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蒼い夢の話

作者: にんじん

これは自分が高校生の時に見た夢の話です。

拙い文章ですが、読んでいただけたら嬉しいです。

いつも通りの朝。

部屋の窓からは優しい陽の光が差し込み、屋根の上の雛鳥が鳴く。

眠い目を擦りながら居間にいる家族と挨拶を交わす。


「雨戸を開けてほしい。」


母親の言葉に頷き、少し錆びついて開けづらい雨戸を開ける。

雨戸の向う側の世界に、私は目を見開いた。

目の前にはひっそりと佇む駅にある様なプラットホームと線路。

そしてその奥に広がる蒼い海。

優しい磯の香りが鼻腔を、ひんやりとした潮風が顔の横を静かに通っていく。

はっと我に返り、今見たものを慌てて母親に伝える。

すると母親は


「何言ってるの、あんたが生まれる前からずっとこうだったわよ。」


と言って台所に向き直った。

私はどうしても信じ切れずにまた外を見遣る。

けれど先程と変わらず、蒼い海はただ陽の光に照らされきらきらと輝きながら揺れるばかりだった。

まだ状況を掴みきれず呆然としていると母親は


「はやく学校に行く支度をしなさい。」


と弁当箱を渡してきながら促した。

悩んでも仕方ないので、私は支度を始めた。



七時五十五分。

先程のプラットホームで何かしらが来るのを待つ。

外に出てみて、ここは私が知っている世界ではないことを再認識する。

坂だらけだったはずの道は全て平地になっており、近所にある家は数件ほどしかなかった。

よく見ると地面は薄ら水が張っている。

それを見てどうしようもない気持ちになり、溜息を一つ吐いて空を仰ぐ。

空を流れる雲を眺めていると、目尻に路面電車のようなものが見え始めた。

行先を確認すると、学校と書いてあった。

支払い等はバスと同じ要領だったため、慌てる必要はなかった。

端の席に座り、自分の足元を見つめる。

電車が水を割いて進んでいく音がとても心地よく、眠気が徐々に私を包み込む。

学校に着くまで一眠りしようと目を閉じ、そのまま私は堕ちた。



びくっと自分の身体の弾みで目を覚ます。

最初に目に入った光景は白い天井、私の部屋だった。

私は身体を起こし、自分の部屋から外を覗く。

そこにあったのは見慣れた坂道だった。

どうやら私は夢を見ていたらしい。

私はほっと胸を撫で下ろし、居間へ向かった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

始めたてなのでわからないことだらけですが、暖かい目で見守っていただけたらと思います。

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