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  作者: 孝正太郎
序章
1/1

日々

歩きスマホはダメだと頭で分かっていながら、私は構わずにそれを続けた。

「東京 新卒 募集」と検索し、そして画面を見ながらため息をつく。


大学4年の秋、私は就職活動に追われていた。


4年の夏、私は人よりも少し遅れて活動を開始したため、その分努力をせざるを得なかった。

遅れた理由はなんのことはない、社会に出る不安を拭えなかったからだ。

ようやく社会の一員になるための準備を始めようと思った時、周りの人間の多くは、すでに社会へのチケットを手に入れていた。


その遅れのせいなのか、その後の努力の方向性が間違っていたのか。

私は、この時期になっても進路が決定していなかった。


「あれっ、アカリー!久しぶりーっ!」


不意に名前を呼ばれて、顔を上げる。

そこには、私がいつも大学で一緒だった、前田ユウコがいた。


ユウコは美人で明るく、学内のミスコンにもエントリーされたほどだ。

なぜそんなユウコと私が友達になれたのかと、私は今でも時々疑問に思う。


「心配してたんだよー?LINEしてもアカリ全然返してくれないし…」


ユウコは美人で、明るくて、そして、就職活動も早々に終わらせて。


「あぁ、ごめん。」


そんなユウコに、私は、


「ちょっと、返す気分じゃなくて。」


少しの劣等感を抱くようになっていた。


ユウコに話しかけられても、私は歩きスマホを止めずにいた。

ふと、頭に浮かんだ言葉を検索してみる。

なぜその言葉が頭に浮かんだのか、理由はわからない。

ただ、自分でもよくわからないが調べてみようという気になった。



膿という言葉には、「始末しないとスッキリしないものの例え」、という意味があるらしい。


なるほど、それなら膿とはつまり、自分のことなのかもしれないと、私は思った。

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