サン
31歳の時に体重は88キロ。
服のサイズは3L。
少しづつ自信がついてきた私は、ある決心をした。
……働こう。
……就職しよう。
最終学歴が中学校の30過ぎのBBAが、正社員なんてなれるほど現実は甘くない。
いや、探せばある。
ただ、ここ10年以上フリーター少しと、ヒキニートしましたって言うと、必ず不合格の通知がきた。
世間は甘くないのよ。
自然と、派遣社員を選ぶ事になった。
嫌なわけじゃないよ。
今までまともに働いたことのない私を、雇ってくれるだけでありがたい事なのだ。
貯蓄をしたいから、残業が多くて、冷暖房が完備されていなくて、人気はあまり無いけど、その分給料はそこそこ良いある会社に決めた。
もう、両親に迷惑をかけたく無い。
引きこもりのニートでクズな私を愛して支えてくれた家族に心配をかけたく無い。
自立しなければ…。
自分の足で立たなければ…。
もう、家族に甘えきってぬるま湯に浸かるのはやめる。
その一心だった。
その会社では大型重機の製造していて、私はその部品のピッキング作業員として雇ってもらえた。
研修期間が3日あってから現場のお仕事だった。
現場の初日は緊張でガチガチに。
前で皆んなに挨拶⁈嘘でしょ?無理!無理だよ!
自慢じゃないけど、ニート歴何年だと思ってやがる!
『今日からお世話になります吉澤です。宜しくお願いいたします』
コレを言ってお辞儀をするので精一杯だった。
そこからは、怒濤。
覚える事や、手順を体に馴染ませるのに必死になった。
やっと、問題なく出来る様になるまで1ヶ月かかった。