初配信
「あーあー、えっと……聞こえてますか? あれ、マイクの設定……は大丈夫そうだな。よ、よし」
〈え!? 〉
〈……え、ほんとに男の人の声が〉
〈あれ……ボイチェンとかじゃないよね〉
〈事前に男性だと告知されていたけどどうせ嘘だと思って荒らそうと色んなAA準備してたのにほんとに男の声が聞こえてびっくりしてれ〉
〈↑句読点が無いほどに凄い勢いでチャット打ってそうだし、最後誤字ってるから本当にびっくりしてそう。てかわざわざ荒らすのにAAなんか用意してくるって……どんだけ今まで男性配信者詐欺に遭ってきたのよ……あと主の声好み。推しになりました〉
〈えー! 声かっこいい! なんか作ってない感じというか飾ってない感じというかさ! 〉
〈わかる! 〉
金曜の夜9時は配信者にとってはゴールデンタイム。
多くの人たちが仕事や学校が終わり土日という二日間の休日が待っていることもありルンルン気分で家に帰宅済みで……そうでない人も結構いるな。
いや、まあ……それはそれとして、恐らく多くの人たちが夕飯を済ませてお風呂に入り、スマホでネットサーフィンしてる時間帯だ。
つまり視聴者という母数が増えることで相対的に底辺の配信でも同接が見込めるのがこの時間帯なのだ。
これは前の世界でも同じだったので、例えば本当に並行世界があったとしてもきっと金曜の夜9時は比較的多くの人たちが悠々と過ごせる時間帯なのだろう。
だから記念すべき初配信も同接が上がりやすいゴールデンタイムに肖って実行したのだが……
「……え、あれ。幻覚、か?」
配信開始してから1分……同接数121
画面に映るその数字に俺は思わず目を擦った。
「いや、幻覚じゃない。121人も今は俺の配信を見てくれてるのか……」
嬉しい……! ほんとうに
前世では鳴かず飛ばずだった俺の過疎配信が……男女比ブースト+金曜夜9時というゴールデンタイムブーストにより121人の同接を達成することができた。
……寝て起きたら変な世界になってて絶望したけど、変わったのは男女比と世間の貞操観念と社会のシステムくらいだったので一週間くらいなんとか順応? とは行かずとも幾分か慣れることは出来た。
何故か家族構成も変わってていつの間にか俺に妹が出来てた時は流石にちょっと慣れなかったけど、容姿は俺とは違って端麗だったので役得……な訳もなく、正直俺からすれば他人に近いので家にいるときちょっとストレスを感じる。
というか母親の顔も若くなって美人になってたのは一番なホラーだ。正直、『この世界』で俺からすれば初めて母親(?)と妹(?)に会った時は苦笑いで誤魔化して恐怖のあまり部屋に引き篭もった。当然だ、ここ20年ずっと一緒に過ごしてきた母親の顔が別人のように若返ってて美人になってたら──存在しないはずの妹がある日突然存在していたら普通の感性であるなら怖がらない方がおかしい。
しかも事あるごとにそんな家族から「……優しくなってくれてうれしい」とそう言われるのだ。存在しないはずの妹に関しては置いとくとしてだ、普段からやれ「就活は大丈夫なの? あんたの小学校の頃の友達の健太くんは大学二年生から結構色んなことしてるみたいだけど……あんたゲームばかりしてるじゃない。そんなやってたらバカになるよ」とか「あんた夏休みなのに家から出ず何やってるの……彼女でもつくりな。髭も剃ってない……清潔感なきゃ彼女どころか友達にも愛想尽かされるよ!」とか色々と口を開けばお節介なことしか言わない母親だったのにいきなり「最近、良い子になってくれて嬉しい! お母さんは智弘のこと大好きよ!」と言い出したんだぞ……?
誰だよお前! と言いたい気持ちはあるものの、普段からそんなに褒めることはなかった母親から褒められたのでちょっと悪い気がしないでもなかったりした。まあ、それでも顔とかスタイルとか諸々が別人のように変わっているため、やっぱりそこも含めて誰だよと言い出したい気持ちを抑えながら日常生活を送った。因みにこの世界では俺は大学生をしているらしい。前の世界では25歳で会社に勤めていたがもう一度学生が出来る歳に若返ったということなのでこの点に関してはこの世界にきて良かったと思えた点だ。
……しかし、男女比が1:3になってしまっている今、色々と男である以上は何かしらの事情でニートでもしてるのかと思ったら案外普通の学生をしているようで拍子抜けだった。
「うお、チャットの勢いすごいな。はっや!」
〈──みんな盛りすぎてチャット流れ速すぎwww〉
〈金曜の9時なんだから仕事帰りのネキたちも多いわけで、それも色々と疲れてる中で新しくて希少な男性配信者の初配信に立ち会えるのは幸運すぎるわけで〉
〈顔出ししてないのは残念だけど声だけでわかる。素で話してる感じがほんとうに好き……良い〉
〈いやほんとうに今日まで頑張ってきてよかった〉
〈【悲報】社畜ワイ、未だ会社から家に帰れずトイレの中で配信見ている模様〉
〈私は休憩室から〉
〈私は喫煙所から〉
〈私はタクシーの中から。因みに今から会社〉
〈私は飛行機の中から。因みに今からアメリカの支店の方に出張〉
〈私は布団の中から。因みに31歳ニート〉
〈↑通報しました〉
〈通報しますた〉
〈えぇ……〉
「……皆さんお疲れ様です。学生の身分の俺が言うのもなんですけど、いつも日本の社会が回っているのは遅い時間まで働いてくれて高い税金を納めてくれている皆さんのおかげです。この配信は簡単な挨拶とあとは軽い雑談みたいなものなんですが、配信を見てくれている人たちの一助になれば幸いです! 因みに学生である自分もほぼニートみたいなものなんで仲間ですよ」
……前の世界ではなくたとえパラレルワールドだとしてもどこでも日本人は働きすぎだと思う。前の世界で就活を怠って適当な会社に就職して案の定馬車馬のように働かせられたから、今配信にいる社畜の女性たちの気持ちも少しはわかると思う。だから今言った言葉はスルッと頭の中は出た言葉で一切淀みなく伝えられたと思う。心からの言葉は噛まないと誰かが言ったがその通りだと思った。
〈えっ……〉
〈……天使〉
〈神、様?〉
〈おとう、さん?〉
〈パ、パ? 〉
〈おぎゃああああああ〉
〈おんぎゃあ! おんぎゃあ!! (雄叫び)〉
〈うっわ……〉
〈きっつ〉
〈まあまあ、そういってやんないの……少なくとも彼女たちの言いたいことは分かるよ。伝え方が終わってるけど〉
〈実際、ここまで寄り添ってくれる発言できる男なんて珍しすぎるからね……しかもあんなに優しい声で〉
〈しかもニートにまでフォローを入れていく徹底ぶり。正直ここまで素で話してるのも鑑みると本心で言ってるのがわかるから尚更心に響く〉
〈ありがとう……ありがとう〉
〈初配信でいきなり社畜たちの心の救ってる配信はここですか〉
〈日本がまだGDP4位なの主が社畜たちの心の受け皿になってるからだろ。こんなこと言われたら誰だって仕事の生産性上がるって〉
〈人知れず日本の経済を救う配信はここですか?〉
〈一月後の日経平均株価が見ものだな〉
〈流石に一ヶ月でそんな上がりはしないだろうけど上がってたらすごいな〉
〈今北産業〉
〈①配信主はまだ自己紹介もしてないが声だけで女たちをメスに。
②しかもさらっと社畜やその他大勢の女たちの心を労ったことで救った。
③社畜たちの心救って生産性アップするし日本経済も救ってんじゃね? というとんでもない理論に飛躍してる←今ここ〉
〈とんでもないけど、案外とんでもなくないかもしれない〉
〈実際さっきの言葉が不思議と胸に入ってきて温かくなって……うん。確かに救われたよ、私は〉
〈仕事一筋で28歳まで色恋に現を抜かせなかったのに私今すごくキュンキュンしちゃってる。容姿や性格でもなく仕事を肯定されるのってすごく良いわね〉
……良かった。思ったより好感触みたいだ。しかし現に今配信で流れていくチャットを見ているのだが……こんな平凡な男相手に女の人も溜まってるんだなあ、と。この世界の神様何してんのかな。男女比狂ってるのどうにかしてあげなよ……
俺からしたら耳を疑うことなのだが、男の人口が少ないのが理由で出会いの少ない多くの女からのセクハラや性加害が大変多いらしく、登校で外を出る際には充分に気をつけるように母や妹から言われている。まあこの男女比が3:1だった場合は痴漢だけじゃ飽き足らず性犯罪の率が爆上がりしてもっとディストピア化してそうだと思ったので、良くも悪くも男女比のバランスってのは大事だなと。
……てか俺よくここ一ヶ月間精神保てたな……このパラレルワールドでこれまで生きてた俺の身体に違う世界の俺の精神だけが来てしまったことは理解したが、色々人間関係が様変わりし過ぎて精神に異常をきたすところだった。どれもこれも、配信という文化がこっちの世界にもあって、前の世界と同じように楽しそうにゲームを配信している配信者の姿をみれて安心できたお陰だ。
「えー、と、と言うわけで色々脱線しましたが皆さん初めまして! PoTESaR4って言います。趣味はアニメを始め映画とか見ることと専らゲームをしています! スポーツはサッカーが好きで特に日本代表の試合は必ず見るようにしています! 好きな食べ物は名前がポテサラっていう通りにポテトサラダが大好きで、ジャガイモを使ってる料理ならなんでも好きです……えーと、あとなんかあったっけな」
〈そういえば自己紹介されてなかった!〉
〈みんなが盛りすぎたから……〉
〈というかポテサラか。いい(恍惚)〉
〈名前が料理なのいいね! 私もポテサラ好きだからお揃いだね! (脳死)〉
〈おっそうだな(便乗)〉
〈というかゲーム好きでアニメ好きで映画も好きでサッカーが好きって完璧すぎない? THE女の趣味なのに見事に合致してる。理想な彼氏すぎないか? 〉
〈それな。勝手に彼氏にしてるのは置いといて本当に理想の男〉
〈うーんなんかここまでくると逆に信用できなくない?〉
〈は?〉
〈え?〉
〈ああ?〉
〈↑いや、まあその。気持ちはわかるけど実際もし狙ってるなら狙いすぎなくらいなのよ。だから少し疑っちゃうのも理解できちゃうわ〉
そんなチャット流れを見てふーんと唸ってしまう。
……男女比が狂ったこの世界だと俺がさっき行った趣味は女性の趣味になっちゃってるのか。すげえあべこべ感だな
「うーんなら何か質問していいですよ! 例えばなんの作品が好きなのかとか、このゲーム知ってるならこのシーン覚えてるよね? とかそういうので!」
〈え! いいの!〉
〈なら何にするよ。アニメから行こうか〉
因みにこっちの世界でのアニメを見てみたら配役は変わってなかったのだが、男が主人公のアニメは全て女主人公に成り代わっているだけで、元々の世界のアニメと基本的な展開や結末は同じだった。つまりタイトルもほぼ一緒で、結構なアニメを見ていた俺は結構自信があった。
〈じゃあポテサラくん! 今までポテサラくんが一番だと思うアニメは? 〉
なるほど。この質問の意図が読めた。読めたがどう返答しよう。正直、S級タイトルのアニメ以外にも明らかに低予算で制作されたなろう系のアニメも好んで見てたから結構どの作品に対しても面白いと思える感性だからなぁ。
でもやっぱり自分が見てきたアニメの中で一番綺麗な幕の引き方で終了したと思えるアニメは一つしかない。
「一番好きなアニメは……やっぱコードジアスかな。先ず主人公が復讐する側でしかもその復讐する先が母国なのが良いと思いました! それに多分作中で一、二を争うくらいには頭が良いように見えて、己の悲願のために突き進むも行手を阻む数々の強敵との信念のために立ちはだかるかつての親友や思い描いた計画と上手く行かない現実に人間らしく苦悩するのが最高に主人公してたと思う。あとロボットのデザインも良いしその戦い方がワイヤーで固形物を飛ばしてるのがまた良い! ……それにパイロット同士の因縁の対決が最高に熱い! あと最終回なんて見た後結構な時間放心してたくらいには、本当に色んな意味で綺麗な幕引きだった。正直あの作品ほど綺麗にエンディングを迎えた作品は類を見ないと思う。間違いなく最高のアニメだと思います! ちなみに作中で一番好きなキャラは【オレンジ】です。分かる人にはわかると思う!」
そうして早口で語ったあとのチャットの反応がまた面白かった。
〈──疑ってすみませんでした〉
〈申し訳ありませんでした〉
〈とにかく男なのにあなたが生粋のアニヲタなのが充分理解できました。最高です〉
〈立派なアニヲタなのが理解できました〉
〈お詫びとして全裸になりました〉
〈↑全裸になりますじゃなくて全裸になりましたっていう事後報告だからかあくまでも全裸になることを却下させない硬い意志を感じて私は好きだよ〉
〈↑私は嫌いだよ〉
〈でもそこまでコードジアスが好きならアニメ初心者なら絶対戸惑うあのキャラの作画を二期まで見終えたってことだから正直その時点で色んな作品も見てるのは確定してるのよね〉
〈コードジアスは作画が少女漫画風で現代のアニメに見慣れちゃってる人からすると少し見にくいのは確かだからね〉
〈それ加え結構コッテコテのロボットアニメだから尚更普段からカジュアルなアニメしか見ない男からしたら忌避されるところを完走しちゃってるのがポテサラくんってわけだ〉
〈優しくてアニメやゲームの話しても引くどころか盛り上げてくれる。こんな理想な男がいていいんですか?〉
〈実際いるからなぁ〉
〈奇跡だね。この世の奇跡だよ〉
〈その分だとロボットアニメは結構見てるとして、他に何か好きなアニメはあるの?〉
〈たしかに、それ聞きたいかも〉
〈例えば感動系だったら?〉
お、またきたな。ふふん。それについてはもう答えが決まってる。
「感動系だったら……この花かな。夏という季節を感じたければこのアニメだと思うし、地元の友達とまた会いたくなる気持ちにさせるって言うか……あの幼馴染たちの関係が等身大な感じするからすごく共感出来るんですよね。昔は気楽だったのに、歳を重ねていくと知らぬ間に取り巻く環境が変わっていってその時近くにある関係を優先するが故に相対的に幼馴染たちとの関係性もぎこちなくなって……でも昔の事故で亡くなってしまった幽霊の女の子との交流がきっかけで主人公たちの関係も修復されていく過程がすごく一夏の思い出って感じがして良かった! 最後のシーンは泣いちゃいましたよ。かくれんぼしてるだけなのに!」
〈最後のシーン思い出しちゃった(号泣)〉
〈作中に出てきた超平和クラッシャーズみたいな、幼馴染だけで決めた安直なグループ名を秘密基地に彫刻刀で掘ってみたかっただけの人生だった(遠い目)〉
〈↑存在しない幼馴染と一緒に秘密基地で遊んでる想像してる人いる……〉
〈やめたれよ〉
〈あのアニメ曲もいいんだよな。オープニングは夏になったらよく聞いてるし、エンディングなんかは夏の終わりに聞くとじんわりと来るんよね〉
〈わかるわぁ……というかポテサラくんやっぱ本当に色んなアニメ見てるのね〉
〈割とこの配信に来る人たちの世代と合致するアニメ見てる気がする〉
〈わかる。なんかすごいシンパシーを感じて……ふふ、なんかこう……〉
〈勝手にムラムラしてくる民もいます〉
〈ここ発情した雌猫しかいないのかな〉
〈近所でよく夜にそういうことしてる猫たちいるんだけど声がほんとにうるさい〉
〈もしかしたら1Pしてる私の声かもよ〉
〈1Pってそれ今日日聞かないよ……〉
〈というかポテサラくんの配信チャットでそういう話はやめなって〉
〈そうだよ。ただでさえがっつきすぎて引かれてるかもしれないのにこれ以上引かれたらどうするの! 〉
〈引かれてるなら〉
〈引かせてしまおう〉
「ホトトギス……ドン引いて嫌な顔してるホトトギス想像すると笑えてくるかも。でも大丈夫ですよ! これくらいの下ネタなら許容範囲です」
高校時代の俺よりは酷くないと思う。あの頃はしょっちゅう友達とレベルの低すぎる話してたから寧ろこれくらいしょうもなさがある方が好きだ。
〈【朗報】下ネタ、容認される〉
〈容認されたぁ!!〉
〈ひゃっほぉおおい!!!〉
〈珍珍!〉
〈うんこ!!〉
〈↑上の2人は小学生かなんかなのか? 〉
〈違うぞ。男の子の目の前で下ネタ言っていいという解放感から脊髄反射で打ってしまったんだぞ。おそらく学生時代に男子と喋ることさえできなかった青春コンプレックス持ちの哀れな大人だと予想してるぞ〉
〈↑……しししょ処女ちゃうわ!〉
〈あっ〉
〈……あー、うん〉
〈……やめてあげて。彼女のライフはもうゼロよ〉
〈……だってぇ(泣)〉
〈──私たちの戦いはこれからだ! 〉
〈↑勝手にこの流れを打ち切ろうとするな〉
〈下ネタがある程度は容認されたと言っても当然節度は守ったうえでの話だからね〉
〈そうそう。あくまでも公序良俗に反さないように〉
〈下世話な会話してる時点で公序良俗のクソもないと思うのだけど……〉
〈インターネット上だと沈沈やらうんちやらは下ネタ扱いなはならないぞ。えげつないワードなんかがネットの至る所にあるからか可愛いとさえ思えるくらいには〉
……確かになぁ。人並みには性欲があるため興味本位そのようなワードを調べたことはあるが珍珍なんて言葉は可愛いとさえ思えてくるようなものがたくさんある。
「あ、というか時間だ。そろそろ終わります!」
〈えぇー! はやい!〉
〈もっと話させてー!〉
〈まだ質問したいこと山ほどあるんだけどな〉
「申し訳ないです! 明日は大学の方でテストがあるので」
〈それなら仕方ないわね〉
〈頑張って!〉
〈応援してるよ!〉
〈ポテサラくん! 次はいつ配信するの?〉
〈次はいつー?〉
〈今日の配信のアーカイブは残してくれるのかしら〉
〈もしアーカイブ残してくれるならこれ聞きながら寝ようかな〉
「基本的に隔週の金曜の夜に配信しようと思ってます! なので次に予定してるのは来週の金曜の夜9時からです! アーカイブは基本残しますが配信内容によっては残さないことがありますのでご承知おきを!」
〈アーカイブ残してくれて……ありがとうっ!!〉
〈感涙〉
〈ありがとうポテサラくん!〉
〈隔週の金曜の夜……やっと見つけたのに、それまで私たちは誰の配信をみれば……〉
〈私は雁夜くんとか企業Vらへんかな。あそこは結構チャット読んでくれるし楽しそう配信してくれるからね。でも金曜の夜だけはポテサラくんの日にする〉
〈でも逆にそれ以外の男性の配信者って正直……うん〉
〈まあ投げ銭しない視聴者には目に見えて態度が変わるのがねぇ……〉
〈今のところオアシスが企業Vとポテサラくんしかないのが〉
〈充分だろ。ポテサラくんさえいれば私は……もう、どうなっても、いい〉
〈↑そのままの勢いでじゃんけんでグーだしてきそう〉
〈↑くっそ筋肉質になって髪めっちゃ長くなってそう〉
〈朝を貪り夜を吐き出し──〉
〈エンディングテーマ始まったな〉
〈まーたやってるよこいつら〉
〈みんな好きすぎだろ休載×休載〉
〈↑休載しすぎてるからといって漫画のタイトルを休載×休載にするのやめてね〉
「ということでおやすみなさい! また来週の金曜お会いしましょう!」
〈おやすみなさい!〉
〈おやすみなさいも言ってくれるんですか!?〉
〈おやすみ……なさ、い?〉
〈↑男からのおやすみなさいが信じられなくて感情失ったロボットになってる人いる〉
〈おやすみなさいっ!〉
〈録音しました。今から立体音響にリミックスして自分用に使います〉
〈↑配布plz〉
〈↑配布お願いします!〉
……おやすみなさい言っただけなのにいつの間にかフリー音源化してた
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配信タイトル:初配信!
2024/06/25
最高同接 2056人
配信時間 01:23:56