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異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました  作者: ももがぶ
第三章 旅の始まり
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第二十四話 認めた

 何やらショックを隠せないジャミールのことは後回しにして先ずはビーディの頭を覗くことにする。


「な、何をするつもりだ……」

「別に。ただ、ちょっとあなたの頭の中を覗かせてもらうだけだから」

「覗く……覗くとはどういうことだ?」

「大丈夫。痛くはないから。ちょっと前にシュリって夢魔(インキュバス)の頭の中を覗かせてもらったけど、すぐに終わったよ」

「シュリ……シュリだと! お前、シュリに何をした!」

「何をしたって、ちょっと頭を覗かせてもらった後は、ポイしただけよ」

「ポイ……」

「納得した? じゃ、覗かせてもらうね『記憶読取(リーディングメモリー)』」

「あ……ちょ……」


 ビーディはまだ何か言いたそうにしていたが、構わずにビーディの頭に手を乗せると、ビーディの頭の中を読み取る。


「へ~なるほどね……そういう搦め手で来たんだ……おっ! うわっ……ウホッなことまで読んじゃった。そっかそっか、ジャミールのおじさんはそういう趣味がね~」

「な、何を見た?」

「別に……心配なら、ちゃんと言おうか?」

「……いい」


 俺がビーディの記憶を読み込んでいると、その中にビーディとジャミールとの営みを目にしてしまいちょっと後悔したけど、ジャミールの秘密を知ってしまったことの方が面白くなる。だが、それに気付いた様子のジャミールが俺に何を見たのかと確認してくるが、俺が公表しようかと言えば、ソレは遠慮したいようだ。


「じゃあ、続きを見させてもらうね……ふむふむ、ああ……はいはい。うん、もうこれ以上はなさそうだね。じゃ、バイバイ」

「バイバイ? それはどういうことだ?」

「うん、こういうことだよ。『消滅(ディスアピアランス)』」

「え……」

「「「あ……」」」


 俺はビーディの頭に手を乗せたまま魔法を唱えるとビーディは、粉塵となってこの場から消えてなくなる。


「お前……それはないんじゃないのか」

「なんで? だって、相手はそこのおじさんと手を組んで簒奪を計画していたんだよ? どっちみち死罪は免れないんじゃない?」

「そうかも知れないが、それでも順序というものがあるだろ」

「順序ね。でも、俺はいつまでもここにはいないよ。それでも誰か相手出来るの?」

「それを言われると弱いな……」


 俺がビーディを始末するとマイクが非難めいたことを言ってきたが、どうせ始末されるのなら俺が直接手を下した方が早いし、後腐れもないだろう。


 それに魔族の相手をこの国にいる連中で相手に出来るのかと言えば、それは難しい話だろう。現にここまでビーディが潜り込めているのだから。


 俺がビーディの記憶を読み取っている間、俺が何を知ったのかと心配そうに見ていたジャミールの側に立つ。


「おい! 叔父上に何をするつもりだ?」

「別に……俺からは何もしないよ。っていうか、さっきの夢魔(インキュバス)からちゃんと情報は得られたから、後は答え合わせをしたいんだけど、どうしたらいいと思う?」

「答え合わせだと?」

「そう、答え合わせ」

「それはどういうことだ?」

「もう、さっきから質問ばかりだね。まあ、いいけど。さっき俺は夢魔(インキュバス)の頭の中を覗いて情報を得ることが出来た。ここまではいい?」

「ああ、それで?」

「それで、この得た情報を元にそこのおじさんに『本当ですか?』って聞くから、おじさんが『はい』か『いいえ』で答えれば、そこで答え合わせが出来るでしょ」

「……」


 ヘリオがジャミールの側に立つ俺に対し、何をするつもりだと聞いて来たので単なる答え合わせだということを話す。それで俺は改めて、ヘリオに対しどうしたらいいかと確認する。


「どうしたらいいとはどういう意味だ?」

「だから、答え合わせの方法をどうしようかなってこと。さっき見たいに瞬きで判断してもいいけど、あのおじさんの顔をジッと見るのもイヤだしね」

「それを私に聞くのか……」

「ないなら、適当に決めるけど。あ、そうだ!」


 俺はアオイに頼んでジャミールを立たせると両腕を自由にする。


「どういうつもりだ!」

「話は聞こえていたでしょ。じゃ、行くよ。『はい』なら、両腕は下げたままで。『いいえ』ならどっちかの腕を上げてね。分かった? もう一度言うよ。『はい』なら下げたまま、『いいえ』なら上げる。ね、簡単でしょ。じゃ、行くね」

「ま、待て……」

「待たない。おじさんはさっきの魔族とベッドを共にした。はい、いいえ、どっち?」

「ぐぬぬ」

「あ、嘘ついたら、俺はその正解を大声で事細かに公表するからね。そのつもりで」

「き、貴様! それではどちらも同じことじゃないか!」

「え? 何? どちらもってどういうこと? じゃあ、答えは『はい』なの? そうなの?」

「ぐ……」


 観念したのか、ジャミールは俺の問い掛けにどちらの腕も上げようとはしなかった。つまりはYesであるということだ。


「ふふふ、そうなんだ。じゃあ、次の質問でちょっとは救われるかもね。おじさんはビーディが男の娘だと知っていた。『はい』、『いいえ』どっち?」

「く……」


 おじさんは右手を挙げ『いいえ』を主張する。


「ふ~ん、よかったね。知らなかったんだ。じゃ、次」

「まだ、あるのか?」

「うん、まだまだ一杯あるよ。じゃあ、次は……うん、これにしようかな」

「な、なんだ?」

「じゃあ、聞くね。おじさんは簒奪を計画した。さあ、どっち?」

「そんなもん「嘘はダメだよ」……ぐぬぬ」


 ジャミールは俺の問いに右手を挙げようとしたが、俺がやんわりと嘘はダメだと言うとその右手をゆっくりと下げる。


 するとそれまで黙って成り行きを見ていたテリオが「ジャミール!」と口を開く。


「ジャミール、それは本当なのか!」

「兄上……」

「答えろ、ジャミール!」

「……本当だ」


 テリオの問い掛けにジャミールは小さく呟く。


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