192.アアルの南側へ!!
ピラミッドを攻略した翌日の月曜日。私、日向、大空、舞歌は、教室で集まっていた。
「それじゃあ、アアルを南に抜けても、また砂漠があるって事?」
「そういう事。砂漠を抜けて、また砂漠ってなると、正直気が滅入るよね。黒羽織とかがあるから、暑さは必要以上に気にしないで良いけどさ」
「では、別の場所に変えますか?」
舞歌にそう訊かれて、少し悩む。そこに大空が意見を出した。
「別にそのままで良いでしょ。さらに、その砂漠を抜ければいい話なんだから」
「まぁ、プティと月読があれば可能だと思うけど、ボスがいる事を忘れないでよ?」
「砂漠のボスって、何だろう?」
「砂漠で考えると、蠍やラクダでしょうか?」
「後は、あのワームとかの上位種とか?」
皆の出したボス像は、実際にあり得そうなものだった。
「……何か、全部厄介そう。それに、もうそろそろ倒しにくいボスになっていてもおかしくないし」
「ああ、私の鳴神が通用しない相手もいるかもだしね」
「鳴神が通用しない相手か……あっ、もしかして、今ならジークにも勝てるんじゃない?」
私がそう言うと、日向は、少し難しい顔をした。
「う~ん、どうだろう? この前会ったけど、まだ勝てるって気はしなかったなぁ」
「鳴神の攻撃を避けられそうって事? この前のファラオみたいに攻撃無効のバリアがあれば……って、あったか」
「あれがバリアなのか分からないけどね」
私と日向は、ジークの聖鎧の技である『光膜』を思い出していた。万能な防御技で、光の膜によりあらゆる攻撃を防いでしまうものだ。私は、抗魔弾と呼ばれる魔法を打ち消す弾で対処したけど、日向の話から、それももう通じるかどうか怪しいものだ。
「ジーク達も私たちと同じように、イベント報酬を貰ってるはずだから、強くなっているのは当たり前っちゃ当たり前だけど」
大空がそう言って、私もイベント報酬のことを思い出した。私や日向が貰った月読や鳴神といった強力な武具やシエルの着せ替え人形など、本当に強力なものが貰えた。それなら、大空の言う通り、ジークやエラも同じように強力な報酬を貰っているはずだ。
「うわぁ……絶対、ジークとは敵対したくないなぁ」
「まぁ、一度同じパーティーで戦っているし、そこまで心配しなくても大丈夫でしょ」
「そうだよ。きっと大丈夫なはずだよ」
唯一、ジークの強さを目の前で見た事のない舞歌だけは、そんなに強いんだみたいな表情になっていた。
「そうだ。この前のプレイヤーキラーがいたでしょ?」
「ああ、吹き飛ばしたやつね」
「そうそう。その人達」
ピラミッドを攻略している最中、私達を襲ってきたプレイヤーがいた。そのプレイヤー達を、私は天照を使って頭を吹き飛ばす事で撃退した。一番手っ取り早い方法だと思って、その方法を使ったけど、何かあったんだろうか。
「まぁ、その人達のその後は分からないんだけど、ああいったプレイヤーキラーが、かなり増えているみたいなんだ。何かギルド的なものが出来て、情報共有が盛んに行われているんだって。気を付けてね」
日向は、まっすぐ私を見てそう言った。
「何で、私にだけ言うのさ」
「さくちゃんが、一番トラブルに巻き込まれるんだから、さくちゃんに言わないとダメでしょ?」
事実なので、何も言えなくなる。このタイミングで予鈴がなったので、私達はそれぞれの席に着いて、授業を受けていった。
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そして、次の土曜日。私達は、アアルの噴水広場に来ていた。この前のピラミッド攻略のおかげか、私達のスキルレベルは、少し上がっている。
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ルナ[暗殺者]:『銃術Lv110(ユ)』『短銃術Lv78(ユ)』『長銃術Lv45(ユ)』『狙撃銃術Lv14』『散弾銃術Lv11』『銃弾精製Lv124(ユ)』『爆破物精製Lv60(ユ)』『リロード術Lv112(ユ)』『体術Lv87』『短剣術Lv73』『捕縄術Lv11』『舞踏術Lv34』『投擲Lv59』『暗視Lv91』『潜伏Lv93』『気配遮断Lv77』『消音Lv88』『消臭Lv76』『隠蔽Lv30』『聞き耳Lv93』『速度上昇Lv93』『防御上昇Lv97』『器用さ上昇Lv88』『防御術Lv99』『回避術Lv106』『軽業Lv105』『急所攻撃Lv90』『防御貫通Lv75』『超集中Lv70』『騎乗Lv69』『見切りLv59』『気配感知Lv98』『弱点察知Lv69』『潜水Lv30』『泳ぎLv33』『登山Lv71』『痛覚耐性Lv120』『気絶耐性Lv57』『環境適応Lv41』『言語学LV97』『地図作成Lv15』『 』
EXスキル:『解体術Lv68』『採掘Lv15』『古代言語学(海洋言語)Lv42』『古代言語学(地底言語)Lv40』『古代言語(魔界言語)Lv26』『古代言語(草原言語)Lv28』『古代言語(黄金言語)Lv24』『古代言語(氷海言語)Lv13』『精神統一Lv84』『クイックチェンジLv29』『暗殺術Lv24』『狙撃術Lv11』
職業控え:[冒険者][狩人]
ソル[侍]:『刀術LV126(ユ)』『抜刀術Lv108(ユ)』『体術Lv60』『受け流しLv76』『防御術Lv83』『回避術Lv102』『軽業Lv91』『暗視Lv90』『聞き耳Lv85』『攻撃上昇Lv85』『速度上昇Lv100』『器用さ上昇Lv80』『急所攻撃Lv60』『防御貫通Lv59』『集中Lv90』『見切りLv88』『気配感知Lv90』『弱点察知Lv81』『疲労耐性Lv83』『痛覚耐性Lv49』『気絶耐性Lv24』『環境適応Lv34』『言語学Lv52』
EXスキル:『採掘Lv15』
職業控え:[冒険者][剣士]
シエル[人形遣い]:『人形術(熊)(狼)(羊)(龍)Lv122(ユ)』『人形合体Lv45(ユ)』『着せ替え人形Lv69(ユ)』『従者強化Lv102』『潜伏Lv80』『暗視Lv72』『聞き耳Lv63』『攻撃上昇Lv55』『速度上昇Lv31』『集中Lv70』『騎乗Lv85』『気配感知L80』『疲労耐性Lv32』『環境適応Lv32』『言語学Lv31』
EXスキル:『採掘Lv2』
職業控え:[冒険者]
メレ[歌姫]:『歌姫Lv112(ユ)』『聖歌Lv51(ユ)』『歌唱Lv95』『声量増強Lv43』『効果範囲拡張Lv90』『潜伏Lv23』『暗視Lv45』『速度上昇Lv32』『集中Lv44』『疲労耐性Lv21』『環境適応Lv54』『言語学LV19』
職業控え:[冒険者]
ネロ[獣人]:『猫Lv112(ユ)』『虎Lv57(ユ)』『白虎Lv41(ユ)』『暗視Lv85』『潜伏Lv73』『気配遮断Lv47』『消音Lv32』『消臭Lv46』『聞き耳Lv95』『攻撃上昇Lv69』『速度上昇Lv90』『防御上昇Lv74』『防御術Lv84』『回避術Lv90』『軽業Lv95』『急所攻撃Lv78『防御貫通Lv65』『集中Lv83』『見切りL70』『気配感知Lv89』『弱点察知Lv56』『登山Lv35』『痛覚耐性Lv55』『環境適応Lv32』『言語学Lv32』
職業控え:[冒険者]
ミザリー[治療師]:『棍術Lv58』『光魔法Lv79』『回復魔法Lv90』「詠唱短縮Lv78」『光属性強化Lv65』『回復量増加Lv87』『暗視Lv68』『潜伏Lv60』『聞き耳Lv60』『魔力上昇Lv84』『速度上昇Lv79』『防御術Lv48』『回避術Lv59』『集中Lv62』『気配感知Lv49』『環境適応Lv48』『言語学Lv29』『地図作成Lv15』
EXスキル:『並列処理Lv70』
職業控え:[冒険者]
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戦闘を任せていたソル、シエル、ネロのスキルレベルの上がり方が顕著に現れていた。さらに、歌を歌い続けていたメレもかなりスキルレベルが上がっている。
それと、全員環境適応のスキルが、かなり上がっていた。砂漠という高温の環境下に長くいたからだと思う。かなり使えるスキルだから、上がってくれたのは嬉しい事だった。
そして、シエルとメレとミザリーの新装備も完成したらしい。
シエルは、今まで着ていたローブではなく、動きやすい黒いショートパンツと青を基調としたパーカーになっていた。
メレの装備はピンクを基調としていたのが、白を基調としたものに変更されている。色違いって感じが強いけど、細かい部分が変わっている。それらのせいか、メレのアイドルらしさは薄れていた。
ミザリーは、シスター服だったものが、白を基調としたワンピースとジャケットとブーツになっていた。それは、どこか神聖さを感じさせる。そして、何故か首に十字架のネックレスを着けていた。それは、ミザリーの回復魔法と光魔法の効力を上げる装備らしい。
シエルは、プティとかに乗ったりするから、動きやすさ重視がコンセプトになっていて、メレとミザリーは、聖歌や回復魔法から、神聖さをコンセプトにしているんだと思う。
ソルは、皆の衣装を様々な方向から、目をキラキラさせて見ていた。そんなソルの首根っこを掴んで、引き剥がす。
「それじゃあ、早速南に向かおうか」
私達はアアルの南から外に出る。そして、いつも通り月読とプティによる移動で南に向かっていく。