話ではない、何かもっと深い謎が隠されているのかもしれない。
「ねえ、トモヒロ。この日記のこと、どう思う?」
ルミが突然僕に問いかけてきた。
「正直、信じられないけど。でも、もし本当だとしたら…」
僕は言葉を選びつつ答えた。
「そのユウヤって人を見つけることができるかもしれない。」
「どうやって?」
カオリが尋ねた。
「まず、この日記を書いた人を探さなきゃ。きっと何か手がかりがあるはずだ。」
僕は熱心に言った。
カオリとルミはうなずき、僕たちは手分けして日記を書いた人物を探すことに決めた。山奥の高校に隠された秘密を解明するための冒険が、こうして始まったのだった。