古い日記
カオリは、古い日記を読んでいた。
「昭和61年3月1日 実験失敗もうだめだ。ユウヤを止められない」
彼女の顔には困惑の色が浮かんでいた。僕はその場に居合わせていたが、日記の内容が気になって仕方がなかった。
「カオリ、それは一体何の日記なの?」
僕は思わず尋ねた。
カオリは少し考え込んでから答えた。
「これは私のおじいちゃんの日記。ずっと倉庫にしまってあったんだけど、今日たまたま見つけたの。」
ルミも興味深そうに覗き込んできた。
「ユウヤって誰なんだろうね。それに、実験って何のことだろう?」
カオリはページをめくりながら続けた。
「おじいちゃんはこの山奥の高校で教師をしていたらしいんだけど、何か大変なことが起きたみたい。それ以来、ずっとこの日記は封印されていたんだと思う。」
僕たちはこの謎めいた日記についてもっと知りたくなり、カオリの提案で放課後に倉庫を探してみることにした。もしかしたら、そこにさらなる手がかりが隠されているかもしれない。
その日の放課後、僕たちは古い倉庫に向かった。扉を開けると、ほこりっぽい空気が漂い、古びた家具や書類が積み重なっていた。
「ここに何か手がかりがあるはずだ。みんなで探してみよう。」カオリは決意を込めて言った。
僕たちは手分けして倉庫を捜索し始めた。すると、ルミが古い箱を見つけ、中からもう一冊の日記を取り出した。
「これもおじいちゃんの日記みたい。昭和61年3月2日って書いてある。」ルミが言った。
僕たちはその日記を開き、中を読んだ。
「昭和61年3月2日 ユウヤは実験の影響で変わってしまった。もう元に戻ることはない。でも、彼を放っておくわけにはいかない。何としても解決策を見つけなければ。」
この日記に書かれた「ユウヤ」とは一体誰なのか?そして、どんな実験が行われたのか?僕たちはますます深い謎に包まれていくのだった。