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第45話 第4層

 いやぁ~……ドラゴンスレイヤーいいわぁ~……

 ステータスを結構高めに設定しといたドラゴン連中を2・3回斬りつけただけで倒せるよ。


 この3層に出現するドラゴンは、本当にラスボス前哨戦くらいな感じで、一気に必要レベルを引き上げて設定していた。

 たぶん、今のルカでもソロ討伐はギリなんじゃないかってくらいにはしてある。

 まぁその分、経験値とかはちょっとお高目に設定してはいるんだけど……


 弱点属性以外の属性には全て耐性つけてるし、状態異常も効きにくくしているうえに、攻撃・防御力と耐久性はそんじょそこらの雑魚モンスターでは比にならないくらい高い。

 まさに、ボスモンスターが雑魚エンカしてくるような鬼畜ステージなのだが、そんな場所を何の苦労もなく突き進めている。


 そして……

 敵の強さを考慮して、短めに設定していたとはいえ、現実化する事で広大化した3層が終わり、あっという間に4層入り口へと到達する。

 ちなみに、3層踏破までに5匹ほどドラゴン狩って、ドロップアイテムは0だった。

 ……うん、まぁそんなもんだよね。


 そして第4層。

 ここは、ただ広くひらけた草原のような場所があるだけだ。

 もちろん『古の幻林』内であるため、1層から続く霧は立ち込めた状態ではあるが、雑魚モンスターは一切いない。

 広い草原の中心に、ボスモンスターである最古の魔獣が鎮座しているだけのマップになっている。


 私はゆっくりと、最古の魔獣へと近づいていく。

 何か無駄に緊張するなぁ……私が設定した通りの強さなら、たぶん勝てるんだけど、変な汗が出てくる程度には緊張感がある。


 私は今まで、一方的な戦闘しかしてきていない。

 ある意味では、これが初めての闘いなのかもしれない。


 最古の魔獣は、私に気付いたのか、ゆっくりと立ち上がる。

 その大きさは、先程まで戦っていたドラゴンと同じくらいだろうか?高さだけでも私の3・4倍はある。全長はさらに大きい。

 見た目はギリシャ神話に登場するようなキマイラ、といった感じだろうか、複数の動物が合わさったような見た目である。


「……鑑定・改」


最古の魔獣 キマイラ LV1 モンスター

力……28000 防御……28000 魔力……28000 魔法抵抗……28000


炎のブレス 氷のブレス 雷のブレス 毒付与攻撃 麻痺付与攻撃 攻撃力低下付与攻撃 防御力低下付与攻撃 火耐性 水耐性 雷耐性 風耐性 毒無効 睡眠無効 即死無効 物理攻撃軽減 不老不死


総合戦闘力……243100


 最古の魔獣のステータスを見て、私が設定した通りの数値である事を確認する。

 もし、設定した数値より高かったら逃げようかとも思ったが、とりあえずはその心配はなさそうだ。


 それにしても……

 ラスボスとはいえ、結構無茶苦茶な強さに設定したなぁ私……


 一応は、今のルカレベルのヤツが5人くらい集まって、うまく連携取りながらパーティプレイすれば、倒せるようにはなっている設定だけど、これをソロ討伐とか……


 色々な属性攻撃をしてくる上に、攻撃には常に状態異常効果が付与されてくる。それでいて、コチラからの攻撃には色々耐性があり、物理攻撃すら軽減されるオマケ付きである。

 もう、ふざけんなよ!と言いたくなるような仕様だ。


 とはいえ、攻略法が無いわけではない。

 その辺はちゃんと抜け道を用意している。


 まず、属性耐性においては、土属性には耐性がない。

 もちろん『耐性がある』というだけで、効かないわけではないので、どの属性攻撃でもダメージは与えられるが、属性攻撃で攻めるなら土属性の攻撃主体で攻めるのが望ましい。


 そして、状態異常無効系無効のなかに「麻痺無効」だけは含まれていない。

 つまりは、効きにくいが麻痺攻撃だけは通るのだ。


 麻痺の効果は、一定時間50%の確率で、敵が行動しようとした時、動きを阻害する効果がある。

 運が良ければ、一定時間敵が攻撃動作を一切行えなくなるが、運が悪ければ、まったく何も無く一定時間経過する、というギャンブル要素満載な状態異常だ。


 まぁだからこそ、ちょっとした攻略の抜け道として、麻痺無効を最古の魔獣には設定しなかった。


 といっても、通常プレイヤーは『鑑定・改』を使えないので、それを見つけられるかどうかはプレイヤーの運次第なのかもしれない。


 そんなわけで、そんな最古の魔獣と見つめ合った状態で立っている。

 一定以上距離が離れているため、私がこれ以上近づかないかぎり、最古の魔獣もこれ以上は動かないようだった。


「今はゲーム世界とは違いますからね……ちょっとズルさせてもらいますよ……」


 いちおう最古の魔獣に一言伝えておく。


「エレメンタルガード、エレメンタルパワー、エクストリーム・ハイシールド、エクストリーム・ハイパワーゲイン、エクストリーム・ハイマジックパワーゲイン、魔法剣『土属性』、パラライズグレント」


 最古の魔獣が動かないのをいいことに、バフ魔法等をかけまくる。

 ゲーム上では、本来戦闘状態にならないとバフはかけられないのだが、現実世界となった今は、戦闘前に事前に仕込む事が可能になっていた。

 その辺はすでに確認済みである。


 ちなみに私が使ったのは、最初から順に……属性防御力アップ、属性攻撃力アップ、単体防御力大アップ、単体攻撃力大アップ、単体魔法攻撃力大アップ、通常攻撃に土属性付与、通常攻撃に麻痺攻撃付与、である。


 ああそうだ、ついでに……


(エクストリーム・ロックボム、セット)


 単体攻撃の土魔法をセットしておく。


 とりあえず下準備はこんなもので大丈夫だろうか?


 私は、攻撃射程距離に最古の魔獣を入れるため、最初の一歩を踏み出した……


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